オレのカワイイ陽キャ腹黒王子さま

竹柏凪紗

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第57話 お互いが嫉妬するぐらい

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お互いにイチャイチャする、そんな馬鹿みたいな提案に乗った陽翔に加奈は大喜び。

少しして冷静になり
「でも私…。本当の彼女じゃないのに、そんなことしていいのかな?」
そう問いかけた加奈に
「加奈ちゃんが嫌じゃないのなら俺はいいよ。加奈ちゃんとも仲良くなりたいし」
陽翔はやさしく微笑みかけた。

ウソでしょ…?
俺…、こんな展開を望んでたわけじゃない。

ただ、陽翔と仲直りしたかった。
それだけだったのに。

どうしてこんなことになったの?

これでいいのかな…。
本当にこれで俺、陽翔と仲直りできる感じ?

動揺している玲人を一瞬だけ見た陽翔は、スッと加奈の手を握って2人に見せつける。

「なに?陽翔、ヤル気じゃん」

愉しそうに笑った翡翠は
「せっかくだから、お互いにイチャイチャを見せつけあうっていうのはどう?嫉妬しあうぐらいにさ」
また変な提案をする。

そして
「こんなふうにね?」
翡翠は玲人のおでこにそっとキスをした。

玲人を筆頭に陽翔と加奈の動きも停止。

「…てめぇっ…!」

怒鳴りそうになった陽翔に
「大丈夫?加奈ちゃんが見てるけど」
そっと耳打ちし、翡翠はニヤニヤしながら落ち着くよう促した。
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