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第一話
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連れて行かれた先は、理央もさっきまでいた楽屋だった。もう出順の終わったバンドは片付けに入っており、そこにはAVのメンバーと今ステージに出ているバンドの荷物ぐらいしかない。理央もさっき自分のギターを移動させておいたところだ。楽屋に入ると、AVのベースである一成が、朋也と理央を見て怒鳴った。奥では前のアルバムから参加しているドラマーがいる。サポートの扱いだったと思うが……。
「朋也!どこ行ってた!」
「んー、新しいギター探してた!」
「!?」
何言ってるんだ?と理央が朋也を見る前に、朋也は理央に前に押し出される。
「いやー、実は俺がさっき喧嘩しちゃってさー。ギター、沈めちゃったんだよね」
そうケラケラ笑っている朋也だったが、部屋の隅に伸びている男がいる。前回のアルバムでギターが抜けて、新しく入っていたはずだが、パフォーマンスの評判があまり良くないのを理央も知っていた。というか……新しいギターって……と、そこで理央は、彼が言っているのが自分のことだと気がついた。
「はあっ!?」
何言って、と戸惑う理央の体を一成の前に押し出し、朋也はねえねえと笑っている。が、笑い事ではない。
「この子、理央ちゃんっ。everとSpartaを好きな曲にあげるってセンスよくね?」
「いや、やるなんて一言も!」
「状況の飲み込みがはやーい。かしこーい!助かるぅー!!ほい、これセットリスト。わかんねーやつある?」
「っ……!」
「君、耳で音全部覚えるタイプだろ。曲知ってりゃ弾けるよね」
見りゃわかる。感覚的に弾けてるもん。と言われて、ぐっと言葉を飲み込んだ。弾けなくはない。AVの曲は特徴的だが、ギターのコードはシンプルで洗練されているし、その分、ギターソロは伸びやかでいつでも自由だ。なので、そこを覚える必要がないこともわかっている。逆に言えば下手なギターはそこですぐに分かる構成だ。
(まあ、前のギターのソロ好きだったから覚えてるしな……)
演奏はできるし、このバンドがステージに立てないとなると客が失望するのは目に見えている。サポートできなくはないが……ステージに立つのは苦手だ。どうやって断ろうかと悩んでいると、ぐるっと朋也の方を向かせられた。湿気た楽屋の中で、じっとその綺麗な目で見つめられる。にこりとその美しい唇が動くのに……思わず見とれた。
「ねえ、俺、君のギターの音、すげー好きなんだよ。……【もっと聞かせて】?」
隣でそう告げる唇に魔法にかけられたように……。理央はこくりと思わず頷いていた。
「朋也!どこ行ってた!」
「んー、新しいギター探してた!」
「!?」
何言ってるんだ?と理央が朋也を見る前に、朋也は理央に前に押し出される。
「いやー、実は俺がさっき喧嘩しちゃってさー。ギター、沈めちゃったんだよね」
そうケラケラ笑っている朋也だったが、部屋の隅に伸びている男がいる。前回のアルバムでギターが抜けて、新しく入っていたはずだが、パフォーマンスの評判があまり良くないのを理央も知っていた。というか……新しいギターって……と、そこで理央は、彼が言っているのが自分のことだと気がついた。
「はあっ!?」
何言って、と戸惑う理央の体を一成の前に押し出し、朋也はねえねえと笑っている。が、笑い事ではない。
「この子、理央ちゃんっ。everとSpartaを好きな曲にあげるってセンスよくね?」
「いや、やるなんて一言も!」
「状況の飲み込みがはやーい。かしこーい!助かるぅー!!ほい、これセットリスト。わかんねーやつある?」
「っ……!」
「君、耳で音全部覚えるタイプだろ。曲知ってりゃ弾けるよね」
見りゃわかる。感覚的に弾けてるもん。と言われて、ぐっと言葉を飲み込んだ。弾けなくはない。AVの曲は特徴的だが、ギターのコードはシンプルで洗練されているし、その分、ギターソロは伸びやかでいつでも自由だ。なので、そこを覚える必要がないこともわかっている。逆に言えば下手なギターはそこですぐに分かる構成だ。
(まあ、前のギターのソロ好きだったから覚えてるしな……)
演奏はできるし、このバンドがステージに立てないとなると客が失望するのは目に見えている。サポートできなくはないが……ステージに立つのは苦手だ。どうやって断ろうかと悩んでいると、ぐるっと朋也の方を向かせられた。湿気た楽屋の中で、じっとその綺麗な目で見つめられる。にこりとその美しい唇が動くのに……思わず見とれた。
「ねえ、俺、君のギターの音、すげー好きなんだよ。……【もっと聞かせて】?」
隣でそう告げる唇に魔法にかけられたように……。理央はこくりと思わず頷いていた。
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