もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第407話 薬物入りジュースの目的

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気を許していた相手が見舞い品として持ってきたのはメタンフェタミン覚醒剤入りのリンゴジュース…。
動揺が隠せないシズクの気持ちを察した絢世が隣に座り、そっと背中を撫でてやる。

「…まだ、ミヤビがハマミの製造・販売するリンゴジュースに薬物が入っていたことを知っていたかどうかはわからない。ただ、何らか関与している可能性もあるってことだ」

千隼の言葉に俯いたままシズクは静かに息を呑み込んで言う。

「もしミヤビさんが飲み物の中に薬物を混入することになんの抵抗もない人だったとしたら…。絢世さんのアルコールに何かを入れたのもミヤビさんって可能性ないですか?」

シズクに言われ、心のどこかで抱いていた嫌な考えがぶり返す。

そのとおりかもしれないと覚悟を決める自分と、打ち消す自分。
きっとシズクも同じ気持ちなのだろうと思うと胸が痛む。

3年は長い。

ふと懐かしい昔が蘇ってきた。
最初にテーブルへついたときには、ほとんど口も利いてもらえなかったこと。

ハイブランドに全身を包み、洗練された雰囲気を持つ資産家のご令嬢。

ツンとした少しきつい印象で愛想笑いしかしないミヤビに、どうしてホストクラブに来てお酒を飲むのか、そして自分をメインホストとして指名するのかが謎だった。

そんなミヤビの様子を見ながら黙ったままいっしょにお酒を飲むだけのこともあったっけ。

だけれど、どうしてだったのかキッカケも覚えていないほど自然に打ち解けていって…。
話しはじめてると人懐っこくて他人への思いやりがある人だと気づいた。

たくさん笑うようになったミヤビといろんな話をして、ふざけたり何気ない日常の会話を楽しんだり…。

「絢世、シズク、大丈夫か?」

2人を気遣いながら絢世が提案する。

「さっさと今日の仕事を片づけてハマミへ行ってみないか? 」
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