60 / 115
日常≠非日常
しおりを挟む「――というわけだから、繁華街にはいかないこと。とは言っても警察の方が見回っているし、恐らく補導されるから行かない方が無難だと言っておこう」
「はーい! 本庄先生の彼氏もそこに居るんですかー!」
「な、何を言う!? 圭はそういうのじゃ――」
「圭っていうんだぁ、カッコいいよね、いいなあ先生」
「くっ……俺の先生が……」
「元々お前のじゃないから安心しろ霧夜。にしても、やっぱりこうなったか。キャバ嬢二人目らしいしな」
「前の殺人からまだ捕まっていないのが驚きだったぜ。若杉さん達も探していたんだろ?」
「母ちゃんが言うにはな。ただ、サラリーマンというだけじゃなかなか難しいよ」
前に情報を渡したらしい母ちゃんの言葉を借りるなら『普通のやつほど怪しい』らしい。繁華街には逐一警邏をしていたらしいけど、まんまとしてやられたと見ていいだろう。
そんな放課後のホームルームを終えて事件調査活動部室へと移動……の前に、少しクラスメイトに話を聞いておこう。
「なあ、ちょっといいか?」
「おう、なんだ神緒? 真理愛ちゃんと八塚さんどっちがいいかって話ならなしだぜ? 殺されるからな」
「知るか。お前、繁華街方面に家があったよな? なんか噂とか聞いたことが無いか?」
霧夜とは違い、たまに遊びに行く男友達に声をかけ、つまらない話を一蹴して尋ねてみると顎に手を当てて少し考えて口を開く。
「……いや、特には無いな。てか、キャバ嬢事件のことだろ?」
「ああ、今日もニュースになっていたし近くなら目撃者とか怪しいやつとか聞いたことが無いか?」
「それが意外と無いんだ。昨日の夜中に起こったらしいけど、キャバ嬢が発見されるまでかなり時間がかかってた、くらいかな?」
「そんなもんか……」
「あんまり喋るなって言われてるのかもしれないし、こんなもんだろ? まあ、今朝は警察とテレビをめちゃ見かけたけどな」
そう言いながら友人は笑いながら教室を出て行いき、霧夜が他の生徒にも聞いてみるも、あまり有力な情報が無いことに嘆息して俺達も教室を出る。
一応、真理愛達を迎えに行くが、教室には居なかったので先に部室へ行くことに。
「真理愛と八塚に期待かな?」
「あの二人、昼休みに来なかったもんな。今も聞き込みをしてそうだぞっと」
「あ、来たわ。シュウ兄ちゃんお疲れ様。霧夜さんも!」
「お、フィオちゃん元気そうだな! エリクも!」
「ああ、霧夜さんおつかれー」
部室にはフィオとエリクが来ていて、ソファに座ってコーヒーを嗜んでいた。周囲を見渡してみるも、若杉さんと宇田川さんはおらず、二人だけだった。
そんな俺の疑問に気づいたのか、フィオがコーヒーを淹れながら俺達へ言う。
「若杉さんと新しい人は電話がかかって来て出て行きましたよ。繁華街とかいうところへ行ってくるんだそうです」
「ああ、向こうに行ったのか。なら、若杉さん経由でなにかわかるかもしれないから、今日は適当にくつろぐか。先生もいないし、外の調査はできないしな」
「だな。ここと外、若杉さん達忙しいよな……」
コーヒーを受け取りながら霧夜が首を振る。まあ、向こう側のことはなるべく俺が片付ければいいだけなので、早いところ情報を手に入れたいところだ。
「ごめん、遅くなったわ」
「やっほー! 修ちゃんごめんね、ちょっと校内で聞き込みをしてたの」
ソファに座ると同時に八塚と真理愛もやってきて慌ただしく部室に入って来る。
「おう、お疲れ。こっちは大した話は聞けなかった。若杉さん達も捜査に出ているらしいぜ」
「あら、そうなの? なら今日は外には出られないか……」
「ぶにゃーん」
「おう、スメラギも来ていたのか」
考える仕草をする八塚の足元にスメラギが居たので抱き上げると、真理愛が入り口に向かって声をかけた。
「千恵美ちゃん、入ってきていいよー!」
「ん? 誰か来ているのか?」
「うん。新聞部の子で、キャバ嬢事件を調べているんだって」
新聞部……なるほど、独自調査でもなにか知っていれば――俺がそう思った瞬間、その女が入って来た
「はーい! 今、ご紹介に預かりました『羽須 千恵美』、新聞部の二年ですよ! 千の恵みを与える美しい女……。それがわたし……!」
「おこがましいわ」
「ああっ!? 魔法のように締め出された!?」
――こいつはきっと役に立たない。俺の勘がそう言っていた……
0
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ダンジョン配信スタッフやります!〜ぼっちだった俺だけど、二次覚醒したのでカリスマ配信者を陰ながら支える黒子的な存在になろうと思います〜
KeyBow
ファンタジー
舞台は20xx年の日本。
突如として発生したダンジョンにより世界は混乱に陥る。ダンジョンに涌く魔物を倒して得られる素材や魔石、貴重な鉱物資源を回収する探索者が活躍するようになる。
主人公であるドボルは探索者になった。将来有望とされていたが、初めての探索で仲間のミスから勝てない相手と遭遇し囮にされる。なんとか他の者に助けられるも大怪我を負い、その後は強いられてぼっちでの探索を続けることになる。そんな彼がひょんなことからダンジョン配信のスタッフに採用される。
ドボルはカリスマ配信者を陰ながら支えようと決意するが、早々に陰謀に巻き込まれ危険な状況に陥る。絶体絶命のピンチの中で、ドボルは自分に眠る力を覚醒させる。この新たな力を得て、彼の生活は一変し、カリスマ配信者を陰から支え、奮闘する決意をする。果たして、ドボルはこの困難を乗り越え、配信を成功させることができるのか?
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~
ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。
そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。
30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。
カクヨムで先行投稿中
タイトル名が少し違います。
魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~
https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる