9 / 53
08.とあるジジイの陰謀
しおりを挟む「――失礼。お邪魔しますよ」
珍しい客が来た。
「ここに来るのは久しぶりだな、テンシン」
昼食が終わり、屋内のテーブルに着いたままのんびり本を読んでいる時、光の帯が敷地内に降り立った。
白い道着姿に、薄く簡素な黒い布の靴。長い黒髪を後ろで結わえ、澄んだ黒い瞳が印象的な、飾り気のない格好の少女。
鉄の戦乙女テンシンである。
いや、実際は少女ではない。
彼女は小柄で童顔なだけで、アイスより年上だ。
十代半ばくらいにしか見えない外見だが、それは間違いない。
「そういえば最近は来てませんでしたね。椅子をお借りしても?」
「ああ。座るがいい」
アイスが本を閉じてテーブルに置くと同時に、掃除やら何やら自分の仕事をしていた専属メイド・イリオが居間に顔を出した。
「テンシン様。お久しぶりです」
「ええ。お邪魔します」
テンシンは、顔を隠して戦乙女の任に着いている。
正体を知る者は少なく、その内の一人がイリオである。
これまでアイスと関わることが多々あっただけに、専属で付いているイリオには正体を明かしてあるのだ。
「お茶菓子を持ってきました。アイスさんの好きな温泉饅頭です」
「ありがとう。早速食べよう。イリオ、茶を煎れてくれ」
手土産を渡すと、テンシンはアイスの向かいに座った。
所作が小さく、無駄を削ぎ落とした動作は綺麗である。
それは動きに気を配り訓練した貴族のようだが、テンシンはそうではなく、鍛え抜かれた者の無駄のない動きだとアイスは知っている。
椅子に座るという動作一つ取っても、武人としてのテンシンの強さが、よく表れている。
「本日は、アイスさんにお願いがあってきました」
テンシンはおもむろに本題に入った。
彼女は外堀を埋めていくような、遠回しなやり取りが苦手なのだ。
「内容を聞かないと返事はできないが。いったいなんだ?」
そしてテンシンは、直球で語りだしたのだった。
「話をまとめると」
テンシンが持ってきた手土産である、一口大の小さな温泉饅頭を口に放り込みながら、今聞いた話をアイスなりにまとめる。
「若者の宗教離れが嘆かれる昨今、信者獲得のために体験入信会を催したい。その客寄せに協力しろ、と」
「大筋は合っていますが、細かく違いますね」
「これ美味いな」
「ええ。ちなみに私は粒餡派です」
「私は漉し餡だな。口当たりがなめらかで大変良い。それと大きさだな。これは一口で食べられるというのがいいのだろう」
「そうですね。風味が逃げないというか、口の中にだけ広がるというか」
「前に行った温泉のものではないな?」
「ええ、これはまた違う処の温泉で買い求めました。美味しいと噂でしたので。またどこかの温泉に行きたいですね」
「そうだな。入った後の肌の張りとツヤが、普通の風呂とは段違いだったからな。他の連中もそれとなく誘ってみるか。ロゼット辺りは詳しいだろうし」
「この温泉饅頭のことを聞いたのはロゼットさんからですよ」
「相変わらず、気ままな旅暮らしのようだな」
そんな脇道に逸れた話もしつつ、本題に戻る。
「私が雷号疾拳の小龍夜叉という武神を信仰していることは知っていますね?」
「当然だ。片足程度だが、私も踏み込んだ領域だからな」
小龍夜叉は、テンシンが住む国の神の名前だ。
その身一つを武器とし、武具を使わない戦士であった武神・小龍夜叉。
その門下生が信者という扱いで、連綿と歴史を積み重ねてきた宗派である。
遠い昔から、修行僧という名の信者を募り、日々祈りと肉体の鍛錬に励んでいる。
若い頃、アイスはテンシンと肩を並べて修行していたことがある。
三ヶ月ほどという短い間だったが、朝から晩まで修行漬けだったあの頃の体験は、今や貴重な財産となってアイスの心身を形作っている。
今でもたまに修行しに行くこともあるほどに有用だとも思っている。
なお、武神・小龍夜叉は「身体一つを武器とする」が信条であると広く知られているが、実は武具の扱いにもかなり精通していたらしい。
先日、槍の乙女として選ばれたザッハトルテが、一時的に門下生となったのも、ここに関わってくる。
無手が主流なのに、武器にも詳しい。
矛盾しているようでそうではないと、今ならアイスもわかる気がする。
一芸を極めし者は、多芸にも精通する。
簡単に言うと、ロングソードの使い手がショートソードを使えないわけではない、ということだ。
万全に扱えるとは言えないが、どこかしら通じる点が必ずある。
それを感じたアイスだからこそ、状況と戦況に応じて「武器を変える」という戦法を編み出したのだ。
一つの武器を極めるのではなく、数多の武器の名手を目指す。
より幅のある戦に対応するために。
小龍夜叉はきっと、己の身体という武を極めた時、同時に武具の扱いの最適解も悟ったのではないか。
己の身体という武器を通した時に、自然と。
そう考えると、アイスは理解できる気がする。
「最近、門下生が減りまして」
「なぜだ? 大量にやめたのか?」
「それが、なんといっていいのか、少々面倒なことに……」
ふう、と、テンシンは溜息をついた。
「どうも、鉄の戦乙女の修める流派に、人気が偏っているようなのです」
…………
「ん? 今おかしなことを言わなかったか?」
鉄の戦乙女なら、目の前にいる。
なのに自分のところの門下生が減ったと嘆いているのは、おかしくないか。
「公表していないでしょう? 鉄の戦乙女の流派は」
「……ああ、そういうことか」
テンシンは、自分が宗教関係の広告塔として使われることを嫌がり、一部の者にしか正体を明かさず活動している。
その「明かしていない中」に、小龍夜叉の武術を修めていることも含まれている。
で、だ。
ややこしいことに、テンシンは戦乙女になる前から武神・小龍夜叉の修行僧であるがために、後から戦乙女として任命した神が別にいる。
更にややこしいことに、後から任命した神が、また武の神・蓮蓉金剛という三面六手の闘神だったりする。
要するに三角関係である。
テンシンが想うのは小龍夜叉だが、そこに蓮蓉金剛という間男が現れて神力という財産をチラつかせてテンシンを口説いたと。そういう形である。
色々と悩んだ末、テンシンは「二人の神を同時に愛する」という二股進行を選んだ、と。
「とんだ尻軽ではないか」
「なんですか急に」
いや、神々との付き合いを俗な人間関係に当てはめるものではない。
それはわかっている。
が、なんとなく、言わずにはいられなかった。
「言うことで救われることもあるからな」
誰もが気を遣って言わないことを言ってあげる。それもまた優しさの一つである。
ただ、その時の発言が優しさから出た言葉かどうかは、定かではないが。
「よくわかりませんが、話はわかりましたか?」
つまりだ。
「本来ならテンシンが信奉している小龍夜叉に集まるはずの信者が、誤って蓮蓉金剛に流れているわけだな?」
「その通りです」
戦乙女として活動している鉄の乙女テンシンを見て、玄人やその道の者なら、すぐに小龍夜叉の武門だと見分けられるが、素人にはわからない。
だから、「鉄の乙女」を定める役目を担う武神・蓮蓉金剛に門下生が流れたと。そういう話である。
「これまではどうだったのだ? 昨今始まったことでもあるまいし、きちんと誘導されていたのではないか?」
もう十年以上も、鉄の乙女を務めているテンシンである。
この手の問題は、むしろ任命された当時起こりうるもので、今更起こるものではないと考えられるのだが。
「……言われて見ればそうですね」
どうやらテンシンも、若干の不自然さに気づいたようだ。
「これは私の想像だが、とりあえず聞いてくれ」
アイスは、この話に潜む違和感に、早々に気づいていた。
「そなたの国の武神を信奉する者は、得てして高潔で謙虚で真面目なものが多い。あるいは修行の日々で雑念が失せ、刀身のように性根が磨がれるのかもしれない。
特に師範代や師匠、老師とも呼ばれる位の高い者は、私からすれば、もはや人の形をした徳の塊にさえ思える。
そんな人たちが上にいる宗教であるがゆえに、これまでその手の問題がなかったのだと思う。
鉄の戦乙女に憧れて蓮蓉金剛の下に来た者を、たとえ他宗教であれ、きっと懇切丁寧に事情を話し、小龍夜叉に導いたはずだ。
だから、もし今それが問題になっていると言うのであれば」
アイスは、じっと見詰めているテンシンの目を見返した。
「そなたにその話を持ち込んだ者が、だいぶ怪しい」
身内を疑え。
そう言っているだけに、アイスもそれなりに重く言葉を発した。
「この話は、体験入信会に私を呼び、それに釣られてやってきたものを入信させる、という趣旨だったな? 突き詰めると信者を増やしたいわけだ。
それで誰が得をすると思う? それでいい思いをする誰かの陰謀かもしれないぞ」
「……」
テンシンは席を立った。
「どうやら話を持ってくるのが早かったようです。少し調べてみます」
確かにテンシンは、ある者に聞いた話を鵜呑みにして、ここに来てしまった。
疑う気持ちなんて微塵もなかった。
何せ同門の身内、それも位の高い者の言うことだから。
しかし、アイスが言ったことも一理ある。
二股ではあるが、蓮蓉金剛もテンシンが信じている神であり、そこに集う者たちの高潔さもよく知っている。
だからこそ、彼らが思想の違う門下生を騙して入信させるような真似をするとは、自分も思えない。
よって、調査が必要なのだ。
何が本当で、何が誤りなのか、自分で確かめる。
この話はそれからだ。
「厳しいことを言ったな。すまない」
「いいえ。貴女もかつては同門で、私の弟弟子です。苦言を言わせたことをお詫びします」
テンシンは一礼し、光速移動魔法で帰ってしまった。
そしてすぐ戻ってきた。
「すみません、事情がわかりました」
「早いな」
話を聞けば、問題を吹き込んだのは、アイスも知っている老師であったという。
帰ってすぐに事情を確かめたら、簡単に吐いたらしい。
「門下生が減っているのは事実。蓮蓉金剛の信徒が増えているのも事実。何一つ嘘はなかったらしいです。ただ――」
「ただ?」
「老師が、最近アイスさんに会っていないから会いたいなー、こんな企画をやれば来てくれるんじゃないかなーと、考えたそうです。これを」
テンシンは、懐からたたまれた紙を出した。
それを受け取り、ぺらりと捲れば、すでに刷り終わっている「氷の戦乙女も絶賛! 小龍夜叉の体験入信会開催!」と大きく打ち出されたチラシ。
アイスの似顔絵まで載って、吹き出しで「待ってるヨ!」と書かれた、歴史と伝統と厳格さで知られる小龍夜叉の宗派にあるまじきポップさである。
これはかなりアレだ。
関係者が全員怒るレベルの、アレだ。
「……私は待ってないぞ」
「すみません。うちの老師がすみません」
その老師なら、アイスも知っているジジイだ。
とても厳しい修行に耐えてきた高潔な者とは思えないほどひょうきんで、暖かい人だった。
確かに長く会っていない。
しかし、だからと言って、個人的なことを大規模でやりすぎだろう。アイスに会いたいだけで大掛かりなことを考えすぎだろう。
「これはまずいだろう。こんな若者向けの……小龍夜叉はこういうのを出すような軽い宗教ではないではないか。関係者が怒るぞ」
「しかし、若者の宗教離れは本当のことなので……この企画で、若者を取り込みたいというのは本音のようです。嘘臭いというか胡散臭いのは確かですが、本当に嘘はなかったようです」
苦渋の顔で似顔絵を睨むアイスを見て、テンシンは重い息を漏らした。
「今はもう、そういう時代なのかもしれませんね」
「そういう、時代?」
「若者の宗教離れ。閉鎖的、あるいは独善的だった別の国々が、繋がり出した。狭い世界がどんどん広くなる。もはや宗教を必要としない……神を信じる信じないより優先することが増えた」
アイスのいるグレティワール王国はそうでもないはずだが、一昔前のテンシンの国は閉鎖的だったという。
宗教に関する想いの深さ、重さは、育った環境の文化の違いでもあるのだろう。
だが、心当たりはなくもない。
なんというか、確かに世界が広がるごとに、進むべき道が増えているのだろう。
その中にある宗教へ続く道が、他の道に埋没してしまうほどに。
「我々はもう古い時代、そろそろ若い世代に交代する時期が来ている。そういうことなのかもしれません」
思わずアイスは立ち上がった。
チラシを握り締め、強く強く、言い放った。
「私は世代交代大賛成だ!! 引き取り手がなくてこの様だけど!!」
あ、地雷踏んだ。
それに気づいたテンシンは、謝りながらそそくさと引き上げた。それはもう彼女の拳のごとく、疾風のような速さで退散した。
止める間もなかった。
後に残ったのは。
「世代交代だと? 望むところだ! 今すぐ世代交代してやる!! イリオ、私と結婚しろ!!」
「だから私は女ですって」
面倒臭い女と、面倒臭い女を押し付けられた女だけであった。
「新婚旅行先を決めろ!! 今すぐ!!」
「砂風呂というものがあるそうですよ。これもなかなかお肌に良いものだとか」
「よしそこに行くぞ!! 準備しろ!! 今夜は寝かせないからな!!」
などと言いながら意気込んで出かけるが、結局アイスは砂風呂で深い眠りに落ちてそのまま一夜を過ごすのだった。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる