【奨励賞・受賞】彼氏がイケメンなのは絶対ヒミツ

竹柏凪紗

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第150話 国を食い潰すやばいヤツ

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趙高ちょうこうもその末裔も、怖い人たちだね。何人もの人を利用して死に追いやって…。しかも、聖徳太子まで殺したの?」

驚く末明に白川先生が続ける。

「聖徳太子だけじゃない。聖徳太子が重んじた仏教を広め、京都などを開拓したとされる秦の始皇帝の末裔も手にかけたのではないかと思う」

「そうなの?なんか、めちゃくちゃするね、その趙高ちょうこう
「まぁ自身が手を汚したわけではないと思うが、当時の天皇、桓武かんむ天皇から信任されていた藤原種継ふじわらのたねつぐとともにことを進めていた秦の始皇帝の末裔をやっかむ、ほかの藤原氏たちを上手く利用したんだろう」
「でも趙高ちょうこうの末裔は、どうしてそんなことをしたんだろう?それに、いまでも秦にいた末裔たちを苦しめている理由って、何?それに、日本に来てまでいろいろと酷いことをやっている理由もよくわかんない」

思わず聞いた末明に、
「俺たちみたいな凡人には謎だよね。だけど、根強い恨みとお金や権力に対する相当な執着なんじゃないかと思う」
白川先生は小さな溜め息をついた。

趙高ちょうこうは、自分が操れると踏んだ子嬰しえいによって死に追いやられている。この子嬰しえいは秦の始皇帝の弟・成蟜せいきょうの子どもとも、趙高ちょうこうによって操られた挙句に死に追いやられた秦国の二代目皇帝・胡亥こがいの息子ともいわれているが、俺は後者だと思う」

「なるほど。それで自分の先祖を殺した秦の始皇帝の末裔を殺害し、復讐したってことか」

柚吏の言葉に頷き、
「その線が濃いだろう。藤原種継ふじわらのたねつぐを失脚させたのち、現在の兵庫県赤穂市へ追い込んだ挙句に殺害したといったところか。そして日本でも暗躍しているのは、秦の国を思い通りにできなかった先祖の無念を日本という国で果たそうとしているのだろう」
白川先生が言ったとき、恭介が青ざめた顔で口を開いた。

趙高ちょうこう、めちゃくちゃヤバイやつじゃん。そりゃそんなヤツ、俺ひとり殺すぐらいどうってことないわな。…俺、お前たちに協力する。まだ殺されたくないし、そんなヤツらに国を食い潰されるのも嫌だからな。それで俺は、どうすればいいんだったっけ?」
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