学園一の落ちこぼれ召喚術師の私が魔王の息子を召喚できてしまったわけですが、皆さんどんな気持ちですか?

かやかや

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15 どうにかする

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学園の地下へと続く階段を降りると、次第に魔法の空気が漂ってくる。

なるほど、モナが暴れないように結界を張っているらしい。しかし、禁書とやらがどの程度の魔術を封じているのかは知らないが、この程度の結界で禁書の力を得た魔術師を止められるものだろうか。

恐らくモナは禁書の力など使っていないわけだが、……それでもこの程度の結界で俺の主人を縛れるかは甚だ疑問だ。

だが、これでは指輪を通じての会話はできなくても不思議ではない。
こんな状況でも彼女から何のメッセージも送られてこない疑問は解消した。モナに会ったら指輪に少し手を加えてやらなければ。

足音が段々と響くようになってきた。天井が高い場所に近づいた証拠だ。
階段を下りると、薄暗い地下牢の通路に出た。

暫く通路を進むと、一等大きな魔力の気配を感じた。

「モナ・フェスタ―だね」
「アルトゥ……!」
「待って」

俺の声を聞いた途端、モナははっと顔を上げわかりやすく表情を緩めた。相変わらず単純な奴だ。わかりやすいところは嫌いではないが、今は求めていない。
恐らくこの地下牢は監視されている。妙な真似はすべきではないだろう。

小さく緩く首を横に振ると、意図が完全に伝わったわけではないにせよモナは口を閉じた。

「僕のことは知っているらしいね。……僕も以前、君のことは見かけたことがあるよ」

アルトゥールらしい会話を適当に続ける。

さて、俺がわざわざ主人の顔を見に来た理由は、無事を確認するため……ではない。
様子を見るつもりではあったが、最も大きな理由は、指輪を介しての会話を機能させるためだ。

無論、この程度の結界など外からでも簡単に破ることはできる。
しかし、破れては協力者がいると疑われる。モナにとってもいい方には転がらないだろう。
だからこそ、こうして結界の内側へと入り込んで魔力を送り込みに来たというわけだ。
多少の魔力の残滓は残るだろうが、奴らはモナのことを禁書を使ったと思い込んでいる。制御できずに魔力が溢れ出てしまったとでも考えるだろう。

さて、これで指輪を使えるようになっただろう。

────モナ。聞こえているか?
────オロヴァセーレ?話せるようになったの?
────そのために来た。……一応聞くが、禁書には……
────手を出すはずない。禁書なんて知らなかったもの。
────それを聞けただけで十分だ。今日はもう帰る。……適当に話を切り上げろ。

「……まだ話す気になれない?僕はいつでも受け入れるから、覚えておいてほしい。それじゃあね」
「……はい」

残念そうに眉尻を下げ、その場を後にする。

さて。
俺が今からすべきことは、禁書を盗み、あまつさえモナの部屋に置いた犯人を捜すことだろう。

主人にありもしない罪を着せられ、頭に来ていないとは言い難い。俺の顔に泥を塗られたも同然だ。少なくとも、これを父上に知られるまでにはどうにかしなければ。

────まあ、安心しろ。どうにかする。

それだけを言い残し、俺は地下堂へと向かった。
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