もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第452話 侵入者からのメッセージ

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絢世はもういちどいろいろなことを思い出してみたが、考えがうまくまとまらない。

「そっと帰れば騒がれることもない状況…。それならなおさら、どうして侵入者は部屋を荒らして帰ったりしたんでしょうか?」

気がつけば無意識に千隼に問いかけていた。

「わざと…。だとしか思えないが…」

唇に手を当てて考えていた千隼の横で閃いたという表情を見せたシズクはキラキラの瞳で口を開いた。

「荒らしたように見せかけているってもしかしてですけど、これって侵入者からのメッセージとかじゃないですよね?」

「でも部屋を荒らすメッセージってなんだ?」

「なんでしょう?たとえばですけど、この部屋から絢世さんを追い出すことが目的とかですかね…?部屋に戻って来るなという意味で室内を派手に荒らしたとか」

シズクは言ってすぐ
「なぁ~んて、ちょっと考えすぎですかね?」
ヘラヘラと笑う。

一気に緊張した空気が和んだとき、千隼がボソリとつぶやいた。

「そういう線もあるかもしれないな。ただ…、いまはそれよりも会社に遅刻しないかどうかを心配したほうがいいかもしれない」

「ええっ?!雨宮さん、常務取締役とか肩書すごいんですから、どうにか誤魔化せません?。そうしたら、いまからどこかおいしい店で朝食を食べてゆっくりしてから出社できるじゃないですか!これ、名案すぎません?」

「…ははは。シズク、お前すごいことを言うなぁ」

千隼はキレ気味に苦笑いしたかと思うと
「そんなことができるわけないだろう。不真面目なヤツめ。とっとと行くぞ」
首根っこを掴み、暴れるシズクを引きずってマンションの下へ。

タクシーを停めて待機していた高峰に万札を何枚か手渡して頼んだ。

「高峰さん、昨日はありがとうございました。睡眠不足でしょうに朝早くからすみません。今日はこの2人だけをドリーム不動産まで送ってもらえますか?」
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