【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

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第98話 爆破された別荘

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翌日、学校へ着くと扇が
「ごめん!なんか、食材を頼んだサイトが閉鎖したみたいで全然つながんなくて…。食材の配送先を変更できなかったから、買い出しからになるけどいい?」
申し訳なさそうに言う。

「全然平気!むしろ、そっちのほうが楽しそう!」

紗里が言って、
「もしかして、ずっと気にしてくれてたんじゃない?連絡、メッセージとかでもよかったのに」
私も続いて言葉をかけた。

「メッセージとかより、こういうことは対面で言ったほうがいいかな?って。このあとのことをどうするかっていうのもあったし」

「…というか、お金は?」
「あ、代引き」

「だったら、別荘に不在票とか届いてるんじゃない?あとで見に行ってみる?」
「え、でも、遠いよ」
「取りに行かないと腐っちゃうじゃん。食材だし、もったいない」

「電車とバスを乗り継いで行くのとタクシー割り勘だったらどっちが安いかな?」
「うわぁ、きわどいとこかも」

結構そういう相談しているのも楽しかったのだけれど。

「それはもう、できないわ」
影薄先生が教室に入ってきた瞬間、そんなほのぼのとした時間は終わってしまった。

「は?掃除終わってからの話なんだから、先生がいろいろ言うことじゃないだろ?」
昨日から影薄先生にキレ気味の扇。

けれど、影薄先生にタブレットを突きつけられた瞬間に青ざめて沈黙。

「扇…?」
そのタブレットを覗き込んだ柚吏も言葉を失った。

映し出されていたのは昨日、扇が見せてくれた別荘付近の映像と黒く焦げた瓦礫の山。

「これってもしかして…」

紗里の言葉に
「扇の別荘…」
柚吏が反射的に答える。

タブレットから流れてくる報道陣たちの声から、扇の別荘が午前中に爆破されたこと、犯人は逃走して行方がわからないことが判明した。

「お、俺…、まだ何の連絡ももらってないし…。ほ、報道陣…、早っ…」
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