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雫流 漣。

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PINK~ひとひらの刹那。

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夕凪に抱かれ
海を見ていた

何か言おうとして
口にしかけたその想いを
口に出せずに
飲みこみました

静かにじっと
見つめてる

少しだけ開いて…
そうして、開いて
見せたから…

今度はアナタが
こじ開けてと…
声にならない声で
願ったりして

まだ淡い風
季節はまだ秋で
秋は痛くて

むせかえる熱と
幼い潮風と
繰り返してやまない
摩擦とヒダと

視線 心拍…
潤いと揺らぎ…
根元まで串刺し
削がれた自由

捕らわれて縛られた
なすがままの心に
逃げ場はなくて

唇が震える
突き上げられて
揺れる
私は貴方に
恋をしている
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