【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗

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第82話 約束?

得意気な笑みを浮かべたトモは大和から離れて和馬のところへやってくると、
「ごめん、ごめん。大和くんと話すのが楽しくて、和馬くんの存在を忘れちゃってたよ。機会があれば和馬くんもいっしょに遊ぼうよ。機会があれば、だけどさ」
わざとらしく言ってくる。

どうにかイラつきを押さえてその場を立ち去った和馬だったけれど、翌日以降トモは毎日のように学校や寮の近くをうろつくようになり、ついに週末がやってきた。

「あ、和馬くん!最近よく会うよね」

寮の下で会ったトモは、いつものように白々しく声をかけてきて見下すように嗤う。
そして寮へ戻ってきた大和を見つけると嬉しそうに走っていった。

無表情で無言のままの大和にずっと楽しそうに話しかけ続けるトモ。
そのまま大和の肩を組むと、グッとカラダを密着させて和馬のほうを見ながら微笑んだ。

身動きがとれず固まっていた和馬の前まで来るとサッと大和から離れ、
「ごめん、ごめん。大和くんと話すのが楽しくて、和馬くんの存在を忘れちゃってたよ」
にんまりと意地の悪い笑みを浮かべる。

「ウソつくな。さっきからチラチラ見てただろうが」
さすがに我慢できず睨みつけながら怒鳴る和馬。

「和馬くんって、そういうこと言えちゃう人なんだ?もうちょっとおとなしい人かと思ってた」

トモはそう言うとさらに近づいて和馬の耳元で囁く。

「トラウマで部活やめたり、いまだに発作とか起こしちゃったりする人だから」
「お前っ!」

掴みかかろうとした和馬より先に、大和から
「約束が違うくね?」
そう言われてサッと離れるトモ。

約束…?

なに?約束って…。
聞こうとしたのに言葉が出ない。

戸惑っているうちに大和は
「行くぞ」
トモを引っ張るようにして寮のエレベーターに乗り込んでしまった。

そのエレベーターを見つめながら和馬は問いかける。
約束って、なんだよ…?

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