失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン

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第15話 受付嬢と有り得ない物

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 自分の手のひらの上に載っている物を眺めながら、受付嬢は目を細めた。
 常識的に考えて、こんなものがここにあるわけがないからである。

 少なくとも、有り得ていいものではなかった。

「ではこれは一体何なのかということになるわけじゃが……ま、その説明が付くのであればもう少しマシな態度を取れたじゃろうな」

 先ほど受付嬢は、嘘は吐いた。
 これ以上ないほど明確なまでに、言い訳のしようもなく。

 手のひらの上で七色に変わっていく花を前にして、知らないと答えたのだ。
 普段の受付嬢であれば、それこそが有り得ないことであった。

 受付嬢とは、ギルドの顔だ。
 受付嬢が嘘を吐いてしまえば、ギルドとはそういうものだと認識されてしまいかねない。
 そのため、受付嬢は基本嘘を吐くことはないし、そうするように教育されている。

 無論常に本当のことを言うわけではないが、だからそういう場合は敢えてぼかして答えるのだ。
 普段であればそうしていたはずで……だが、出来なかった。

 そんな余裕すらないほどに、動揺してしまったのだ。

 と。

「うわっ!? 何ですか、これ!?」

 席を外していた隣の席の受付嬢が、カウンターの上を見るなり叫んだ。
 その姿に、思わず溜息を吐き出す。

「お主は相変わらず騒がしいのじゃな……というか、うわはないじゃなろう、うわは。お主は受付嬢というものを何だと思っているのじゃ?」

「それは勿論ギルドの顔だと思っていますよ? ですが、顔が全部同じでは面白くな――こほんっ、冒険者の方達も息苦しくなってしまうと思うんですよね」

「失言さえなければ、一理あると言うことも出来たのじゃがな。お主は相変わらず、肝心なところが抜けているのじゃよ」

「うへえ、耳の痛い言葉ですこって。で、そんなことよりも、これって結局何なんです? どこかの冒険者のパーティーが穴場でも見つけたんですか?」

「穴場、の……確かに、ある意味では穴場が見つかったと言えるのかもしれんのじゃな」

「あ、すいません、やっぱりいいです。なんか嫌な予感しかしないので」

「その勘は大切にした方がいいのじゃぞ? 受付嬢にとって勘とは余計なことに巻き込まれないためにも必要なものじゃからな。ま、今回は手遅れだったわけじゃが」

 そう言いつつ、手のひらに載せていた花を放り投げる。

 そこで咄嗟に動いたのは、反射的なものだったのだろう。
 中々悪くない動きではあったが……その姿に、肩をすくめた。

 まったく、言ってるそばからだ。
 そこで手を伸ばしていなければ、気付かなかった振りも出来ただろうに。
 それでは今度こそ、言い訳の余地もなく、手遅れだ。

「ちょっ、ちょっと何だか知りませんが、突然投げたりしないでくださいよ!? 落としちゃったらどうするつも……り……? ……えっ?」

「人の忠告はしっかり聞いておいた方がいいのじゃぞ? ちなみに当然じゃが、それは我が何処かから持ってきたわけではないのじゃぞ? ほれ、お主も覚えてるじゃろ? 今日登録に来た治癒士の少女。あやつがつい今しがた持ってきたのじゃよ」

「ギ――い、いえ、ヒルデさん……ちょっと実家のある村に帰ってもいいですかね? 私にも家族がいるので……」

「駄目に決まってるじゃろ? 何のためにお主にそれを見せたと思っているんじゃ?」

「うわーんっ! やっぱり巻き込む気満々だったー! ちょっと、やめてくださいよ! 私ギルドと国との戦争になんて巻き込まれたくないんですけど!?」

「ふーむ……即座にその思考に至れるあたり、やはり勘も地頭も悪くなんじゃよなぁ。致命的なまでに間が悪いせいでそれを活かすことが出来ないのが何よりも問題なのじゃが」

「人を褒めるとみせかけてディスるのやめてもらえませんかね……!? せめてどっちかにしてくださいよ!」

「お主は相変わらず致命的なまでに間が悪いのじゃなぁ……」

「そこは褒める方でいいじゃないですかー!」

 そんな叫びに受付嬢――ヒルデは肩をすくめると、周囲を眺めた。
 これだけ騒がしいのに注目が向いていないのは、いつものことだと思われているからだろう。

 これは果たして利点と欠点のどちらなのだろうか、などと思いながらも言葉を続けた。

「ちなみになのじゃが、それは北の森の奥で見つかったらしいのじゃぞ?」

「あー……なるほど、確かにそれは穴場ですね。でもつまりはやっぱり戦争一直線じゃないですかー」

 嘆くその言葉は、決して大袈裟なものではない。
 投げ渡したその花は、それほどの価値があるのだ。

 名を、奇跡の花。
 ハイポーションの素材として用いられる、最も重要なうちの一つである。

 とはいえそれが何故戦争の原因になるのかと言えば、そもそも奇跡の花というのは非常に希少な品だからだ。
 ハイポーションの値段が高いのも、超一流の錬金術師にしか作り出せないというのもあるが、それ以上に材料の一つである奇跡の花が中々手に入らないものだからなのである。

 これは冒険者ギルドが仲介をしたところで同様だ。
 奇跡の花は人が普段近寄らない秘境などにしか咲かないと言われているため、入手難易度が非常に高いのである。

 もっとも、それだけであればそこまで問題にはならなかっただろうが……最大の問題が一つ。
 入手難易度が非常に高い割に、報酬は安いのだ。

 これは、冒険者ギルドが仲介する依頼に対してランクがどうやって決まるのかということに関係してくる。
 依頼のランクというのは、単純に言ってしまえばどのランクのパーティーならばそれを問題なく達成することが出来るか、というものだ。
 そのため主に遭遇する魔物のランクによって変わってくるのだが、ここで時に齟齬が発生してしまうことがある。

 奇跡の花の入手難易度が高いのは、基本的に場所が遠い上に人の足で向かうのは困難なことが多いからだ。
 逆に言ってしまえばそれだけであり、高ランクの魔物と遭遇する可能性が低いため、必然的に依頼のランクは下がってしまうのである。

 実際奇跡の花の採集依頼は、冒険者ギルド基準ではCランクだ。
 支払われる報酬はよくて金貨十数枚。
 あまりにも安すぎる報酬である。

 何故ならば、適当な商会に持っていくだけで、桁が一つは変わってくるからだ。

 そのせいもあって、奇跡の花の採集依頼が受けられることはない。
 ついでに言えば、わざわざ奇跡の花を採集しに行くこと自体が稀だ。

 Cランク冒険者であれば、採集できれば適当な商会で売るだけで百枚以上の金貨を手にすることが出来るものの、そもそも奇跡の花が確実に咲いている場所なのは存在しないのである。
 薬草などと違い、奇跡の花には根もまた必要だからだ。

 そしてこの辺が、希少な品であるはずの奇跡の花を雑に扱った理由でもある。
 根がないため、ハイポーションの素材としては扱えないのだ。

 で、そんな風にどこにあるのかも定かではないような花が、Bランクに位置している森とはいえ、街からそこまで遠くない場所で採集出来るとなったらどうなるか。
 そこが冒険者ギルドの管轄地であったのならば。

 何処の国にも属していないということを口実に、確実に何処かの国が奪おうとしてくるだろう。
 しかし冒険者ギルドとしてもそんなことが許せるわけがなく、結果戦争になる、というわけだ。

 では何故国がそんなに奇跡の花を求めるのかと言えば、どちらかと言えば求めるのはハイポーションの方である。
 ハイポーションは王族などの一部の者にとって必須のものだからだ。
 主に暗殺対策として。

 直接的に狙われた場合もそうだが、それ以上に毒に対して使われる場合が多い。
 毒を盛られた場合の解毒のため……では、ない。
 ハイポーションはそれなりに効力の高い秘薬ではあるが、エリクサーほど毒に対して万能ではないからだ。
 どんな毒に対しても効果はあるものの、物によっては多少弱める程度でしかないものもある。

 だが、どんな毒に対しても効果がある、というところが重要であった。
 一滴でも垂らし反応があれば、毒が仕込まれているということだからだ。
 毒見が必要なくなる上に、遅効性の毒にすら効果があるのだから、利用しない理由の方がなかった。

 とはいえ、本来であればそのために冒険者ギルドに戦争を仕掛けるなどということは有り得ないだろう。
 冒険者ギルドに喧嘩を売るということは、全ての冒険者に喧嘩を売るということだ。
 数にしろ質にしろ、どんな大国であろうとも勝ち目はあるまい。

 なのに戦争を仕掛けると断言出来てしまうのは、それだけ各国の王や上層部がハイポーションに依存してしまっているからだ。
 昔はそれほどでもなかったのだが、今から二十年ほど前に、各国の王や貴族が無差別に毒殺されるという事件があった。
 未だ犯人は不明のままであり、だがある日からぱったり途絶えたのは、ハイポーションを利用して防ぐことが出来るということが大々的に知られたからなのである。

 それまではいつ毒殺されてしまうのかと怯えていた者達が、ハイポーションのおかげで怯える必要がなくなったのだ。
 頼るのも当然というもので……そのまま依存となってしまうまで、それほど時間は必要としなかった。

 そもそもハイポーションが金貨数百枚もしているのは、王族達がこぞって買い占めようとするからであり、金に糸目を付けないからだ。
 放っておけばどれだけの値段になるか分かったものではなく、そうなっていないのは錬金術師のおかげである。
 主に値段を吊り上げていたのは商人ではあるのだが、ある日これ以上値上げをするようならばその商人に対しては二度と商人を卸さないと告げたのだ。

 その結果、何とか金貨数百枚で収まったのである。

 で、そんなハイポーションの元となる素材が取れるかもしれない場所だ。
 もしかしたら理性の働く可能性もあるものの、正直期待は出来なかった。

「ま、実際には戦争にはならんのじゃがな」

「え、何でですか? 色々と各国の弱みを握ってるからですか?」

「お主は我を何だと思っているのじゃ? そうではなく、その花はただの綺麗なだけの花でしかないからじゃよ」

「はい? ついにボケたんですか? これは何処からどう見ても……って、あー、なるほど。そういうことにする、ということですか」

「そういうことなのじゃが、ちとお主とは小一時間ほど話し合う必要がありそうじゃな?」

 元々あの花は、何だか分からないから調べると言って借りたのである。
 だから、その結果として、特に名前があるわけでもないただの綺麗なだけの花だ、ということにするのだ。

 無論バレたら非常にまずいことではあるが、バレたらその時点で戦争なのである。
 余計なことを気にしている場合ではあるまい。

「んー、ですが、納得しますかね? 治癒士なんですよね?」

「納得するならそれでよし。納得しないのなら何故かと問うだけじゃよ」

「ああ……なるほど。となると……その場合は何らかの仕込みの可能性が高いってことになるわけですか。ん? というか、むしろそれ以外にあるんですか? 北の森で採ってきたんですよね? 新人冒険者が。そんなの無理に決まってるじゃないですか。そもそも何で北の森に行くんですか。行く理由がないでしょうに」

「だから、お主は何故地頭はいいのにそれを有効に使えないのじゃろうな? この話をした時にそこは気付くべきじゃろうに。まあ問題は、そうとは言い切れないということなのじゃが」

「はい? 何でですか?」

「我の目の前にあるものが理由じゃよ。見て分かる通り、これはどう見ても今日採ってきたばかりのものじゃ。それもそうじゃがな。で、こんなに沢山の薬草やら何やらを、一体何処で採れるというのじゃ?」

「むむむ……確かに? 北の森はほとんど人が立ち入りませんから、あそこで採集できるのならば可能ですし、むしろそれぐらいしか無理ですか。まあ新人なのにBランクの森に行って帰ってくることが出来るとかいう有り得ないことが可能ならば、ですが」

「しかしそこにさえ目を瞑れば、言ってたことに矛盾はないのじゃよな。言ってたこと自体はおかしく……いや、おかしかったのじゃが、それも本当に元Bランクの冒険者から話を聞き、Bランク冒険者の基準を常識だと思っていたら、まあ有り得ないとは言えないわけじゃし」

 実際薬草が一日に百把必要だというのは間違っていない。
 ただしそれは、新人がDランクと同様の報酬を得ようとしたら、の話であるだけで。

 無論現実的ではない。
 薬草を求める者は多く、大半が三把程度でしかないからである。
 そしてそれでも、一日を凌ぐにはギリギリ足りるのだ。

 どれだけ多く採ることが出来ても、十把が限界といったところだろう。
 それも一月に一度出来たら十分だ。

 薬草は生命力が高いものの、無限に生えてくるわけではない。
 十分な長さになるまで数日はかかることを考えれば、それが当たり前なのだ。

「が……ここに当たり前ではない光景が存在してしまってるわけじゃしのぅ。新人が北の森に向かう理由というのも、検討が付くわけじゃし」

「あー……そういえば、そんなタチの悪いことをしでかす連中がいましたねえ。覚えてたら不快なだけですから、すっかり忘れてました」

「お主は……。ま、ともあれそういうわけじゃから、とりあえず判断は保留といったところじゃな。どっちがいいのかは……正直何とも言えんのじゃが」

 どちらにせよ騒ぎを巻き起こしそうなことを考えれば、どっちの可能性であろうとも歓迎したいものではない。
 よく勘違いされることではあるが、別に冒険者ギルドというのは騒動を好むわけではないのだ。
 騒動の方からやってくるというだけで。

「さて、とりあえずは仕事じゃ仕事。まずはこれを片付けなければならんわけじゃしな。まったく、まだ冒険者があまり来ない時間帯で幸いだったといったところじゃが」

「あ、それじゃ私は他の仕事が――」

「冒険者がまだ来てないのに受付嬢に他の仕事があるわけないじゃろうが。いいから手伝うのじゃ」

「うわーんっ! この横暴上司ー!」

 そんな叫び声が響きつつも、今日も冒険者ギルドは変わらず回る。

 だがそんな中でヒルデは、ふとあの少女が出て行った扉を見つめた。
 何となくでしかないのだが……あの少女のせいで、いつも通りがいつも通りではなくなるような気がしたのだ。

 それがいいことなのかどうかは分からないが……とりあえずは、何にせよまずはこれを片付けてからだと、隣の受付嬢と共に片付けを始めるのであった。
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