もう恋なんてしない

第118話 やばいパーティーの意味は？

「もう深夜だからさすがにパーティーは終わりって当たり前な感じなんだけど…。2人ともきょとんとしちゃって、どうかした？」

シュウに聞かれ、慌てて顔面を意識して自然な表情をつくった沙那と飛鷹。
けれど“なぜ？”が込み上げてあふれ出しそうになる。

「怪しそうなヤツが主催するヤバそうなパーティー見つけちゃったんだよね～」
相師は確かにそう言った。

成金は確かに怪しい雰囲気がダダ漏れ状態の人物。

圧があって自分以外の人間をすべて見下しているような態度、そしてやけに良すぎる金回りも気になる。

高額な料金を支払って何かを手に入れようとしている参加者が集まるこのパーティーも気になるところ。
でも実際のパーティーは参加者や成金が飲み食いしただけで終了を迎えようとしている。

食べながら、飲みながら、ただ談笑しただけ。

同じ参加者で初対面の中年男キタがいきなり
「あなたたちの権利を購入させてはもらえないだろうか？」
なんて言ってきたときには驚いたし、成金が300万円のペナルティ料を請求したことにも戸惑った。

でも、ただそれだけ。

パーティー会場で怪しいクスリや銃、盗難品などが売買されるようなこともなかったし、コッソリとそういった取り引きがおこなわれているシーンも見かけていない。

だったらこのパーティーを開いた意味や目的って、何だったんだろう？

もしかして…。
終了間近や終了後に何かがあるパターン？

考えを巡らせていたときボーンボーンと振り子時計のような音が会場内に鳴り響き
「パーティー、終わったな」
シュウが言った。