もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第547話 金持ちたちを興奮させるモノ

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血液に臓器、そのあとは治験に利用したり臓器を取り出したり…。
人間は生きているだけでお金に変わる。

非人道的な言葉の数々はうまく頭に入っていかない。

それでも。

「こんなことはなにも特別なことじゃない。生活保護受給者から管理という名目で保護費を預かり、ひと部屋に2段ベッドを複数設置して飼い殺し状態にしていた団体、国から医療費が支払われる生活程者を退院させない医療機関などが発覚したケースもある」

友己は声色ひとつ変えずに続けた。

「報道されていることなんてほんの一部。氷山の一角だし、好きなことだけをして働かずに生きていきたいとか、外界との接触を避けてその日だけ生きていければいと考える人たちが増えると余計に問題が表面化しにくくなる」

説明した友己の言葉を拾って
「そうするとますます変態の金持ちや金持ちから金銭を搾り取ろうとする元締めたちが興奮するってわけ。悪循環だし、闇が深い問題だよね」
眉をひそめて黛。

「それって、本当は利用されているのに自分たちの理想を叶えてもらっていると勘違いして詐取され続けるパターンですよね…?いちばん抜け出せないタチの悪いやつ」

ゴクリと息を呑んだシズクは
「俺も生きることに失望していたとき、そんな感じでした…。人と関わりたくなくて、ただボーっと好きなことをして生きていけたらいいって」
過去を振り返ってゾゾっとする。

「知ってる。美容室の子からそういった報告を受けたから、シズクが望む形で働けるよう考えて何度もアプリーチしてもらったんだ」

黛が口を挟んで微笑んだ。

「…え?じゃあ、INNOCENTイノセントで年末年始の仕事を募集してるとか、黛さんや絢世さんの話をしてきた美容師って…」

「そう。ウチのスタッフ」

「え?ちょ、ちょっと待ってください?ど、どこから仕組まれて…。や、やっぱり、俺がINNOCENTイノセントで働くことになったのは誘導…?」

シズクの問いに黛は笑顔のまま頷いた。
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