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第284話 竜、お城にてリヒトの家族を会わせる
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「まあまあまあ! ほとんど同じ顔! 可愛いですわね……!!」
「あーい」
「母上、ライル君が目を覚ましちゃうよ」
「そ、そうね!」
コレルから庭へ案内されてしばらく待っていると、ヴァールが王妃のローザを連れてやってきた。
椅子に座ってライルを膝に置いているトワイトの横で、リヒトがライルを覗き込んでいた。それを見てローザは可愛いと褒めっぱなしであった。
リヒトはしーっと口に指を当てて静かにと言う。
「うわあ、リヒト君そういうのも覚えたんですね」
「赤ちゃんらしくすぐ真似をするようになったわ♪」
「この子もすぐ色々と覚えるでしょうね!」
『……♪』
フレイヤがしーっをしているリヒトに目を細めて笑う。真似をするのが仕事みたいなものだとローザが口にしていると、ライルの上にソルとエレノアが乗って来た。
「あら、奇妙なお人形さんですわね? 動いていますけど、ゴーレムかなにかですか?」
「いや、この二体はリヒトとライルの実の両親じゃ」
「ええ……?」
『……!』
ディランが紹介すると、ローザは訝しんだ目を向けた。そこで二人はぺこりとお辞儀をして挨拶をする。
「まあ、なんだか細かく動いて可愛いですわね♪ ローザと言いますよろしくですわ」
「驚かないのですね……」
「母上は割と変なものとか好きだからね。だからザミールの商品を見たいと呼び寄せているわけだし」
ローザが二人と握手するのを見てエメリが脱力した感じで呟いていた。息子のヴァールは昔からそうだとほほ笑んでいた。
「そうですわよ」
「色々あって楽しいですものね」
「そういえばザミールはサリエルド帝国の貴族じゃった。それは知っておったのかのう」
「ザミールさんは――」
「……知っていた。彼自身がそう私に告げていたからな」
「モルゲンロート様」
ディランがローザへ質問を投げかける。返事をしようとした彼女より先に、別の方向から声がかかった。一同が視線を向けるとそこにモルゲンロートが立っており、フレイヤが胸に手を当てて頭を下げた。
「この場は気にしなくて良い。ザミール……ミルザが家を出て商家をすると言ってきたのはもう十年も前のことだ」
「他国からの移住と、先に正体を明かしておくことの二つをわたくしたちに伝えに来たのよね」
「そうじゃったか」
正体は昔から知っており、十二歳のころから商人のところで下積みをしていたとのこと。もし家の者が探しに来ても教えないことなどを懇願していたという。
「まあ、実家は国内に居るものだと思っていたようでこのクリニヒト王国には来なかったがな。祖父が居なくなって帰れるようになったのか」
「そうですね。ご両親は良い方のようでした」
「あの商人が貴族、それも侯爵家だったとは……」
「ま、色々居るってことだよコレル。貴族も人間だし、貴族らしくなんてのはそれこそ貴族が勝手に考えている凝り固まった考えだと思うよ」
「う、むう……た、確かにそうなのか……? いや、しかし……」
ザミールのことを聞いたコレルが複雑な顔で唸っていた。
そんな彼にヴァール「こうやって悩んで自分で出した答えならそれはそれでいいんじゃないか」と笑っていた。
「すぴー」
「しかし、人の気配がこんなにあってそれなりに騒がしいのに寝ている。リヒト君とは違った意味で大物だな」
「あーい♪」
「うぉふ!」
名前を呼ばれたので手を上げて返事をするリヒト。褒められて嬉しかったのかヤクトも尻尾を大きく振って鳴いていた。
「ふあ……」
「あーい?」
「あ、目を覚ましたわ。おはようライル♪」
「あーう? あー♪」
そうこうしているうちに、ライルがふと目を覚ました。リヒトとトワイトが覗き込んで声をかける。するとライルは周囲を見渡した後、元気に笑った。
「知らない大人ばかりなのに泣かないのね」
「そういえばワシらと初めて会った時も泣いておらんわい。リヒトに興味がいっていたからかもしれんが」
「リヒト君も滅多に泣かないですもんね。やっぱり兄弟なんだ」
「あーう♪」
「うぉふ?」
するとライルはヤクトに手を伸ばしていた。なにごとかとヤクトが近づくと、トワイトの腕から抜けてヤクトの背に乗っかった。
「あい♪」
「じゃあリヒトはダルかしら? たまにはルミナスに乗る?」
「わん!」
「あい!」
「わほぉん……」
そしてリヒトがルミナスに乗ると、てくてくと庭を散歩しだした。寝そべってしか乗れないライルと違い、リヒトはきちんとお座りができる。
そんなリヒトはカバンからでんでん太鼓を取り出すと、ポコポコと音を鳴らし始めた。
「あーう♪」
「あーい」
「ぴよー♪」
ライルに聞かせてあげると、ヤクトの背中をポンポンと叩きながらとても嬉しそうに笑っていた。ひよこ達も合流して賑やかな感じになっていた。
「可愛い~」
「双子ね」
近くに居たメイド達も足を止めてその様子を見てほほ笑んでいた。
「いいわねえ。ウチはヴァールがまだお嫁さんを見つけてこないから孫が見れないのよ」
「ローザさんはまだお若いですし、早いのでは?」
「でもあの子たちを見ていると構いたいわ。いい人は居ないのヴァール?」
「おっと、これはいけない。私は部屋に戻って作業をしないと。コレル、行こう」
「あ、ああ」
「あ、待ちなさいヴァール! まったく」
そんなリヒトとライルを見てローザが孫が見たいとヴァールへ視線を向けた。
すると彼は肩を竦めてこの場を逃げるように去っていった。
「ははは。まあ、いいではないかローザ。ひとまずあの子たちでも眺めていよう」
「そうですね。そういえばライル君はリヒト君と違う服ね?」
「ええ。まだ作っていないんですよ。布にドラゴンの鱗を織り込んで作る予定です」
「ではお城の生地を提供しましょう! やっぱりお揃いがいいと思いますわ! それもう少し大きくなったらドラゴンパジャマもいいかもしれないですわね」
ローザがひとまずリヒト達へ目を向ける。そこでライルの服がリヒトとお揃いでないことに気づく。
「ドラゴンパジャマですか?」
「ええ。ドラゴンを模した着る毛布みたいなものです。一度だけあの狼たちみたいな被り物のパジャマをザミールさんが持っていたのを見たことがあります。あれはかわいいと思いますの」
「なるほど。ぬいぐるみばかり考えていましたけど、そういうのもいいですね! 毛は三頭から少しずつもらってもいいし、私の鱗を切って使ってもいいかしら」
「わほぉん」
その時は協力するといった感じでダルがふさふさの尻尾を見せていた。
「リコットちゃんの分まで作ると結構かかりそう。ドラゴンのパジャマがいいかしらね? トーニャちゃんとハバラにも協力してもらって」
「ワシのもええぞ。さて、それではそのトーニャのところへ行くとするか」
「おや、もう行かれるのか? 食事でもと思ったのだが」
「向こうのお家で乳母代わりになっていた娘さんが屋敷にいるんです。久しぶりに会わせてあげたいと思っていて」
「そうなのですね! ではわたくしたちも……」
「それは止めておけローザ……」
と、行く気だったローザをモルゲンロートが止めていた。
ちなみに自宅の山の管理者にライルが加わり、看板が後で変わることを伝えられるのだった。
「あーい」
「母上、ライル君が目を覚ましちゃうよ」
「そ、そうね!」
コレルから庭へ案内されてしばらく待っていると、ヴァールが王妃のローザを連れてやってきた。
椅子に座ってライルを膝に置いているトワイトの横で、リヒトがライルを覗き込んでいた。それを見てローザは可愛いと褒めっぱなしであった。
リヒトはしーっと口に指を当てて静かにと言う。
「うわあ、リヒト君そういうのも覚えたんですね」
「赤ちゃんらしくすぐ真似をするようになったわ♪」
「この子もすぐ色々と覚えるでしょうね!」
『……♪』
フレイヤがしーっをしているリヒトに目を細めて笑う。真似をするのが仕事みたいなものだとローザが口にしていると、ライルの上にソルとエレノアが乗って来た。
「あら、奇妙なお人形さんですわね? 動いていますけど、ゴーレムかなにかですか?」
「いや、この二体はリヒトとライルの実の両親じゃ」
「ええ……?」
『……!』
ディランが紹介すると、ローザは訝しんだ目を向けた。そこで二人はぺこりとお辞儀をして挨拶をする。
「まあ、なんだか細かく動いて可愛いですわね♪ ローザと言いますよろしくですわ」
「驚かないのですね……」
「母上は割と変なものとか好きだからね。だからザミールの商品を見たいと呼び寄せているわけだし」
ローザが二人と握手するのを見てエメリが脱力した感じで呟いていた。息子のヴァールは昔からそうだとほほ笑んでいた。
「そうですわよ」
「色々あって楽しいですものね」
「そういえばザミールはサリエルド帝国の貴族じゃった。それは知っておったのかのう」
「ザミールさんは――」
「……知っていた。彼自身がそう私に告げていたからな」
「モルゲンロート様」
ディランがローザへ質問を投げかける。返事をしようとした彼女より先に、別の方向から声がかかった。一同が視線を向けるとそこにモルゲンロートが立っており、フレイヤが胸に手を当てて頭を下げた。
「この場は気にしなくて良い。ザミール……ミルザが家を出て商家をすると言ってきたのはもう十年も前のことだ」
「他国からの移住と、先に正体を明かしておくことの二つをわたくしたちに伝えに来たのよね」
「そうじゃったか」
正体は昔から知っており、十二歳のころから商人のところで下積みをしていたとのこと。もし家の者が探しに来ても教えないことなどを懇願していたという。
「まあ、実家は国内に居るものだと思っていたようでこのクリニヒト王国には来なかったがな。祖父が居なくなって帰れるようになったのか」
「そうですね。ご両親は良い方のようでした」
「あの商人が貴族、それも侯爵家だったとは……」
「ま、色々居るってことだよコレル。貴族も人間だし、貴族らしくなんてのはそれこそ貴族が勝手に考えている凝り固まった考えだと思うよ」
「う、むう……た、確かにそうなのか……? いや、しかし……」
ザミールのことを聞いたコレルが複雑な顔で唸っていた。
そんな彼にヴァール「こうやって悩んで自分で出した答えならそれはそれでいいんじゃないか」と笑っていた。
「すぴー」
「しかし、人の気配がこんなにあってそれなりに騒がしいのに寝ている。リヒト君とは違った意味で大物だな」
「あーい♪」
「うぉふ!」
名前を呼ばれたので手を上げて返事をするリヒト。褒められて嬉しかったのかヤクトも尻尾を大きく振って鳴いていた。
「ふあ……」
「あーい?」
「あ、目を覚ましたわ。おはようライル♪」
「あーう? あー♪」
そうこうしているうちに、ライルがふと目を覚ました。リヒトとトワイトが覗き込んで声をかける。するとライルは周囲を見渡した後、元気に笑った。
「知らない大人ばかりなのに泣かないのね」
「そういえばワシらと初めて会った時も泣いておらんわい。リヒトに興味がいっていたからかもしれんが」
「リヒト君も滅多に泣かないですもんね。やっぱり兄弟なんだ」
「あーう♪」
「うぉふ?」
するとライルはヤクトに手を伸ばしていた。なにごとかとヤクトが近づくと、トワイトの腕から抜けてヤクトの背に乗っかった。
「あい♪」
「じゃあリヒトはダルかしら? たまにはルミナスに乗る?」
「わん!」
「あい!」
「わほぉん……」
そしてリヒトがルミナスに乗ると、てくてくと庭を散歩しだした。寝そべってしか乗れないライルと違い、リヒトはきちんとお座りができる。
そんなリヒトはカバンからでんでん太鼓を取り出すと、ポコポコと音を鳴らし始めた。
「あーう♪」
「あーい」
「ぴよー♪」
ライルに聞かせてあげると、ヤクトの背中をポンポンと叩きながらとても嬉しそうに笑っていた。ひよこ達も合流して賑やかな感じになっていた。
「可愛い~」
「双子ね」
近くに居たメイド達も足を止めてその様子を見てほほ笑んでいた。
「いいわねえ。ウチはヴァールがまだお嫁さんを見つけてこないから孫が見れないのよ」
「ローザさんはまだお若いですし、早いのでは?」
「でもあの子たちを見ていると構いたいわ。いい人は居ないのヴァール?」
「おっと、これはいけない。私は部屋に戻って作業をしないと。コレル、行こう」
「あ、ああ」
「あ、待ちなさいヴァール! まったく」
そんなリヒトとライルを見てローザが孫が見たいとヴァールへ視線を向けた。
すると彼は肩を竦めてこの場を逃げるように去っていった。
「ははは。まあ、いいではないかローザ。ひとまずあの子たちでも眺めていよう」
「そうですね。そういえばライル君はリヒト君と違う服ね?」
「ええ。まだ作っていないんですよ。布にドラゴンの鱗を織り込んで作る予定です」
「ではお城の生地を提供しましょう! やっぱりお揃いがいいと思いますわ! それもう少し大きくなったらドラゴンパジャマもいいかもしれないですわね」
ローザがひとまずリヒト達へ目を向ける。そこでライルの服がリヒトとお揃いでないことに気づく。
「ドラゴンパジャマですか?」
「ええ。ドラゴンを模した着る毛布みたいなものです。一度だけあの狼たちみたいな被り物のパジャマをザミールさんが持っていたのを見たことがあります。あれはかわいいと思いますの」
「なるほど。ぬいぐるみばかり考えていましたけど、そういうのもいいですね! 毛は三頭から少しずつもらってもいいし、私の鱗を切って使ってもいいかしら」
「わほぉん」
その時は協力するといった感じでダルがふさふさの尻尾を見せていた。
「リコットちゃんの分まで作ると結構かかりそう。ドラゴンのパジャマがいいかしらね? トーニャちゃんとハバラにも協力してもらって」
「ワシのもええぞ。さて、それではそのトーニャのところへ行くとするか」
「おや、もう行かれるのか? 食事でもと思ったのだが」
「向こうのお家で乳母代わりになっていた娘さんが屋敷にいるんです。久しぶりに会わせてあげたいと思っていて」
「そうなのですね! ではわたくしたちも……」
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