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第76話 葉擦れの術を応用した忍具
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気配もなくヌッと近づいてきた感じといい、背筋がゾッとするような笑みといい、もう“影薄”なんていう苗字が似合わないほどの強烈な印象を残していった感じ。
「…なんか、すごい圧というか…、独特な雰囲気を纏ってたね」
「うん…。気配を消して近づいてきたあたりとか、まるで忍者。…って、影薄先生、実は私たちと同じ忍者だったりして!」
興奮して少し声が大きくなった紗里を注意したけど、もう遅かった。
ふと横を見るともうすでに影薄先生がいて、
「さっき注意したことがわかってないようね?」
こちらを睨みつける。
また怒られるのを覚悟した末明と紗里だったが、
「やっぱり、この学園に忍者がいるって話は本当だったみたいね」
薄く笑った影薄先生に何かを手渡された。
影薄先生が手渡してきたのは、何の変哲もないマスク。
裏にも表にも細工をされたような形跡さえない。
引っ張ってみても透かしてみても。
「これ、何ですか?」
ただの白いマスクを渡され戸惑った紗里が聞く。
「この学園には、私よりも耳が冴える連中がたくさんいるわ。それは“葉擦れの術”を応用した忍具。いまは連中がいないみたいだからいいけど、今後もし聞かれたくない話がある場合には、それをマスクのように着用してしゃべるといいわ」
「え…、“葉擦れの術”って、葉が擦れるぐらい小声で話す忍術のことだよね?葉が擦れるぐらいの声だから、周囲にいる人たちには話を聞かれずにすむっていう忍術?」
「そう。高野さんは、よく勉強してるのね」
「へへっ、忍者であることに誇りを持っていますので」
紗里がそう言うと影薄先生は薄い笑みを浮かべ、
「感心だわ。実は私も忍者なの。忍者協会にも登録してるわ。でも、他言無用。理科準備室を爆破した輩たちがどこにいるかわからない。マスクの話も内密にね」
そう言ってもういちど笑った。
どうやらこの笑みがデフォルトらしい。
「…なんか、すごい圧というか…、独特な雰囲気を纏ってたね」
「うん…。気配を消して近づいてきたあたりとか、まるで忍者。…って、影薄先生、実は私たちと同じ忍者だったりして!」
興奮して少し声が大きくなった紗里を注意したけど、もう遅かった。
ふと横を見るともうすでに影薄先生がいて、
「さっき注意したことがわかってないようね?」
こちらを睨みつける。
また怒られるのを覚悟した末明と紗里だったが、
「やっぱり、この学園に忍者がいるって話は本当だったみたいね」
薄く笑った影薄先生に何かを手渡された。
影薄先生が手渡してきたのは、何の変哲もないマスク。
裏にも表にも細工をされたような形跡さえない。
引っ張ってみても透かしてみても。
「これ、何ですか?」
ただの白いマスクを渡され戸惑った紗里が聞く。
「この学園には、私よりも耳が冴える連中がたくさんいるわ。それは“葉擦れの術”を応用した忍具。いまは連中がいないみたいだからいいけど、今後もし聞かれたくない話がある場合には、それをマスクのように着用してしゃべるといいわ」
「え…、“葉擦れの術”って、葉が擦れるぐらい小声で話す忍術のことだよね?葉が擦れるぐらいの声だから、周囲にいる人たちには話を聞かれずにすむっていう忍術?」
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「感心だわ。実は私も忍者なの。忍者協会にも登録してるわ。でも、他言無用。理科準備室を爆破した輩たちがどこにいるかわからない。マスクの話も内密にね」
そう言ってもういちど笑った。
どうやらこの笑みがデフォルトらしい。
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