もう恋なんてしない

竹柏凪紗

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第548話 お金をつぎ込んでまでやりたかったこと

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「じゃあやっぱり、養護施設にクリスマスプレゼントを毎年寄付していたのも自分の企業で働かせるためだったってことですか…?」

食い気味に聞くシズクを見て少し驚きながらも黛はにっこり。

「あれは記憶の刷り込み…って、ちょっと言葉が汚いね。俺のグループ会社を覚えてもらって、何か困ったときに求人誌やネットなんかで見かけてくれれば少しは力になれるかな?って思って送っていたんだけど…。すごいねシズク、そんなことまでわかっちゃったの?」

「…すご。怖い…。っていうか、そんなふわっとした感じのことに稼いだお金をつぎ込んで養護施設の子どもたちにプレゼントを送り続けているとか…。すごすぎるんですけど…」

「本当は珍しい血液型の子どもたちを全員もれなく雇ってあげられればいいんだけど、そういうわけにはいかないからね。それにそういった心理的な手法が必ずしも全員に効果があるとはかぎらない。でも何かのお守り代わりみたいなモノになれば…ってね」

「黛さん…」

養護施設を出てからはひとりだとわからされてしんどい思いをすることも多かった。
けど…。

「黛さんみたいな人がいてくれたと思ったら…。世の中も捨てたものじゃないですね」

言ったシズクは恥ずかしくなったのか
「…ってか、黛さんの会社、美容室まで経営してたんですね。どんだけ事業展開してるんです?外食産業にホストクラブ、美容室って、全然ジャンルちがうくないですか?」
サッと話を切り替えた。

「あはは。まぁ、自分が働くホストクラブのホームページやSNSはチェックしても、わざわざ自分が働いてる親会社のホームページまでは見ないか」

黛はクスクスと穏やかに笑いながら続けて答える。

「シズクと話しているとやっぱり和むね。俺がやってる事業は大きくわけて4種類。主軸の外食産業にホストクラブ、それから美容室に医療機器の開発」

「うへぇ、すご!」

感心の声を上げたシズクに
「そういう事情もあって、相葉柊羽あいばしゅうのことが発覚したってわけ」
友己が口を挟んだ。

「…え?」
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