不思議な巡り合わせ

kitty369

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神結び

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結び。
ひととひとを結ぶ糸。
神とひとを結ぶ糸。

小兎 伊都は、娘のために編みものをしていた。

巫女の務めは朝が早い。
それは妊婦である彼女もそうだった。

が、妊婦である彼女を心配し神社の祭祀は夫である僕が、やるつもりだったのだが

責任感が強く、やると決めたことは最後までやり抜く、男の僕よりもこころが強い彼女だ。
でも、知っている、本当はただ、頑張り屋さんなだけで誰よりも寂しがり屋の甘えん坊の可愛いらしい女性らしい女性である事も。
だからね、伊都さん僕の前では強くあろうとしなくって良いんだよ。

僕の腕でも君と子どもを守ることくらいは出来るし

させてよ。

イザヤ神宮の神、ハルとイザヤの夫婦神をご先祖さまに持つ、小兎春斗は
悩んでいた。
妻が全然頼ってくれないことに。

それと時を同じくして実は、
ハルとイザヤの子孫はあちこちに分かれていたのだ。

小兎家、大熊家、鈴木家、横橋家、小林家、八木家と枝分かれしていた。

まさか、同じ先祖を持つ子孫同士が、
遠い遠い、時間を経て結びついたのは

この先のお話。

【ねぇ、おとーしゃま、ねむいのー】
お気に入りのうさぎとくまのクッションを両手に持って引きずりながら来る、
我が家の可愛い可愛いお姫様。

【伊亜?だから、言ったじゃないかぁ、夜更かしはあれほどいけないって】

僕が少しリアクションだけは怒ったように言うと、
今にも大きく見開いた瞳にはうるうると涙の粒。

3歳児にはまだ
早いかな?

あぁ、見れば可愛い我が家の姫さまは
泣いてしまって居た。

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