もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第435話 思い知れ

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「山井ミヤビが警察に強制連行されただろ。だけど俺はこうしてあんたらと普通に電話をしている。これがどういう意味かわかるよな?下手に詮索するな。お前らの立場を想い知れ」

電話がつながるなり捲くし立てるように浜路。

「どうしてあんたらがあんなことに辿り着いたのかはわからないが、おとなしくしておいたほうがいい。あんたらが思っているよりも闇はずっと深くて大きな権力を持っている」

浜路の声が震えているのがわかる。

「あんたらが何をどうしたいのかはわからないが、どうせすぐに情報操作をされてもみ消される。存在まで消されないよう、もう二度と俺に近づくな。わかったか?」

震えを抑え込みながら言い放つと
「あんたらはこの前、ウチのハマミでお菓子を大量に注文してくれたからな。この忠告は、その恩は返しだ。じゃあな」
そう続けたかと思うと勝手に電話を切断。

いくらかけ直してもつながることはなかった。

「…千隼さん…」

スマホを持つ絢世の手が震えている。
千隼はすぐに車を路肩へ駐車。

喉の奥に溜まっている空気を苦しそうに呑み込む絢世の手をそっと握り、電話の内容を確認して
「浜路がそう言ったのか…?」
千隼は眉をひそめた。

コクリと頷いた絢世を見てわきあがってきたのはハッキリしないとてつもなく嫌なモノ。

気づいたときにはモヤモヤが喉に纏わりついて吐き気を誘い、自分たちの通報がいかに無意味なことだったのかを思い知らされる。

ほぼ自白だと捉えて間違いない告白をした浜路ではなく、警察に連行されたのはミヤビ。

「…ミヤビは…リンゴジュースに薬物を混入したんでしょうか…?」
消えてしまいそうな声で絢世は千隼に聞いた。
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