失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン

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第2話 元聖女、準備をする

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 聖女の仕事……お役目というのは、非常にやりがいのあるものではあった。

 傷付いた人々を癒し、笑みを与える事が出来るのだ。
 やりがいがないわけがない。

 ただ、問題は、やりがいがありすぎたということであった。

 魔法が存在している世界ではあるが、その中に傷を癒したり病を癒したりするようなものは存在していない。
 回復魔法といったのはあくまでも例えでしかないのだ。
 その代わり、癒しの力というものが存在してはいるものの、魔法の使い手に比べれば数は少なく、さすがに手足を再生させたり万病を治したりするのも不可能だという。

 だが世界には魔物が満ち、死はいつだってすぐ傍にある。
 そもそも聖女が異世界から呼ばれたのも、その状況を打破するためであったらしい。

 無論ただちやほやされているだけでいいわけがなく……端的に結論を言ってしまえば、聖女というのは非常に忙しかったのだ。
 何せ食事を摂る時間とお風呂に入る時間、それと睡眠時間を除けば、残り全てがお役目の時間だったのだから。

 ブラック企業から逃れてのんびりできるかと思いきや、まさかのブラック企業以上のブラックぶりである。
 もう二度とそんなのはご免だと思うのは、当然のことでしかあるまい。

 勿論そうならない可能性もあるにはある。
 だがセーナはその可能性は非常に低いと考えていた。

 何故ならば、セーナの生まれ育ったこの家は、辺境伯家だからである。
 辺境伯……即ち、国王から直々に国境を任された家の、末裔だ。

 そして現在の当主、即ちセーナの父は、そのことを非常に誇りに思っていた。
 無論悪いことではない。
 むしろいいことだろう。

 しかしそのせいで父は、国境を守ることを至上としているのだ。
 国境付近がキナ臭いとなれば、迷うことなく自らが赴くし、そのために必要なものがあれば躊躇うことなく利用する。

 実際クラウゼヴィッツ家の子供は娘が三人だというのに、上の姉も下の姉も、ちょくちょく戦場へと連れて行かれているのだ。
 まああれは半ば本人達が望んでいるようではあるも、聞いた話によれば少なくとも最初の一回は父が強制的に連れて行ったという。
 しかも経験を積むためとかですらなく、単に兵の数が足りないからという理由で、だ。

 そんな父に、手足がもがれても再生するとかいう力をセーナが持っていることを知られてしまえばどうなるか。
 前世の二の舞……いや、前世の頃はあれはあれで聖女として最低限敬われ尊重されてはいた。
 それ以上にやってくる人が多いため気にしていられなかったというだけであって、問答無用で働かされていたというわけではないのだ。

 だが父はおそらく、そんなことは気にも留めまい。
 そもそも父から気にされた記憶というのが、ほぼないのだ。
 基本的に放任主義だというだけで、愛されていないというつもりはないが……それでも自分の都合の方が優先されるとは、さすがに思えなかった。

 それでも、辺境伯家の三女として、本当はそうすべきなのかもしれない。
 しかし結局約二十年ほどの間、文字通り死ぬまで聖女として身を捧げたのだ。
 三百年も前のこととはいえ、どうかそれで勘弁して欲しかった。

「ともあれ……思い立ったが吉日、って言いますしね……」

 姉達が戦場に連れて行かれたのも、ある日突然だったという話だ。
 特に今日が何の日であるのかを考えれば、それが今日自分の身に訪れる可能性は否定出来ず、ここでのんびりしていたせいで……などということになったら、悔やんでも悔やみきれない。
 決意を固めた以上は、さっさと動くべきであった。

「出来るのであれば、本当にこのまま、というのが一番なのでしょうが……」

 生憎と、準備などは何一つとしてしていない。
 前世の記憶を思い出し、聖女の力を使えるということに気付いたのはつい先ほどのことで、それまではこの家から出ることなどまったく考えてはいなかったのだ。
 準備をしているわけがないのだが、そんな状況でこの家から逃げたところで、野垂れ死ぬのがオチだろう。

「そもそも、この家の外に出たことすらありませんしね……」

 この世界の貴族の決まりなのか、あるいはクラウゼヴィッツ家独自のものなのかは分からないが、セーナは成人するまで家を出ることを禁じられていたのだ。
 何も分からない場所へと無鉄砲に飛び出すなど、自殺と同義である。

 ただ、幸いにも、聖菜の記憶を思い出したからといって、セーナの記憶が失われたわけではない。
 先ほどは頭痛のせいもあってか軽く混乱してしまっていたものの、今ではどちらの記憶も自分のものだとしっかり認識出来ている。
 これから準備をするのに、問題はないだろう。

 むしろ、何を準備したらいいのか、ということの方が問題だが……その辺は臨機応変に、といったところか。
 この家を出た後は適当なところへと旅をするつもりではあるものの、当然のようにセーナは旅をしたことはない。
 何を準備したらいいのかなど、分かるわけもなかった。

「姉様達から色々な話を聞いてはいたのですが、さすがにそういう地味なところは話してくれませんでしたしね。まあ、この家はよく遠征に出ていますし、探せば何かしらそれらしいものがきっとあるでしょう。最終手段ではありますが、ある程度はお金もありますし」

 小遣いとして時々貰っていたものを溜めておいたものだが、それなりの額ではあるはずだ。

 ただ、稼ぐ当てもない現状、あまりそれに手をつけるべきではない。
 お金で必要なものを揃えるというのは最後の手段とすべきで、とりあえずはあるものから探すべきである。

 とはいえ、時間はあまりない。
 タイムリミットとしては、朝食の時間の直前まで、といったところか。

 食事の時間はなるべく全員で摂るようにというのがクラウゼヴィッツ家の家訓であり、その場には当然父もいる。
 そこで戦場に連れて行くなどと言われてしまったら困るので、その前に家を出る必要がある、というわけだ。

「特に今日はその可能性が比較的高いだろう日ですしね……」

 そんなことを呟きながら、自室の扉を開ける。

 一先ず何処に向かうべきかと、家……というよりは、屋敷と呼ぶべきこの場所の詳細を頭に思い浮かべつつ、廊下へと足を踏み出し――瞬間、目が合った。

「おや……? おはよう、セーナ。こんな朝早くにどうしたんだい?」

 廊下の向こう側にいたのは、一人の女性であった。
 赤い髪に琥珀の瞳を持つその姿はセーナよりも頭一つ分は背が高く、女性にしてはかなり体格はいい方に入るだろう。
 その頬には大きな傷があり、ある種の凄みのようなものを見るものへと与えている。

 とてもよく見知った人物で、だがこんな状況で会うのは完全に予想外だ。
 それは相手も同じなのか、普段であれば豪快な笑みを浮かべることの多いその顔には驚きが浮かんでいる。

 正直なところ、出鼻を挫かれたというか、最初の一歩を踏み外した気分ではあったのだが、ここで下手に動揺して何かを悟らせるわけにはいくまい。
 驚いたことに他意はありませんよ、という顔で笑みを浮かべた。

「……おはようございます、姉様。ちょっと目が冴えてしまったため、書庫にでも行こうかと思いまして」

「あー……なるほどね。しっかしあんたも物好きだねえ。本なんて読んで何が楽しいんだか」

 そう言って肩をすくめる女性――上の姉であるアルマの姿に、心の中で安堵の息を吐き出す。
 どうやら怪しまれてはいないようであった。

 セーナは姉のことは好きだ。
 先に述べたように、外に出ることは出来ないセーナのことを思ってか色々な話をしてくれるし、豪快なその性格も好ましく、信頼してもいる。

 だが姉もクラウゼヴィッツの人間であり、しかも長女なのだ。
 家を出ようとしていることがばれてしまえばどういう反応をするのか読みきれないため、隠す必要があった。

 とりあえず、咄嗟の言い訳ではあったが、普段から暇を見ては書庫に行っているせいか特に不審には思われなかったようである。
 普段からちょくちょく書庫に行っていたのは、特に何かを意識していたわけではなかったのだが……もしかしたら、この世界のことをもっと知りたいと思っていたからだったのかもしれない。
 聖女として約二十年過ごしていながらも、ほとんど何も知らぬまま死んでしまったのだ。
 その時のことは今まで思い出せずとも、無意識で何かを思っていたところで不思議はないだろう。

 まあ、ともあれこのまま適当に話を進めながら程よいところで話を切り上げれば、何とかなりそうだ。

「本を読むのは楽しいですよ? 自分では知らないことを色々と知る事が出来るんですから。ですから、姉様達から色々な話を聞いたりもしていたんですから」

「確かに色々と話してやったが……生憎とあたしには分からない楽しさだね。効率よく強くなれる方法ってやつが書いてあるんなら喜んで読むんだが」

「姉様らしいですね……。ところで、姉様こそこんな朝早くから何を……ああいえ、姉様もいつも通り、ですか」

「ま、そういうことだね」

 再び肩をすくめた姉の姿は、何処となく薄汚れていた。
 少なくともその格好を見て、辺境伯家の長女だと一目で理解出来るものはいまい。

 だがそれこそが、この人らしい姿でもあった。

「朝早くから訓練、ですか……あまり無理はしないでくださいね?」

「当然だろ? 無理をして強くなれるんなら考えるけど、無理をした程度で強くなれるほど甘くはないからね」

「またそんなことを言って……それに、怪我をしているじゃないですか」

「うん? ……ああ、こんなの怪我のうちにも入らないさ。ツバでもつけときゃ勝手に治るしね」

 そう嘯く姉の身体には、小さな傷が幾つもあり、どう見ても作られたばかりのものだ。
 セーナの趣味が書庫に行って見知らぬ本を読むことならば、姉の趣味は鍛錬であり、強くなることである。
 辺境伯家の一員としては正しいのかもしれないが、生傷の絶えない姿を見ては、いつも顔を顰めていたものであった。

「……ああ、いえ、なるほど……そういうことですか」

 と、そこで不意に思い至った。

 てっきりそれは、痛そうだからだと思っていたのだが……本当はそうではない。
 本当は、そんな傷は一瞬で全て治してしまえるのに、何もしないでいることが、セーナは心苦しかったのだ。

 しかしそんなことをしてしまえばこの力のことはあっさりと露呈し、前世の繰り返しとなってしまうだろう。
 このことを無意識に理解していたからこそ、傷を癒すことはなく……同時に心苦しくも思っていたのだ。

 それは身勝手な偽善に過ぎずとも……あるいは、だからこそ余計に。

 だが全ては今更のことであり、今更であるからこそセーナは揺らぎもしない。
 既に決めたのだ。
 今度こそ前世のようにはならない、と。

 ゆえに、今だってやろうと思えば一瞬で癒せる姉の姿を眺めながら、セーナに出来ることは、何も知らないような顔で笑みを浮かべることだけであった。

「さて……あんま朝っぱらから話しこむもんじゃないし、あたしはそろそろ行くよ。傷はどうだっていいけど、汗だくのままじゃさすがにちょっと気持ち悪いからね。あんまこんな格好でいるもんでもないだろうし」

「姉様って意外とそういうところ、女らしいですよね」

「意外とって言葉は余計だよ。ま、他でもないあたし自身が一番そう思ってるけどね。っと、ああ、そうだ、忘れるところだった。――誕生日おめでとう、セーナ」

「あ、はい……ありがとうございます」

「それじゃ、また後でね」

 それだけを告げると、姉はひらひらと手を振りながら去っていった。
 その後姿を眺めながら、小さく息を吐き出す。
 何となく、どッと疲れがやってきた気がする。
 まだ家も出ていないというのにこれでは、先が思いやられるようであった。

「……とはいえ、この世界に来てからのわたしというのは、大体そんなものでしたか」

 ならばこれもまた、今更と言えば今更か。

 ちなみに、姉が去り際に言ってきたように、今日はセーナの誕生日である。
 そしてそれこそが、急いでこの家から出ようとしている理由でもあった。

 今日でセーナは十五歳になり、十五歳とは、この世界で成人と認められる歳なのである。
 つまりは、成人になったのだからという理由で戦場に連れて行かれてしまう可能性があるため、さっさと家を出たかったのだ。

「そのためにも、準備を、ですね」

 最初の一歩目で躓いてしまったが、考えてみれば十分有り得ることではあったのだ。
 なのにそれを想定していなかったセーナのミスであり、だがもう繰り返さない。
 今度こそは、大丈夫なはずだ。

「さて、それでは、今度こそ準備をするとしましょうか」

 気合を入れ直し、セーナは姉が去っていったのとは逆側へと歩き出すのであった。
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