創造神で破壊神な俺がケモミミを救う

てん

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国始動編

第123話 作戦完了

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「結界魔法が消えた・・・・ゼルターはしくじったか。」

大地へと激しい攻撃を繰り返していたシリウスは周囲の結界魔法が解けたことで、ゼルターがマリカに敗れたのだと気付いた。

「どうせお前がまた何かをしたのだろう!」

シリウスは中和魔法を封じながらもゼルターがマリカに敗れた背景に大地の存在があるのだと考え、憤りをぶつけるように大地に吠える。

「さぁな。俺は不良品をマリカに渡しただけだ。」

大地は激昂するシリウスとは逆に冷静な様子でシリウスの攻撃を捌き続ける。

実際に大地がマリカに渡したのはヘラクレスの劣化版であった。

作戦開始前にマリカからの要望でヘラクレスを渡した大地。

しかしマリカが試しに使ってみると、身体能力の向上率はまるで変わらず、ヘラクレスに組みこんであるスキルは発動していなかった。

どうやら能力向上系のスキルは同名スキルの重ねがけが出来ないらしい。

そこで大地が考えたのは組み込むスキルを変更することであった。

これまで組み込んでいた腕力昇華や体力昇華を一段階レベルの低い腕力強化や体力強化に変更した大地。

そしてマリカにもう一度試してもらったところ、何故か上手く発動し能力向上系スキルの重ねがけに成功した。

もちろん既存のヘラクレスよりかは能力は劣るものの、元より強化している身体を更に強化することになる為、マリカの動きは見違えるようになっていた。

もしゼルターがその事を知っていれば、マリカから姿を隠しながら迷彩ゴーレムで少しずつダメージを与えるなど、戦い方も変わっていたであろう。

そう考えればマリカの瞬殺劇の裏に大地の存在があるというシリウスの考えは間違っていなかった。




う~ん。どうしようかな。このまま倒してもいいがせっかく宮廷魔法師が相手なんだ。ルルに経験でも積ませるか。


大地はシリウスの風魔法を器用に避け続けながら、ルルに念話を飛ばす。

『ルル聞こえるか?』

『はい! どうしましたか!?』

『左右の兵の様子はどうだ?』

『それが水による障壁を張られてしまい狙った場所に当たらなくなってしまいました・・・・』


まぁそりゃそうだわな。なんせ放っているのは光なんだから。


レーザーの原理を知らないルルは障壁を張られてから、狙った場所に光線を放つことが出来なくなったことを落ち込んだ様子で報告してくる。

『敵兵の足止めになっているなら問題ない。それより俺の位置はわかるか?』

『あっはい。今風魔法の攻撃を受けていますね。大丈夫ですか?』

ルルは暗視スコープを越しに攻撃を捌き続ける大地の姿を捉えると、少し心配した様子を見せる。

『よし。じゃあ今俺が戦っている奴をお前が仕留めろ。』

『えっ! 相手は宮廷魔法師ですよね!? 私に倒せるわけが・・・・』

大地からシリウスを仕留めろと指示を出されたルルはそんなのは無理だと自信無さそうに大地に告げる。

『おいおい。もう少し自信を持て。狙撃に関してはお前はアースで一、二を争う腕前なのは俺が保証する。』

『そうですか・・・・とりあえずやってみますが。あまり期待はしないでくださいね。』

ルルは大地にそう告げると暗視スコープを覗き込み全身を風の鎧で包んだシリウスに標準を合わせる。

『どうだ、いけそうか?』

『うーん。さすがに動きが早すぎて標準を合わせるのが難しいですね。』

常に細かい動きを見せているシリウスに射線を合わせられず苦戦するルル。

『まぁとりあえずまだ時間はある。お前のタイミングでいいから狙える時にやってみな。』

大地はルルに好きなようにやってみろと念話で伝えると、目の前で絶え間無く風魔法を放ってくるシリウスへと視線を向ける。

「また良からぬことでも考えているのか? お前の考えには乗らんぞ。」

シリウスは防御に徹し一度も攻撃を仕掛けてこない大地の行動に何か裏があるのではないかと思い、リスクの高い接近戦を仕掛けることなく一定の距離を保ちながら風の刃を放っていた。

動きを止めることなく大地の周囲を旋回しながら風の刃で大地へと攻撃を仕掛けるシリウス。

しかし大地はそれを最低限の動きで避けていく。

「どういうつもりだ。まるで攻撃を仕掛けてくる様子が見られない。」

何も仕掛けてこない大地の思惑が分からず、シリウスが首をかしげながら旋回を続ける。

しかし次の瞬間。シリウスは大地の思惑について鋭い痛みを持って知る事となった。

「ぐっ!」

大地を注視しながら旋回を続けていたシリウスの左肩に激痛が走る。

シリウスは左肩を押さえながら慌てて全方位に水魔法の障壁を張る。

シリウスが左肩に目を向けると、左肩から下が無くなっていることに気付く。

辛うじて残っている左肩も高熱によって溶かされたようになっていた。

「やはりあの不可視の攻撃はお前の仕業だったという訳か。」

苦痛に顔を歪ませながら、大地を見つめるシリウスであったが、大地はシリウスに返答をすることなく、ただ成り行きを傍観しているような様子を見せる。

気付かない内に大地のペースで戦闘を運ばされていたことに気付いたシリウスはリスク覚悟で大地に向かって急加速する。

残った右腕でロングソードを構え、切っ先を大地に向けるようにして突撃を行うシリウス。

加速と共に水魔法の障壁を解いたシリウスは風魔法を使い、加速しながら時折変則的な動きを見せ大地へと迫っていく。


直線的な動きであれば先程の不可視の攻撃の餌食になるだけだが、この動きにはさすがについていけまい。


シリウスは大地に攻撃の的を絞らせまいと不規則な動きを見せながら加速を繰り返す。

そして自身の速度が最高速まで達した時、シリウスは大地の背後をつくような形で心臓目掛けてソードを突き出した。

「ぐわぁ!」

宙を舞うシリウスのロングソード。苦痛に塗れた顔をしていたのはソードを突き出された大地ではなく、ソードを突き出したシリウスの方であった。

右肩を的確に撃たれたシリウスは左肩の時と同じように右肩から下を失っていた。

両腕を無くし、大地の前で両膝を着くシリウス。

「どんだけ手前で不規則な動きをしようとも、フィニッシュが分かってればそこを狙うのは簡単だわな。」

大地は小さく呟くと、ルルに向けて親指を立てた。

『良くやったルル。あの早い動きに合わせるとはスナイパーの腕はマヒアを越えたんじゃないか?』

『いやいや。本当にギリギリでしたよ。』

ディランチの陣ではルルが大きなため息をつき、心底安堵したように床にへたり込んでいた。

大地は最後の足掻きで魔法を放たれても困ると思い、マリカの中和魔法を再現し展開させる。

シリウスも一矢報いようと間近にいる大地に向けて風魔法を放とうとするが、一足先に大地が展開させた中和魔法により、その行動も無意味に終わってしまった。

「見たこともない攻撃、見たこともないスキル。やはりお前もあの人と同じなのだな。」

諦めたように地面を見つめながらシリウスが呟く。

「あの方? 霧崎って奴のことか?」

シリウスの発言が気になった大地はシリウスに聞き返す。

「そうか知っているのか。精々今のうちに勝利を噛みしめておけ。あの人は俺達とは強さの次元の違う。いくらお前達が束になろうともその全てを切り裂いていくだろう。俺は先に逝ってお前達が来るのを待っているとしよう。」

シリウスはか細い声で大地に告げると、面を上げて笑みを見せる。その瞬間、シリウスは装飾が施された白い装いを脱いだ。

「それは・・・・!?」

装備を剥いだシリウスの身体には大地もテレビで見たことのある機械仕掛けの爆弾であった。

シリウスは上着を脱いだのと同時に爆弾のスイッチを入れる。するとシリウスと大地を中心に半径十メートルの範囲で大きな爆炎が上がった。

爆炎は瞬く間に周囲にいた兵士達まで巻き込み大きな穴を形成すると、高々と煙を上らせていく。

「何があった・・・・大地! 返事をしろ!」

ゼルターとの戦闘を終え、テント前まで戻って来ていたマリカはテント前が大きな黒煙に包まれているの見て、驚いた顔を見せていた。

「おい! 生きているなら早く返事をしろ! 大地!」

「そんな声を荒げなくても生きているよ。」

マリカが煙に向かって大地の名を叫び続けていると、煙の中から大地が姿を現した。

「無事だったのか!」

「あぁ何とかな。それより早く引き上げるぞ。」

大地は周囲の様子を確認した後、手早く離脱用の車を再現する。

しかし、爆炎によって左右の陣にいた帝国の兵士達が状況を確認しようと集まってきていた。

「おいおい大地。本当に大丈夫なのか?」

何万という兵が左右からこちらを囲むように集まっている姿を見たマリカは、冷や汗を垂らしながら不安感を募らせていく。

「まぁ見てろ。さっきの爆発で多少は誘爆しちまったが、こいつらを始末するには充分すぎる量が残っている。」

大地は多数の兵士に囲まれながらも、焦る様子を見せることなく車を再現すると、マリカに助手席に乗るように促す。

マリカが大地の言われるがままに助手席へと座った時、車の窓越しに大きな爆音と共に空中へと打ち上げられる多数の帝国兵達の姿が見えた。

「よし。丁度良く道が開けたな。じゃあ帰るぞマリカ。」

「何だ何だ! 一体何が起きているんだ! 大地早く説明しろ!」

大地達の道を切り開くように前方の地面から連鎖的に爆発を起きていく。

爆発が起きて十数秒後、大地達の前に帝国兵の姿はなく、真っ直ぐな地平線が見えていた。
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