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第53話 震えの原因
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「僕…、片づけ得意なんで…。やらせてもらっていいですか?」
いままで自分から発言なんてしなかった太郎が急に口を開いて提案。
「実は僕、家でもずっと掃除・洗濯・料理ってやってたんで、お役に立てると思うんです!」
シャキっと背筋を伸ばし、伊吹の目を見て生き生きと言ったはずの太郎はすぐにハッとし、
「す、すみません、すみません。ぼ、僕ごときがず、図々しいことを…」
なんて急に俯いてボソボソ言うと、背中を丸めて背後にどんよりマークまで背負わせた。
それだけじゃない。
よく見るとダラダ全身が小さく震えていることに気づいて思わず体調を心配したのは里奈。
けれどすぐ
「安心しろって。ここには太郎のこと殴ったりするヤツはいないからさ。ウチのオヤジはギャンブル狂いのクズオヤジだけど、女と子どもにはめっちゃやさしいから」
くちを挟んだ伊吹の言葉で震えの原因を知って戸惑う。
ふと動揺の気配がみえない秋穂と目が合って、こういうのも普通のことなのかと知る。
母親が貯めてきたお金も全部ホストにつぎ込んで返せないくらいになってパパ活をはじめざるを得なかったときには惨めだった。
高校も辞めなきゃいけなくなって夜間高校に編入したときも絶望という言葉が纏わりついてきて、自分は底辺にいるのだと自覚したけれど。
「それじゃあ私も手伝うよ」
「はぁ?秋穂が毎日ウチに来るとかうるさそう。部屋の片づけができてないとブチブチ言ってきそうだし」
「あのさぁ伊吹、もっと嬉しそうにしなさいよ。汚部屋をピカピカにしてあげるって言ってるんだから」
「…ふぅん?まぁ、それはありがたいか」
「感謝の気持ちが薄いよねぇっ?!手伝うのやめようかな」
ふと気づくと伊吹を怖がっていたはずの秋穂がすっかり無遠慮になっていて里奈は少し面白くなった。
「秋穂が手伝うなら、私も手伝いたいな。掃除」
いままで自分から発言なんてしなかった太郎が急に口を開いて提案。
「実は僕、家でもずっと掃除・洗濯・料理ってやってたんで、お役に立てると思うんです!」
シャキっと背筋を伸ばし、伊吹の目を見て生き生きと言ったはずの太郎はすぐにハッとし、
「す、すみません、すみません。ぼ、僕ごときがず、図々しいことを…」
なんて急に俯いてボソボソ言うと、背中を丸めて背後にどんよりマークまで背負わせた。
それだけじゃない。
よく見るとダラダ全身が小さく震えていることに気づいて思わず体調を心配したのは里奈。
けれどすぐ
「安心しろって。ここには太郎のこと殴ったりするヤツはいないからさ。ウチのオヤジはギャンブル狂いのクズオヤジだけど、女と子どもにはめっちゃやさしいから」
くちを挟んだ伊吹の言葉で震えの原因を知って戸惑う。
ふと動揺の気配がみえない秋穂と目が合って、こういうのも普通のことなのかと知る。
母親が貯めてきたお金も全部ホストにつぎ込んで返せないくらいになってパパ活をはじめざるを得なかったときには惨めだった。
高校も辞めなきゃいけなくなって夜間高校に編入したときも絶望という言葉が纏わりついてきて、自分は底辺にいるのだと自覚したけれど。
「それじゃあ私も手伝うよ」
「はぁ?秋穂が毎日ウチに来るとかうるさそう。部屋の片づけができてないとブチブチ言ってきそうだし」
「あのさぁ伊吹、もっと嬉しそうにしなさいよ。汚部屋をピカピカにしてあげるって言ってるんだから」
「…ふぅん?まぁ、それはありがたいか」
「感謝の気持ちが薄いよねぇっ?!手伝うのやめようかな」
ふと気づくと伊吹を怖がっていたはずの秋穂がすっかり無遠慮になっていて里奈は少し面白くなった。
「秋穂が手伝うなら、私も手伝いたいな。掃除」
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