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第78話 いいところ
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放課後、自我の柚吏は怪しまれずに末明を連れ出すため、普段の柚吏を装って紗里と接触。
「自我の柚吏が末明さんに勉強を教える約束をしていたと思うのですが…。あれって、どうします?」
確認を取る。
「え?私としては引き続きやってほしいけど…無理かな?この白鷺学園はレベルが高いからこのままだと末明は確実に留年するだろうし、役に立つかどうかはわからないけどいっしょにいる間は柚吏のボディーガード的な役目も果たせるだろうし」
紗里は完璧なぐらい予想どおりに答えてくれたので、途中からは問題なく2人だけで帰れることになった。
勉強は柚吏の家でやると伝えたけど、実際は何だか“いいところ”に連れて行ってくれるらしく期待している。
“いいところ”って、どこだろう?
ウキウキしながら柚吏の隣に並んで歩く。
学校からの帰り、紗里との分かれ道で
「もしまた白川先生の店で集まるとか、そういうことになったら電話するから絶対に出てよ」と強く言われたことを思い出しながら、「電話なんか掛かってきませんように」
ひとまずお祈り。
普段の柚吏と同じように黒縁メガネをかけて冴えない恰好をしながらも、どこからともなく人をドキっとさせるオーラが溢れている。
本人的にはきっと、限界まで自我の柚吏を封じ込めているとは思うんだけど。
「何?俺、そんなじっと見つめるほどイケメン?」
柚吏にいきなり顔を覗き込まれ、ニタニタしながらそんなことを聞かれたから
「は?そ、そんなわけないじゃん…!」
つい否定してしまう。
かっこいいよ、イケメンだよ、大好き。
だけど、いまは絶対にそんなこと言いたくない。
「うわ、怒ってんじゃん」
「柚吏が変なこと言うから!」
「ごめんってば。スネんなって」
「は?スネてないし。…で、“いいところ”って、どこ?」
「まだ内緒。いまから電車とバスを乗り継いで行く」
柚吏は末明の手をとった。
「自我の柚吏が末明さんに勉強を教える約束をしていたと思うのですが…。あれって、どうします?」
確認を取る。
「え?私としては引き続きやってほしいけど…無理かな?この白鷺学園はレベルが高いからこのままだと末明は確実に留年するだろうし、役に立つかどうかはわからないけどいっしょにいる間は柚吏のボディーガード的な役目も果たせるだろうし」
紗里は完璧なぐらい予想どおりに答えてくれたので、途中からは問題なく2人だけで帰れることになった。
勉強は柚吏の家でやると伝えたけど、実際は何だか“いいところ”に連れて行ってくれるらしく期待している。
“いいところ”って、どこだろう?
ウキウキしながら柚吏の隣に並んで歩く。
学校からの帰り、紗里との分かれ道で
「もしまた白川先生の店で集まるとか、そういうことになったら電話するから絶対に出てよ」と強く言われたことを思い出しながら、「電話なんか掛かってきませんように」
ひとまずお祈り。
普段の柚吏と同じように黒縁メガネをかけて冴えない恰好をしながらも、どこからともなく人をドキっとさせるオーラが溢れている。
本人的にはきっと、限界まで自我の柚吏を封じ込めているとは思うんだけど。
「何?俺、そんなじっと見つめるほどイケメン?」
柚吏にいきなり顔を覗き込まれ、ニタニタしながらそんなことを聞かれたから
「は?そ、そんなわけないじゃん…!」
つい否定してしまう。
かっこいいよ、イケメンだよ、大好き。
だけど、いまは絶対にそんなこと言いたくない。
「うわ、怒ってんじゃん」
「柚吏が変なこと言うから!」
「ごめんってば。スネんなって」
「は?スネてないし。…で、“いいところ”って、どこ?」
「まだ内緒。いまから電車とバスを乗り継いで行く」
柚吏は末明の手をとった。
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