現代に転生した勇者は過去の記憶を取り戻し、再び聖剣を持って戦いへ赴く

八神 凪

文字の大きさ
55 / 115

事件調査部、始動! ……指導?

しおりを挟む

 さて、結愛には公園に通らないように注意を促して登校。
 さらに時は流れて放課後となり、俺達四人は事件調査部へと向かっているところである。あ、スリートに任せてあるからフィオとエリクもすぐに合流予定だ。

 「お疲れ様でーす」
 「ああ、もう放課後か早いな」
 「おつかれい!」
 「あら、若杉刑事が言っていた人かしら?」

 部室に入ると同時に資料に右奥の机に座って目を通していた若杉刑事が俺達に気づき声をかけてくれ、逆サイドの机に座っている男の人がこちらを振り返りながら元気に挨拶をしてくれる。
 年のころは二十代前半ってところかな? 若杉刑事や本庄先生より少し若いって感じ。
 くせっ毛のあるパーマがかった髪を真ん中で分けていて、スーツはきちんと清潔感もあり、結構なイケメン……刑事だと言われれば納得するだろう。

 「紹介するよ、警部補の宇田川 史樹うたがわ しき。今日からこの学校の警戒と事件調査部に協力する人間だ」
 「うっす、宇田川です! いやあ、俺もちょっと前まで高校生だったのに、妙に懐かしく感じるなあ。一応、剣道と柔道、それと射撃の腕は任せてくれ!」
 「お、おう……見た目さわやかなのに口調は豪快なんだな……あ、ですね。俺は神緒修といいます」
 「ははは、よく残念イケメンだとか言われるよ! 敬語は無くていいぜ。しかし面白いな、ここ」

 宇田川さんは俺達のところへ歩いてくると、まず俺に握手をする、

 「お、俺は坂上 霧夜ですだ」
 「田舎者っぽい!? よろしくな!」
 「わたしは興津 真理愛です♪」
 「お、可愛いね! よろしく」
 「私が部長の八塚 怜よ。こっちは飼い猫のスメラギ」
 「ぶにゃー」
 「君のことは聞いているよ、八塚コーポレーションの令嬢だろ?」

 いたのかスメラギ……全然気付かなかったけど、校舎内には居なかったのだろう。

 「その認識でいいわ。異世界の話は?」
 「さっき目を通したぜ。誘拐事件の被害者、八塚ちゃんと、今ここにいない二人が異世界の住人だってことくらいだけどな」
 「……オッケー、それじゃフィオ達が来るまで少し待ちましょうか」

 どうやら口調とは裏腹にしっかり仕事はできそうなタイプだなと思いながら宇田川さんを見ながら椅子に座っていると、俺に目を向けて口を開く。

 「修が……って呼び捨てでいいよな?」
 「ああ、構わないよ」
 「おし。修の前世は異世界で勇者って話も聞いている。それと魔法もな? いっちょ魔法ってやつを見せてくれないか?」
 「俺はいいけど……」

 と、若杉さんを見るとウインクしながら『危なくないやつ』でと訴えていた。それならと、俺は指先に魔力を集中させて一言呟く。

 「<トーチ>」
 「おお!? す、すげぇ……手品……じゃないよな……熱くないし」
 「これでいいか?」
 「サンキュー!」
 「なんでお前が礼を言うんだよ霧夜!?」
 「いや、他の魔法を見たことなかったしな!」
 「いいね、いいね、本庁勤めなんてつまらないと思っていたけど楽しくなってきた! 警部、お誘いいただきありがとうございます!!」
 「お前ならこういうところの方が活躍できるだろうと思ってね。『あっち方面』も強いみたいだし」

 と、笑いながら若杉さんが言ったところで俺は頭にふと疑問が沸く。

 「警部? 刑事じゃなくて?」
 「ああ、一般市民相手なら別になんでもいいんだけど、僕は警部で宇田川の一つ上の階級さ。よくドラマで『刑事』と呼ぶ場合が多いけど、実際には俗称でね。主に犯罪を担当する私服警官をそう呼ぶんだ。昔は巡査とか巡査部長がそう呼ばれていたらしいけど」
 「へえ、そうなんですね。私服の警察官が刑事だと思ってました!」
 「だいたい合ってるけどね、興津ちゃん。で、今日は――」

 と、宇田川さんが話をしようとしたところで入り口が開き、本庄先生が入ってくる。

 「お前……『あっち方面』とはどういう意味だ! まさかえっちなことではないだろうな……!」
 「違う!? 麗香、ちょ、力強っ!?」
 「まだ好きなんだねえ」
 「みたいだな……羨ましい……」
 「せっかくの登場なのに持っていかれたなあ……」

 生暖かい目で二人を見ながら俺達はフィオ達を待つのだった。本庄先生、麗香っていうのか……
しおりを挟む
感想 225

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

処理中です...