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1:年上上司の口説き方
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「部長、大丈夫ですかー?」
「……ああ」
いや、大丈夫じゃないな、これは、と濱口は判断し、水を汲むと、はい、おちょこもう触らない! と上司の前の酒を奪った。
「お前、何すんだよ……」
「奥村部長、そんなに酒は強くないッスよね。相馬顧問は飲むペース早いんだから、うまくかわしてくださいよ」
いつもは接待だって、さらっと酒断るくせに、と思いながら、ぼんやりしている上司を見ていると、相手はむっとして、まだ平気だ、と言い始める。どんだけ典型的酔っぱらいだよ、と思いながらも、少し唇を尖らせる、子供のような仕草にどきりとする。
(奥村部長でもこんなとこあるんだな……)
「濱口……」
「はい?」
なんでしょう?と相手を見ると、酔って少し赤く色づいた頬が……なんだか色っぽい。いや、その形容おかしいよな?おかしいよな、オレ……と濱口が自問自答を繰り返していると、相手が一言、きもちわるい……と呟いた。
「えっ!? 嘘、吐きます?」
「いや……大丈夫だ……横になれば……」
「部長……あーもう……」
まだ他の客もいるしなあ、と濱口はカウンターの中の父親に声をかけ、上司を二階の元の自室に連れて行くことにした。ふらふらとした足取りだが、なんとかあがってきてくれる。もうちょっとで寝れますからねーと言いつつ、自室に彼を入れると、途端、上司がへたっと座り込んでしまう。
「やっぱり吐きます?」
「大丈夫だ。なめんな」
「いや……もう……大人しく横になっといてください。布団を敷きますし」
「いい」
「あーもう、答えないでいいですから! 黙って寝て!」
頑なに大丈夫という、全然大丈夫じゃない奥村に呆れながら、濱口はさっと客用布団を隣の部屋から出し、そこに横になってもらう。あー今何もない部屋でよかった……と、ガランとした部屋で上司を横にならせ、傍にまた水を汲んでくる。本当に吐きはしないようで、奥村は横になって眠そうに目蓋をゆっくりと動かしていた。
「寝てもいいっすよ。オレもこっち泊まっていきますから、明日起こします」
「いや……帰る……タクシー……」
「じゃあ……あと一時間くらいは大丈夫なんで。それなら、オレも送りますよ……ちょっと寝ても大丈夫ですって」
「……ああ」
奥村はその声に安心したのか、腕時計を少し確認し、水を口に含むとすぐにまた横になってしまった。そして、すうすうというかわいらしい寝息がすぐにきこえてくる。濱口はほっとすると、自分の水を取りに下に行き、自分達のテーブルの片付けだけを手伝って、ちょっと上についてるな、と父親に告げ、また自室に戻った。
ころんっと行儀よく寝ている奥村の指がネクタイにかかったままだ。ああ、きついのかな、と上向きになるよう体を動かすと、ん……と漏れる声が悩ましくてどきりとする。
(オレ、おかしいんじゃねえのか……)
何やってんだか、と濱口は思いつつ、少しずれた上司の眼鏡をそっと外し、昔からあるテーブルの上に置く。仕事中は大体かけてるけど、こうやって見ると新鮮……と、相手の顔をのぞき込む。彼の長い睫毛がふるりと揺れた。少し眉間に皺が寄っているので、苦しいのかな……と思い、ネクタイに手をかけた。
「しつれいしまーす……」
すっとネクタイを解いてやると、奥村の眉間の皺がなくなる。あ、よかった……と思い、ほっとして、自分もゆっくりと水を飲む。
タクシー呼ばなきゃなーなどと考えつつも、先程の大貴の言葉を思い出していた。フランスに奥村部長を……と考えるのは、上の方からしたら当然なのかもしれない。最近向こうに出張も多かったしな……と、濱口は、ううん……と会社のことを考えたが、入ったばかりの自分には、会社の全体のビジョンなどわかるはずもなく、どうなるんだろうな、という漠然とした予測しかできなかった。
(いなくなったら……寂しいな……)
入社以来、もうすぐ一年、ずっと世話になっている上司。海外、しかもヨーロッパなんて、仕事上もきっと関わりがない。
そんなのイヤだ、なんて思うのは勿論個人的な我が儘だろう。
まあ、でも、まだ決定でもなさそうだし、などと、楽観的にとらえながら、濱口はテーブルに肘をついて、じっと上司の寝顔を見つめていた。しばらくして、奥村がううん、とぎゅうっと目をつぶったので、あ、起きるな、と思い、大丈夫ですか、と声をかけた。
「あ……悪い……寝てたな……」
「いえ、大丈夫です。そろそろ車呼びましょうか? 乗れます?」
「……ああ」
反応で、もうちょっと時間かかるか、と思いながら、三十分後に店前にくるように車の手配をする。部屋に戻った奥村は眼鏡を探し出し、それをかけて、ぼんやりと濱口の部屋に座っていた。
「どのくらい寝てた?」
「え? ……ええっと……二十分くらいですかね」
「そうか……」
時計を確認して、自分はそんな長い間、ぼんやりとこの人の寝顔を見ていたのか、と思うと、なんだか急に恥ずかしくなった。奥村は、ようやく戻ってきた視界の中で、ぐるりと部屋を見渡すと、やきゅう……とぼそっと呟いた。彼の視線の先には高校時代に使っていた野球道具がある。壁にも何枚か写真を貼っていた。
「そうか……お前、野球してたって言ってたな。スポーツマン」
「え? ああ、はい」
「今でも?」
「あいてる週末は大体、どっかの草野球に誘ってもらってます。仕事もやっと土日の調整つけられるようになったんで」
「そうか」
「あ。これ、芳樹くん……いや、社長もうつってるやつ……」
「……なんだと……?」
濱口は、ふと存在を思い出した昔の写真を壁から外して奥村に渡す。その中には幼馴染の相馬芳樹、つまり次期社長の姿もうつっていた。奥村はその写真を手にとると、小さく、芳樹社長……と呟き、さっきまでの気分の悪そうな表情はどこへやら、途端、幸せそうな笑みをこぼす。
そんな柔らかな表情は珍しく、濱口は、どきりとして、上司とともにその写真を覗き込んだ。
「これ、オレが高一で甲子園に初めていった時ので……」
「ということは、社長も高校生の頃か……なんてかわいらしい。この頃から人の上に立つオーラがあるな」
「いや、オレの甲子園にはコメントしてくれないんですね……?」
うっとりと写真を見つめている上司に、オレも芳樹くんのこと好きだけどさあ……と文句を言いそうになるが、そう茶化せる雰囲気でもなく、奥村は独りの世界に入っている。
(本当にスキなんだなあ……この人……)
だから、相馬顧問にもあんなに緊張してたのか、ガラにもなく……と思い当たる。そして、やっぱり奥村部長はフランスに行くのかもしれないな……と、今はフランスに居る幼馴染の顔を思い浮かべていた。彼のもとで働きたいという気持ちが奥村にはあるのかもしれない。そう思うと、なぜだか胸がひどくいたんだ。
ほとんど年の変わらぬ幼馴染。学年は二つ上だが、彼の方が幼く見えるくらいだ。小さい頃から優秀だったが、自分の尊敬する上司にここまで心酔されていると思うと……
(オレなんて、って思っちまうな)
珍しく後ろ向きになってしまった自分に戸惑う。そして、誤魔化すように笑顔を作って話題を変えた。
「そろそろ車きますよ。下に降りましょう。大丈夫ですか?」
「ああ、悪いな」
だいぶ普通に戻った奥村は乱れたスーツを直すと、階下におり、濱口の父に挨拶をして、勘定をしていた。もう大丈夫そうだな、と、ほっとした濱口だったが、そのまま車を店前で待ち、一緒にタクシーに乗り込んだ。
「……ああ」
いや、大丈夫じゃないな、これは、と濱口は判断し、水を汲むと、はい、おちょこもう触らない! と上司の前の酒を奪った。
「お前、何すんだよ……」
「奥村部長、そんなに酒は強くないッスよね。相馬顧問は飲むペース早いんだから、うまくかわしてくださいよ」
いつもは接待だって、さらっと酒断るくせに、と思いながら、ぼんやりしている上司を見ていると、相手はむっとして、まだ平気だ、と言い始める。どんだけ典型的酔っぱらいだよ、と思いながらも、少し唇を尖らせる、子供のような仕草にどきりとする。
(奥村部長でもこんなとこあるんだな……)
「濱口……」
「はい?」
なんでしょう?と相手を見ると、酔って少し赤く色づいた頬が……なんだか色っぽい。いや、その形容おかしいよな?おかしいよな、オレ……と濱口が自問自答を繰り返していると、相手が一言、きもちわるい……と呟いた。
「えっ!? 嘘、吐きます?」
「いや……大丈夫だ……横になれば……」
「部長……あーもう……」
まだ他の客もいるしなあ、と濱口はカウンターの中の父親に声をかけ、上司を二階の元の自室に連れて行くことにした。ふらふらとした足取りだが、なんとかあがってきてくれる。もうちょっとで寝れますからねーと言いつつ、自室に彼を入れると、途端、上司がへたっと座り込んでしまう。
「やっぱり吐きます?」
「大丈夫だ。なめんな」
「いや……もう……大人しく横になっといてください。布団を敷きますし」
「いい」
「あーもう、答えないでいいですから! 黙って寝て!」
頑なに大丈夫という、全然大丈夫じゃない奥村に呆れながら、濱口はさっと客用布団を隣の部屋から出し、そこに横になってもらう。あー今何もない部屋でよかった……と、ガランとした部屋で上司を横にならせ、傍にまた水を汲んでくる。本当に吐きはしないようで、奥村は横になって眠そうに目蓋をゆっくりと動かしていた。
「寝てもいいっすよ。オレもこっち泊まっていきますから、明日起こします」
「いや……帰る……タクシー……」
「じゃあ……あと一時間くらいは大丈夫なんで。それなら、オレも送りますよ……ちょっと寝ても大丈夫ですって」
「……ああ」
奥村はその声に安心したのか、腕時計を少し確認し、水を口に含むとすぐにまた横になってしまった。そして、すうすうというかわいらしい寝息がすぐにきこえてくる。濱口はほっとすると、自分の水を取りに下に行き、自分達のテーブルの片付けだけを手伝って、ちょっと上についてるな、と父親に告げ、また自室に戻った。
ころんっと行儀よく寝ている奥村の指がネクタイにかかったままだ。ああ、きついのかな、と上向きになるよう体を動かすと、ん……と漏れる声が悩ましくてどきりとする。
(オレ、おかしいんじゃねえのか……)
何やってんだか、と濱口は思いつつ、少しずれた上司の眼鏡をそっと外し、昔からあるテーブルの上に置く。仕事中は大体かけてるけど、こうやって見ると新鮮……と、相手の顔をのぞき込む。彼の長い睫毛がふるりと揺れた。少し眉間に皺が寄っているので、苦しいのかな……と思い、ネクタイに手をかけた。
「しつれいしまーす……」
すっとネクタイを解いてやると、奥村の眉間の皺がなくなる。あ、よかった……と思い、ほっとして、自分もゆっくりと水を飲む。
タクシー呼ばなきゃなーなどと考えつつも、先程の大貴の言葉を思い出していた。フランスに奥村部長を……と考えるのは、上の方からしたら当然なのかもしれない。最近向こうに出張も多かったしな……と、濱口は、ううん……と会社のことを考えたが、入ったばかりの自分には、会社の全体のビジョンなどわかるはずもなく、どうなるんだろうな、という漠然とした予測しかできなかった。
(いなくなったら……寂しいな……)
入社以来、もうすぐ一年、ずっと世話になっている上司。海外、しかもヨーロッパなんて、仕事上もきっと関わりがない。
そんなのイヤだ、なんて思うのは勿論個人的な我が儘だろう。
まあ、でも、まだ決定でもなさそうだし、などと、楽観的にとらえながら、濱口はテーブルに肘をついて、じっと上司の寝顔を見つめていた。しばらくして、奥村がううん、とぎゅうっと目をつぶったので、あ、起きるな、と思い、大丈夫ですか、と声をかけた。
「あ……悪い……寝てたな……」
「いえ、大丈夫です。そろそろ車呼びましょうか? 乗れます?」
「……ああ」
反応で、もうちょっと時間かかるか、と思いながら、三十分後に店前にくるように車の手配をする。部屋に戻った奥村は眼鏡を探し出し、それをかけて、ぼんやりと濱口の部屋に座っていた。
「どのくらい寝てた?」
「え? ……ええっと……二十分くらいですかね」
「そうか……」
時計を確認して、自分はそんな長い間、ぼんやりとこの人の寝顔を見ていたのか、と思うと、なんだか急に恥ずかしくなった。奥村は、ようやく戻ってきた視界の中で、ぐるりと部屋を見渡すと、やきゅう……とぼそっと呟いた。彼の視線の先には高校時代に使っていた野球道具がある。壁にも何枚か写真を貼っていた。
「そうか……お前、野球してたって言ってたな。スポーツマン」
「え? ああ、はい」
「今でも?」
「あいてる週末は大体、どっかの草野球に誘ってもらってます。仕事もやっと土日の調整つけられるようになったんで」
「そうか」
「あ。これ、芳樹くん……いや、社長もうつってるやつ……」
「……なんだと……?」
濱口は、ふと存在を思い出した昔の写真を壁から外して奥村に渡す。その中には幼馴染の相馬芳樹、つまり次期社長の姿もうつっていた。奥村はその写真を手にとると、小さく、芳樹社長……と呟き、さっきまでの気分の悪そうな表情はどこへやら、途端、幸せそうな笑みをこぼす。
そんな柔らかな表情は珍しく、濱口は、どきりとして、上司とともにその写真を覗き込んだ。
「これ、オレが高一で甲子園に初めていった時ので……」
「ということは、社長も高校生の頃か……なんてかわいらしい。この頃から人の上に立つオーラがあるな」
「いや、オレの甲子園にはコメントしてくれないんですね……?」
うっとりと写真を見つめている上司に、オレも芳樹くんのこと好きだけどさあ……と文句を言いそうになるが、そう茶化せる雰囲気でもなく、奥村は独りの世界に入っている。
(本当にスキなんだなあ……この人……)
だから、相馬顧問にもあんなに緊張してたのか、ガラにもなく……と思い当たる。そして、やっぱり奥村部長はフランスに行くのかもしれないな……と、今はフランスに居る幼馴染の顔を思い浮かべていた。彼のもとで働きたいという気持ちが奥村にはあるのかもしれない。そう思うと、なぜだか胸がひどくいたんだ。
ほとんど年の変わらぬ幼馴染。学年は二つ上だが、彼の方が幼く見えるくらいだ。小さい頃から優秀だったが、自分の尊敬する上司にここまで心酔されていると思うと……
(オレなんて、って思っちまうな)
珍しく後ろ向きになってしまった自分に戸惑う。そして、誤魔化すように笑顔を作って話題を変えた。
「そろそろ車きますよ。下に降りましょう。大丈夫ですか?」
「ああ、悪いな」
だいぶ普通に戻った奥村は乱れたスーツを直すと、階下におり、濱口の父に挨拶をして、勘定をしていた。もう大丈夫そうだな、と、ほっとした濱口だったが、そのまま車を店前で待ち、一緒にタクシーに乗り込んだ。
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