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調査のために
しおりを挟む八塚の連絡から数十分後に若杉さんと宇田川さんが駆けつけてきたので経緯を説明すると、名刺の裏表を確認していた宇田川さんが神妙な顔で呟く。
「若杉さん、こいつはでかいんじゃないですか?」
「ああ、お手柄かもしれないな。羽須さんだったかな、この名刺預かってもいいかい?」
「ええ、もちろんです! いっぱいありますし」
「手品師か!?」
羽須がスカートをつまんで揺らすと、名刺が舞い落ちてきて霧夜が即ツッコミを入れる。最近ツッコんでばかりだなと思いつつ、若杉さんに声をかける俺。
「とりあえずそういうことだから、こいつが狙われる可能性がかなり高いんだ。八塚カーで帰って、一緒のところを見られたら八塚も危険になる。だからパトカーで送ってもらえると助かるんですけど……」
「そうだね、神緒君の提案で行こう」
「ええ? なんか連行されているみたいで嫌なんですけど……」
「照れながらわがまま言うな!? 若杉さん、連れて行ってください」
「ああ。暗くなってきたし、君達ももう帰るんだぞ? さ、それじゃ羽須さん、自宅まで送るよ」
「おお!? これじゃ私ただのメッセージじゃないですか!? ほら、こうメインに食い込むような情報を持ってきたのに! ああああああ――」
雄たけびは閉じた扉の向こうからもなお聞こえて来ていた。
「……騒がしいやつだな……」
「あいつまた入ってきそうだし、ちゃんと鍵をかけておこう」
「あはは……」
「結構可愛いのに……」
「あれ、エリクはああいうのがいいのか?」
「見た目はね」
それ以上なにも言わず肩を竦めるエリクに頷き、残された俺達は話題を変える。
「繁華街にサラリーマン、か」
「おい、行くとか言い出すなよ? 圭達と一緒ならまだいいが、生徒だけはダメだ。特に女子は近づかない方がいい。私も止められたからな」
キャバ嬢狙いの犯行ではあるが、そもそも女性に恨みを持っているという可能性も捨てきれないと警察は見ているらしい。
なので、ばっちり……とはいかないまでも嬢をやっていそうな年齢の本庄先生なんかは速攻狙われるのではないかとのこと。制服姿の真理愛達ならそうでもないかもしれないけど通りすがりの犯行もあり得る、かと俺は納得する。
「それじゃ、男連中だけで見に行ってみるか?」
「それもアリ、だな。修とエリクがいりゃ魔法でなんとかなるだろうし。先生、それならどうだ?」
「むう……いや、それでもダメだ……せめて宇田川さんとかに相談をしなさい」
「まあ先生がいいとは言えないよな。オッケー、明後日は休みだし、明日の状況を聞いてから出てみよう」
「うう、わたしも行きたいよー」
真理愛が口をへの字にして不貞腐れていると、八塚が真理愛の肩に手を置いて口を開く。
「なら、女子は女子だけで遊ばない? 真理愛とフィオ、ウチにおいでよ」
「あ、いいんじゃないか? 八塚に会いたがっていたし、結愛も一緒にとか」
「もちろんいいわよ!」
「そうだ、もし明後日繁華街に行く許可が出たらスメラギを借りていいか?」
「え? いいけど、なんでまた」
「気にするな、ちょっとスリートと一緒に散歩させるんだ」
俺がそう提案すると八塚も『あ、いいわね』と乗ってくれた。……まあ、いざって時に聖剣を出せるし、あいつの髭は向こうの世界の住人を探すのに役立つ。
そして翌日。
「そういうことなら俺が行くぜ? 若杉さん、どうです?」
「任せるよ。女の子が居ないなら、向こう側の人間を探してもらう名目で動いてくれると助かる。僕達は今から五条グループへ行ってくるから、明日宇田川に連絡をしてくれるかい?」
「オッケー」
宇田川さんとも連絡先を交換し、俺達は繁華街へと向かう。
そう簡単にことが運ぶとは思えないが、休日の羽伸ばしを兼ねてちょっと探ってみるとしますかね――
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