桜-新しき出会い-

橘 藤華

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第一章“物語の始まり”

Chapter8.これからのこと

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 「確かに、焔も自然界のものだ。けどシグレ、お前なんで俺たちに言わなかったんだよ。」
 俺は少し考える素振りをして言った。
 「んー?面倒だったから。」
 「少しはまともな言い訳しろ!」
 バシッ
 盛大に頭をはたかれた。前やったお返しと定着した呼び名の恨みがこもっている気がする…少しは反省するか。
 「いやあ、ごめんね金髪くん。」
 「お前はハルトでいいんだ。」
 「へえへえ、分かったよハルト。」
 めんどくせえ、こんな種撒くんじゃなかったかな。
 でもまあ、面白いし良いか。
 「ところで…金髪くん…あそこの…サクラ王女は…何してるの?」
 「え?あー、誰かさんが驚かせたせいでショートしてんの。」
 そりゃすいませんでしたね。
 「はいはい、お喋りはここまで。もう夕方よ。夕餉の時間だからサクラ、一緒に行こう。」
 「え?なんで私…?」
 「なんでって…あなた女じゃない。女なんだから料理くらい作れなきゃ。」
 ははは…俺料理点でダメだわ。
 「じゃあ行くわよ。」
 「あ、分かった。」
 行ってらっさーい。
 「シ、シグレ。」
 「んー?」
 「あの、愚問かもしれないけど…シグレとサクラ王女って…もしかして──」
 「因みに言うとお前が考えてるような関係じゃないからな。」
 俺が言うとハヤテは申し訳なさそうにごめんと言った。
 「じゃあ俺ちょっと行ってくるわ。」 
 俺が立ち上がるとハルトが
 「え、どこ行くの。」
 と言って引き止めた。
 「んー?ちょいと鍛錬に。」
 「俺今日は良いや。」
 「僕も…三人が来る前に…散々やったから…」
 「だーれも誘ってねーよ。」
 俺はそう言って一人で森の方へと歩き出した。

***

 「はぁっ…はぁっ…くっそ……身体が鈍っちまってやがる。」
 一休みするか。
 …皆、俺の事本当に焔使いだと、思ってんだろうな……。
 「もう少し、やってくかな。」
 いつかあの四人に、真実を告げられる日が来るんだろうか。

***

 「さあ!今日はビーフシチューよ!たんと食べなさい。」
 「おお!」
 以前までこんなん作れたっけアオイって。
 大丈夫かな…
 俺は少し疑心を持ちながら、それを口に運んだ。
 あ…
 「うまいな…これ。」
 俺がそう言うとアオイはさも得意げに言った。
 「ふっふーん。それ、サクラが作ったのよ。」
 マジかよ。
 「へー、サクラちゃんって料理上手だね。」
 「うん…凄く…美味しい……」
 「ううん、アオイの教え方が上手だったから。」
 まだなんかしおらしいな…
 でも
 「美味しいことには変わりはねえんだし。」
 「そうよ、サクラは物覚えが良いわ。」
 絶賛だな。
 「ありがとう。」
 「ところで、さ。俺達には目的はあるけど、それに至るまで何をするか決まってなくね?」
 あ、あんまり考えてなかったかもな。
 「じゃあ、スポンタネオウス国に行くってのはどうかしら?」
 「そこ行ってどうするの?アオイちゃん。」
 あ、確かあそこには…
 「実は有力な人材がいるのよ。そいつも私たちと幼馴染。」
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