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第86話 揺さぶり
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皇帝はジロジロと柚吏を睨んだあと末明のほうに視線を移し、
「白波末明、アナタは馬戸柚吏の自我が目覚めたことを知っていながら黙っていたわね?」
目を細めて聞く。
「紗里の忍者としてのレベルが低いから気づかれなかったようなものの、自我が目覚めたことをどうしてきちんと報告しなかったの?自我の柚吏は白波のおじぃさんに昨日、封じ込められたはずですよ。そしてそのときに白波末明は注意も受けている」
淡々としゃべる皇帝は、いつもと違って取り付く島もない。
自我の柚吏…、また封じ込められちゃうんだ…?
心の中がきゅっと軋むような悲しい気持ちになったとき、
「なぁ皇帝、お前ならどうにかできるんじゃね?」
資料室の引き戸を開けて入ってきたのは、マスクをした扇。
「え…、扇…?お前、大丈夫なのか?」
「うん、もう平気。打撲と捻挫だからね。さすがにあのでかい病院にはいつまでも置いてくれないよ。ちなみにコレは葉擦れの術を応用したマスクだから心配なし」
扇はそう言うと資料室の中までスタスタと歩いてきて、渋い表情をしている皇帝の真ん前に座った。
そして、
「皇帝の言いたいことはわかるし、末明のおじぃさんが怒ってるのもわかる。でもさぁ…」
そこまで真剣な表情で言っておいて、
「皇帝ならどうにかできるだろ?」
キラッキラなイケメンフェイスで皇帝の顔をグッと笑顔で覗き込む。
「な、何を言い出すかと思えば…ば、ばかばかしい…。あ、アタクシはイケメンに頼まれたぐらいでコロコロと態度を変えるようなことは…」
誰が見たって動揺しまくりの皇帝に扇が畳み掛ける。
「俺の両親が皇帝の依頼主だろ?白波末明のおじぃさんじゃない。それに柚吏の自我が目覚めたことを黙っててくれて、さらにそれを隠し通せるような方法を教えてくれるなら…」
「…くれるなら…?」
皇帝はゴクリと息を呑んだ。
「白波末明、アナタは馬戸柚吏の自我が目覚めたことを知っていながら黙っていたわね?」
目を細めて聞く。
「紗里の忍者としてのレベルが低いから気づかれなかったようなものの、自我が目覚めたことをどうしてきちんと報告しなかったの?自我の柚吏は白波のおじぃさんに昨日、封じ込められたはずですよ。そしてそのときに白波末明は注意も受けている」
淡々としゃべる皇帝は、いつもと違って取り付く島もない。
自我の柚吏…、また封じ込められちゃうんだ…?
心の中がきゅっと軋むような悲しい気持ちになったとき、
「なぁ皇帝、お前ならどうにかできるんじゃね?」
資料室の引き戸を開けて入ってきたのは、マスクをした扇。
「え…、扇…?お前、大丈夫なのか?」
「うん、もう平気。打撲と捻挫だからね。さすがにあのでかい病院にはいつまでも置いてくれないよ。ちなみにコレは葉擦れの術を応用したマスクだから心配なし」
扇はそう言うと資料室の中までスタスタと歩いてきて、渋い表情をしている皇帝の真ん前に座った。
そして、
「皇帝の言いたいことはわかるし、末明のおじぃさんが怒ってるのもわかる。でもさぁ…」
そこまで真剣な表情で言っておいて、
「皇帝ならどうにかできるだろ?」
キラッキラなイケメンフェイスで皇帝の顔をグッと笑顔で覗き込む。
「な、何を言い出すかと思えば…ば、ばかばかしい…。あ、アタクシはイケメンに頼まれたぐらいでコロコロと態度を変えるようなことは…」
誰が見たって動揺しまくりの皇帝に扇が畳み掛ける。
「俺の両親が皇帝の依頼主だろ?白波末明のおじぃさんじゃない。それに柚吏の自我が目覚めたことを黙っててくれて、さらにそれを隠し通せるような方法を教えてくれるなら…」
「…くれるなら…?」
皇帝はゴクリと息を呑んだ。
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