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第19話 不本意なドライブ
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どうして私が草食系ふわふわノー天気ワンコ男子の宮瀬和泉とドライブなんかしなきゃいけないの?!
…あ、違った。
つい、宮瀬につられてドライブなんて思い込むところだったわ。アセアセ
もとい。
社長の饅頭を買いにわざわざ遠くのエリアまで営業しに行かなきゃいけないわけ?
「だいたい経費っていうのは、事業を目的とするにかかった費用だけしか計上できないんだよ?営業を目的じゃなくて饅頭を買うのが目的なら、そもそも経費で計上できないっての」
心の声が漏れ出ていたらしい麻衣に
「川崎先輩って、真面目ですよね」
ハンドルを握りながらにこにこと和泉が言う。
「…あ、声に出てた?」
「はい、思いっきり出てました」
笑顔のまま切り返され、話を終わらせるわけにもいかず愚痴へ。
「ま、真面目というか…。そう決まってるんだからルールは守らなきゃでしょう?取引先を開拓するために行ったところで従業員全員にお土産を購入したなら福利厚生費として計上できるかもだけど、目的が饅頭の購入なら目的が違ってくるわけじゃん?」
ストレス発散と嫌味をぶつけるつもりで言ったのに
「そういうとこ俺、尊敬します」
真面目に言われて返す言葉に戸惑ってしまう。
「実は俺、入社した日に川崎先輩から『営業を舐めてるのかな?』って言われたとき、ハッとしたんです」
「…は?」
「ほんとかっこいいって思っちゃったんですよね。『営業のコツなんていうのはね、共有するものじゃない。自分で努力して取引先それぞれに会ったコツを見つけていくものなのよ。甘えないで』とか、もう、ゾクゾクしちゃいました!」
嬉しそうに弾む声で言った宮瀬はそのあと、驚くようなことを口にした。
…あ、違った。
つい、宮瀬につられてドライブなんて思い込むところだったわ。アセアセ
もとい。
社長の饅頭を買いにわざわざ遠くのエリアまで営業しに行かなきゃいけないわけ?
「だいたい経費っていうのは、事業を目的とするにかかった費用だけしか計上できないんだよ?営業を目的じゃなくて饅頭を買うのが目的なら、そもそも経費で計上できないっての」
心の声が漏れ出ていたらしい麻衣に
「川崎先輩って、真面目ですよね」
ハンドルを握りながらにこにこと和泉が言う。
「…あ、声に出てた?」
「はい、思いっきり出てました」
笑顔のまま切り返され、話を終わらせるわけにもいかず愚痴へ。
「ま、真面目というか…。そう決まってるんだからルールは守らなきゃでしょう?取引先を開拓するために行ったところで従業員全員にお土産を購入したなら福利厚生費として計上できるかもだけど、目的が饅頭の購入なら目的が違ってくるわけじゃん?」
ストレス発散と嫌味をぶつけるつもりで言ったのに
「そういうとこ俺、尊敬します」
真面目に言われて返す言葉に戸惑ってしまう。
「実は俺、入社した日に川崎先輩から『営業を舐めてるのかな?』って言われたとき、ハッとしたんです」
「…は?」
「ほんとかっこいいって思っちゃったんですよね。『営業のコツなんていうのはね、共有するものじゃない。自分で努力して取引先それぞれに会ったコツを見つけていくものなのよ。甘えないで』とか、もう、ゾクゾクしちゃいました!」
嬉しそうに弾む声で言った宮瀬はそのあと、驚くようなことを口にした。
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