いちばんを奪う彼

竹柏凪紗

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第9話 お土産

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カップラーメンを2個ぺろりとたいらげて、アプリには5,000円以上課金。
昨日は贅沢を満喫した1日だったわ。

ルンルンで会社の前まで出勤した麻衣が仕事用のシャキッとフェイスに切り替えたとき
「あ、川崎先輩!おはようございます」
陽キャの多分リア充な宮瀬和泉みやせいずみに声をかけられた。

うわぁ…。
出た。

それほど頑固なこだわりもないくせにしつこく私を食事に誘ってきた新入社員。

なのに、いっしょに食事したそうな顔をしていた七森志乃ななもりしのとつないであげたらアッサリ2人で盛り上がって行く店を相談しながら視界から消えて行ったし。

さっそく朝イチでこの顔を見ることになるとは。
あぁ、なんか嫌な気分になったのを思い出したわ。

一気に疲労とストレスが押し寄せてくる。
この感じ、きついなぁ。

なんて麻衣はうなだれていたのだけれど。

「あ、これ、お土産です」
和泉はやわらかい太陽みたいな笑顔を浮かべて麻衣に紙袋を差し出されて驚いた。

「…え?」
一瞬かたまる麻衣。

「え~っと…。なんのお土産だろ?」

「え?昨日、俺だけ食事に行っちゃったので」
「…はぃ?」

「本当はいっしょに行きたかったんですけど用事があるって言っていたので、せめてものお土産です。あ、生ものじゃないので安心してください。真空パックのおつまみ鶏です」

…え?

ん…。
食事に行っただけでお土産?

「行けなかった私のために買ってきてくれたってこと?」
「はい!今度はいっしょにごはん行きましょうね」

笑顔で頷き
「あ、宮瀬くん、おはよう!昨日はありがとう」
志乃から声をかけられて麻衣に会釈。

その場を去った和泉に麻衣は不思議な気分に包まれた。
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