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第155話 抜け駆けの観覧車
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「お前ら…覚えていろよ…。まじで死ぬかと思った。殺す殺す殺す殺す…」
据わった目で飛鷹・沙那・美羽を睨みながら木製ジェットコースターに無理やり乗る羽目になった恨みを込めて相師。
「いい気味だ」
冷たくあしらう飛鷹に
「どうして遊園地のチケット代を支払った俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ」
相師が不満そうにスネる。
「これくらいのことでは腹の虫がおさまらない」
じろりと睨んだ飛鷹に
「ま…、まだ怒ってたのか…」
苦笑いを向ける相師。
チラっと美羽のほうを見て
「今日ここへ来たのは悪かったよ。昨日、たまたま美羽と会って遊園地のことをポロっとさ…。ポロっと」
小声で謝った相師を飛鷹が問い詰める。
「口を滑らせたんだな?」
「…そうとも言う…」
2人のやり取りに気づいて
「なんの話?!」
口を挟んで美羽を見て
「観覧車、乗りません?」
沙那が提案。
なんとなくモメはじめるのを阻止できたこと、そして美羽が嬉しそうなことにホッとする。
「…あら?観覧車に乗りたいなんてなかなかメルヘンなこと言うじゃない?まぁ、100歩譲って付き合ってあげてもいいわよ!」
言うなり、しっかりと飛鷹と相師の腕に手を回して観覧車の乗り場へ。
美羽さん、ぜんぜん素直じゃない。
嬉しそうなのがダダ漏れなのに。
…って私、なにをやってるんだろう?
こんな2人の仲をとりもつようなことをして、もしも飛鷹さんの気持ちが揺らいだら…!
そんなことを考えていたとき
「沙那、乗るぞ」
いつの間にか目の前を通り過ぎようとしている観覧車を見て飛鷹が耳元で囁いた。
そしてそのまま飛鷹がグッと手を引っ張る。
つないだ手から引っ張られるような感じで沙那のカラダは観覧車へ。
遊園地のスタッフがガチャリと外からカギをかけて、騒いでいる美羽をなだめる相師の姿が遠くなっていく。
「悪い。我慢できずに抜け駆け…」
飛鷹が驚いている沙那に唇を押しつけた。
据わった目で飛鷹・沙那・美羽を睨みながら木製ジェットコースターに無理やり乗る羽目になった恨みを込めて相師。
「いい気味だ」
冷たくあしらう飛鷹に
「どうして遊園地のチケット代を支払った俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ」
相師が不満そうにスネる。
「これくらいのことでは腹の虫がおさまらない」
じろりと睨んだ飛鷹に
「ま…、まだ怒ってたのか…」
苦笑いを向ける相師。
チラっと美羽のほうを見て
「今日ここへ来たのは悪かったよ。昨日、たまたま美羽と会って遊園地のことをポロっとさ…。ポロっと」
小声で謝った相師を飛鷹が問い詰める。
「口を滑らせたんだな?」
「…そうとも言う…」
2人のやり取りに気づいて
「なんの話?!」
口を挟んで美羽を見て
「観覧車、乗りません?」
沙那が提案。
なんとなくモメはじめるのを阻止できたこと、そして美羽が嬉しそうなことにホッとする。
「…あら?観覧車に乗りたいなんてなかなかメルヘンなこと言うじゃない?まぁ、100歩譲って付き合ってあげてもいいわよ!」
言うなり、しっかりと飛鷹と相師の腕に手を回して観覧車の乗り場へ。
美羽さん、ぜんぜん素直じゃない。
嬉しそうなのがダダ漏れなのに。
…って私、なにをやってるんだろう?
こんな2人の仲をとりもつようなことをして、もしも飛鷹さんの気持ちが揺らいだら…!
そんなことを考えていたとき
「沙那、乗るぞ」
いつの間にか目の前を通り過ぎようとしている観覧車を見て飛鷹が耳元で囁いた。
そしてそのまま飛鷹がグッと手を引っ張る。
つないだ手から引っ張られるような感じで沙那のカラダは観覧車へ。
遊園地のスタッフがガチャリと外からカギをかけて、騒いでいる美羽をなだめる相師の姿が遠くなっていく。
「悪い。我慢できずに抜け駆け…」
飛鷹が驚いている沙那に唇を押しつけた。
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