いちばんを奪う彼

竹柏凪紗

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第21話 本気です

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「ふ、ふざけないでっ!そういう冗談、好きじゃないから!」

吐き捨てるように言った麻衣に思わず車を路肩に停め
「ご、ごめんなさい!」
なんて思いっきり頭を下げるからやっぱり冗談なのかと心底イヤになった麻衣だったけど。

「あ、え、えっと…。冗談とかじゃなくて本気です!」

顔を真っ赤にしながら和泉はそんなことを言う。

「…は?」

もう、開いた口が塞がらない。

なんなの?
この茶番は。

「あぁ、あぁ、いい、いい。もうそういうからかいとかドッキリみたいなの、いらないから」

溜め息をついた麻衣を驚いた様子で見つめて
「…そ、それって、どういう意味ですか?」
和泉が聞く。

「はぁ?そのまんまの意味に決まってるでしょう?宮瀬くん、ちょっとお馬鹿なの?!」

鼻で嗤って
「職場の先輩に悪い冗談とか、ほんと嫌われるよ?そんなことよりさっさと行こう、営業」
そう促して和泉のほうを睨んだ麻衣は言葉を失った。

「先輩こそ、からかわないでください。俺は本気です」

なんて、びっくりするくらい艶っぽくて真剣な表情で言う和泉に見つめられたから。

「…は?」

心臓がバクバクバクっとおかしくなってカラダの中がぶわっと熱くなって焦る。

な、なに?

麻衣が驚いてかたまるとすぐに和泉はいつものふわっとした感じに戻って
「頭の片隅にでいいので、俺の告白も記憶に留めておいてくださいね。それでときどき思い出してくれたら嬉しいです。俺、先輩に好きになってもらえるようにいっぱい頑張るんで!」
可愛く笑って言った。
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