もう恋なんてしない

第131話 イチャラブの続き

「さすがに怪しすぎだよな。単純に成金が尊宣と恋人同士なんて可能性もあるけど、それにしては胡散臭いだろう？それに確か、成金はイケメン好き。だったら尊宣はないよなぁ…」

失礼なことをサラリと言いながら
「とにかく今週末…ってもう明後日か。明後日の日曜日はシイタケファームで工場見学しながらいろいろと探ってみようぜ」
満面の笑みで飛鷹と沙那に微笑みかける。

「悠馬やホストの行方不明探しから降りてもいいなんて口だけか？」

怒り口調の飛鷹をなだめるように
「本心ではあるんだけども、なんかね。ほら、飛鷹だって俺のことを突き放そうとはするけど助けちゃうでしょ？そういう感じ。人間の感情と行動って必ずしも一致しないじゃん？」
必死で説明する相師。

「…まぁ、そうだな…」

飛鷹が軽く納得したところで苦笑いした相師は
「このままここにいて話がこじれたら週末シイタケファームに行けなくなっちゃうかも？だから、俺、もうメインフロアに帰るね」
そっと沙那に耳打ちした。

でも飛鷹はそれが気に入らない。

「ほう…。面白い。なんの真似だ？」

両手を合わせてバキバキと骨を鳴らしはじめた飛鷹を見て
「あ、あはは。じゃ、じゃあ2人はイチャラブの続き頑張って！」
慌てて相師。

「うわぁ…耳打ちしただけで激怒とか面倒くさ…！」
つぶやくように言うと、さっさと倉庫から出て行ってしまった。

機嫌が悪いままの飛鷹が言う。

「ほかのヤツに耳打ちをされて顔を赤くしているというのは気に食わないな」

ガチャリ…。
倉庫の内カギが閉まる音がした。