14 / 48
ケース2:ドラゴン
1. サンクサンドルの町 ①
しおりを挟む
「うーん……どうしたものか」
海で死ぬことには失敗し、水中では死ねないという体になってしまったので次の手を考えていたがまるでアイデアが浮かばない。
そりゃそうだ、前世はもちろん転生してからも自殺など考えたことは無かったから、方法を思いつくはずが無いのだ。
ちなみにオーソドックス(と言っていいのか?)である飛び降りはやってみたけど、マンガみたいに地面に穴が開いただけで効果は無かった。後、人を巻き込む可能性があるので、ダメ、絶対。
んで、次は首つりだが、これもダメ。自分で締めるには理性が働いてある一定以上に力が入らず、踏み台を蹴飛ばしてぷらーんとなったが『外部からの攻撃』とみなされるのか、首が超強靭になって締まるどころか……という結末だった。
毒は色々試したいが、簡単に手に入るわけじゃないしな……あ!
「そうだ、久しぶりに町へ行くか!」
海での足こぎボートで荒稼ぎした俺には金がある。たまには買い物でもしよう。お金は使って回さないといけないのだ。何か面白い情報があるかもしれないしな。
ここ何日かオルコスの馬鹿は出てきていないので、このままだったらいいのにと思いつつ外出することにした。
「ちょっと出かけてくるよ、何か必要なものがあったら買ってくるけどー?」
リビングに居た母さんとフィアに声をかけると、こんな答えが返ってきた。
「最近美味しいスイーツの店が出来たらしいから、それをお願いしてもいいかしら? 種類は任せるわ」
「オッケー! じゃあ行ってくる」
俺の家……ルーベイン家から町へは、歩いて15分程度で到着する。アニメとかで貴族の家ってちょっと丘の上みたいな所に建ってるじゃない? ちょうどそんな感じなんだよ。
魔物避けの外壁はあるけど、この辺は大して強い魔物が居ない。戦闘経験の無い俺でもその辺にある角材で撃退できるくらいなのだ。
後は、前にも言った山があるけど、ゴブリン達が守っているので山から魔物が降りてくることは滅多にない。
「ウェイクとアモルはまだ学校か、おやつがてら迎えにいってやろうかな?」
何となく驚く二人の顔を想像して楽しくなってきた。
ま、たまにはいいよなこういうのも。
---------------------------------------------------
しばらく歩き、俺は馴染の店へと足を運ぶ。
ウォード商会という店なんだけど、ここは前世で言うコンビニみたいな店で色々とかゆい所に手が届く品々を置いている。
学生時代は帰りに良く利用してたなあ……学校帰りの買い食いって何か魅力的だよな。
「いらっしゃいませ! あ、クリス様、久しぶりですね」
「こんちはポルタさん。串焼きを一本、それとオレンジジュースを」
「かしこまりました。好きですねえ串焼き」
「ここの串焼きは肉が美味いからね」
今はポルタさん……先代の息子さんがきりもりしているが、先代が家事を取っている時大変な目にあったらしい。
当時、ディアナという女性店員を雇っていたらしく、良く働き笑顔の可愛い人だったそうだ。
ポルタさんと結婚するんじゃないか、そう噂された事もあったし、ポルタさんも先代のウォードさんもノリノリだったとか。
だが、そんな中で事件は起きた。
ディアナが店の売り上げを根こそぎ奪って行方をくらましたのだ。そう、油断させてお金を盗む悪党だった。
ウォードさんはショックで寝込み、そこから仕入れるお金も無く、何とか日を繋ぐ生活の繰り返し。
悩んだポルタさんは、金貸しからお金を借り、安く仕入れる事ができる鶏肉を使って串焼きを始めたのだ。タレにはこだわったらしい。
素人の作った串焼き……不安なスタートだったがこれが大当たりし、串焼きと飲み物がセットで売れ、ちょっとした雑貨もその当時売っていたのでついでに、と雑貨を買っていく人のおかげで何とか立て直したとか。立地も大通りで通学路ということもあり俺を含む学生のおやつ代わりに丁度いいのだ。
なのでこの串焼きは魂のこもった串焼きなのである。ちなみにまだその女は捕まっていないらしい……。
「ポルタさん、こんなこと聞くのも何だけど毒薬って仕入れられないかな?」
何でも屋のイメージがあるのでそれとなく聞いてみた。
「どストレート!? だ、ダメですよクリス様……何に使うか分かりませんけど、きちんと資格を持った人でないと扱えませんからね。ウチのような店には仕入れられません。薬屋とかなら……ああ、忘れてください」
「ふむ、薬屋ね? 行ってみるか……もぐもぐ……」
「しまった余計な情報を!? そして何の臆面もなく店の中でもぐもぐしている!?」
「はは、ポルタさんに聞いたってのは内緒にしとくよ! また来るよー」
青い顔をしたポルタさんを背に俺は腹ごしらえを済ませ、尚も町を歩く。
「(まあ薬屋に行ったところで売ってくれるとは思えないけど、金を積めば? いやいや、そんな悪い事はできんな……)」
作戦を考えながらしばらく歩いていると、行列を発見する。
「甘い匂い……これが新しいスィーツの店か?」
行列の先頭を見てみるとケーキやクッキーなどのお菓子がずらりと並んでいた。職人さんがバタバタと商品を並べていた。
さて、諸君。並ぶ、という行為についてどうお考えだろうか? 時間が勿体ない、いつでも買えると言った意見もチラホラ聞くことがあるが、俺は嫌いじゃない。そして新商品という響きも好きだし、限定品という言葉にも弱い現代の日本人気質なのだ。
「つい並んじゃうよね……」
きっとこれが母さんに頼まれていない列だったとしても俺は並んだであろう。どうも今日から「新商品」とやらがあるらしいからだ。
「すいすい進むな、ここのお店はきっと優秀に違いない……」
そして俺の番。
「いらっしゃいませー! おみやげですか?」
「ああ、やっぱ男一人で買いに来るのは珍しいか?」
開口一番おみやげと断定されたので聞いてみた。確かに周りには女の子が多い。
「そうですね、カップルとかですと近くの公園とかで食べたりするので、男性お一人の場合は家族や帰ってから食べる方が多いみたいですから! カップル……なんであたしには……」
何かカップルに恨みでもあるのか、急に目から光彩が無くなり、ぶつぶつと指を噛んで呟きはじめた。
「え、ええっと。このモモのケーキとベリーかな? この二つをホールで。それとそっちのクッキーを二袋いいかな?」
ヤバい雰囲気を感じ取った俺は、急いで商品を選び包んでもらう。その間も目の光彩は帰ってこなかった。
「ありがとうございましたー!」
別の店員に見送られ、店を後にする。手首を掴まれて「……あなたもリア充なんですか?」と言われた時には死ぬかと思った。あ、それでも良かったのか。
次はどこへ行くか、ケーキを買ったから長居は出来ないなと思っていると見知った顔が向こうから歩いて来た。
「あ! お兄様!」
「ホントだ、家から出てるなんて珍しいね!」
ウェイクが俺の心に傷を負わせるが悪気はない。無いが痛い。
「おう、後から迎えに行こうかと思ったんだが早かったんだな?」
「今日は早く終わる日だったんですの。あら、お菓子ですか?」
アモルがいち早くお菓子に気付き俺の周りをウロウロする。やはり女の子だなあ。
「ああ、母さんに頼まれてオープンしたばかりの店で買ってきたんだ。今日のおやつはこれだな」
「やったぁ! あそこ、いつも並んでて買えないって友達が言ってましたの! 明日自慢できますわね!」
「ベリーのケーキが美味しそう、早く帰って食べよう!」
「おいおい、引っ張るなよ」
そのまま、ウェイクとアモルに引っ張られて俺は町を後にした。
ケーキは本当に美味しく、フルーツは生のモノを使っているので日持ちはしないが風味と味は絶品だった。
「また買ってくるかな」
俺が呟くと、家族みんなが大喜びだった。
夕飯では双子の学校での話に耳を傾け、お風呂に入り、歯を磨いた俺は早々にベッドへ潜る。
「今日はオルコスのヤツが出てこなかったな……いつもこうなら自殺なんてしなくて済むんだけど……」
ん? 自殺?
俺はガバッと布団を跳ね除け、あることを思いだした。
「そうだ! 毒薬!」
しかし、とっくに店は閉まっている時間だった。
---------------------------------------------------
町に出かけたクリスは流されるまま家へと帰ってしまった。
予定されていたイベントは次回でちゃんと消化されるのだろうか?
そして、お菓子屋の店員に一体何があったというのか?
次回『サンクサンドルの町 ②』
ご期待ください。
※次回予告の内容とサブタイトルは変更になる可能性があります。予めご了承ください。
海で死ぬことには失敗し、水中では死ねないという体になってしまったので次の手を考えていたがまるでアイデアが浮かばない。
そりゃそうだ、前世はもちろん転生してからも自殺など考えたことは無かったから、方法を思いつくはずが無いのだ。
ちなみにオーソドックス(と言っていいのか?)である飛び降りはやってみたけど、マンガみたいに地面に穴が開いただけで効果は無かった。後、人を巻き込む可能性があるので、ダメ、絶対。
んで、次は首つりだが、これもダメ。自分で締めるには理性が働いてある一定以上に力が入らず、踏み台を蹴飛ばしてぷらーんとなったが『外部からの攻撃』とみなされるのか、首が超強靭になって締まるどころか……という結末だった。
毒は色々試したいが、簡単に手に入るわけじゃないしな……あ!
「そうだ、久しぶりに町へ行くか!」
海での足こぎボートで荒稼ぎした俺には金がある。たまには買い物でもしよう。お金は使って回さないといけないのだ。何か面白い情報があるかもしれないしな。
ここ何日かオルコスの馬鹿は出てきていないので、このままだったらいいのにと思いつつ外出することにした。
「ちょっと出かけてくるよ、何か必要なものがあったら買ってくるけどー?」
リビングに居た母さんとフィアに声をかけると、こんな答えが返ってきた。
「最近美味しいスイーツの店が出来たらしいから、それをお願いしてもいいかしら? 種類は任せるわ」
「オッケー! じゃあ行ってくる」
俺の家……ルーベイン家から町へは、歩いて15分程度で到着する。アニメとかで貴族の家ってちょっと丘の上みたいな所に建ってるじゃない? ちょうどそんな感じなんだよ。
魔物避けの外壁はあるけど、この辺は大して強い魔物が居ない。戦闘経験の無い俺でもその辺にある角材で撃退できるくらいなのだ。
後は、前にも言った山があるけど、ゴブリン達が守っているので山から魔物が降りてくることは滅多にない。
「ウェイクとアモルはまだ学校か、おやつがてら迎えにいってやろうかな?」
何となく驚く二人の顔を想像して楽しくなってきた。
ま、たまにはいいよなこういうのも。
---------------------------------------------------
しばらく歩き、俺は馴染の店へと足を運ぶ。
ウォード商会という店なんだけど、ここは前世で言うコンビニみたいな店で色々とかゆい所に手が届く品々を置いている。
学生時代は帰りに良く利用してたなあ……学校帰りの買い食いって何か魅力的だよな。
「いらっしゃいませ! あ、クリス様、久しぶりですね」
「こんちはポルタさん。串焼きを一本、それとオレンジジュースを」
「かしこまりました。好きですねえ串焼き」
「ここの串焼きは肉が美味いからね」
今はポルタさん……先代の息子さんがきりもりしているが、先代が家事を取っている時大変な目にあったらしい。
当時、ディアナという女性店員を雇っていたらしく、良く働き笑顔の可愛い人だったそうだ。
ポルタさんと結婚するんじゃないか、そう噂された事もあったし、ポルタさんも先代のウォードさんもノリノリだったとか。
だが、そんな中で事件は起きた。
ディアナが店の売り上げを根こそぎ奪って行方をくらましたのだ。そう、油断させてお金を盗む悪党だった。
ウォードさんはショックで寝込み、そこから仕入れるお金も無く、何とか日を繋ぐ生活の繰り返し。
悩んだポルタさんは、金貸しからお金を借り、安く仕入れる事ができる鶏肉を使って串焼きを始めたのだ。タレにはこだわったらしい。
素人の作った串焼き……不安なスタートだったがこれが大当たりし、串焼きと飲み物がセットで売れ、ちょっとした雑貨もその当時売っていたのでついでに、と雑貨を買っていく人のおかげで何とか立て直したとか。立地も大通りで通学路ということもあり俺を含む学生のおやつ代わりに丁度いいのだ。
なのでこの串焼きは魂のこもった串焼きなのである。ちなみにまだその女は捕まっていないらしい……。
「ポルタさん、こんなこと聞くのも何だけど毒薬って仕入れられないかな?」
何でも屋のイメージがあるのでそれとなく聞いてみた。
「どストレート!? だ、ダメですよクリス様……何に使うか分かりませんけど、きちんと資格を持った人でないと扱えませんからね。ウチのような店には仕入れられません。薬屋とかなら……ああ、忘れてください」
「ふむ、薬屋ね? 行ってみるか……もぐもぐ……」
「しまった余計な情報を!? そして何の臆面もなく店の中でもぐもぐしている!?」
「はは、ポルタさんに聞いたってのは内緒にしとくよ! また来るよー」
青い顔をしたポルタさんを背に俺は腹ごしらえを済ませ、尚も町を歩く。
「(まあ薬屋に行ったところで売ってくれるとは思えないけど、金を積めば? いやいや、そんな悪い事はできんな……)」
作戦を考えながらしばらく歩いていると、行列を発見する。
「甘い匂い……これが新しいスィーツの店か?」
行列の先頭を見てみるとケーキやクッキーなどのお菓子がずらりと並んでいた。職人さんがバタバタと商品を並べていた。
さて、諸君。並ぶ、という行為についてどうお考えだろうか? 時間が勿体ない、いつでも買えると言った意見もチラホラ聞くことがあるが、俺は嫌いじゃない。そして新商品という響きも好きだし、限定品という言葉にも弱い現代の日本人気質なのだ。
「つい並んじゃうよね……」
きっとこれが母さんに頼まれていない列だったとしても俺は並んだであろう。どうも今日から「新商品」とやらがあるらしいからだ。
「すいすい進むな、ここのお店はきっと優秀に違いない……」
そして俺の番。
「いらっしゃいませー! おみやげですか?」
「ああ、やっぱ男一人で買いに来るのは珍しいか?」
開口一番おみやげと断定されたので聞いてみた。確かに周りには女の子が多い。
「そうですね、カップルとかですと近くの公園とかで食べたりするので、男性お一人の場合は家族や帰ってから食べる方が多いみたいですから! カップル……なんであたしには……」
何かカップルに恨みでもあるのか、急に目から光彩が無くなり、ぶつぶつと指を噛んで呟きはじめた。
「え、ええっと。このモモのケーキとベリーかな? この二つをホールで。それとそっちのクッキーを二袋いいかな?」
ヤバい雰囲気を感じ取った俺は、急いで商品を選び包んでもらう。その間も目の光彩は帰ってこなかった。
「ありがとうございましたー!」
別の店員に見送られ、店を後にする。手首を掴まれて「……あなたもリア充なんですか?」と言われた時には死ぬかと思った。あ、それでも良かったのか。
次はどこへ行くか、ケーキを買ったから長居は出来ないなと思っていると見知った顔が向こうから歩いて来た。
「あ! お兄様!」
「ホントだ、家から出てるなんて珍しいね!」
ウェイクが俺の心に傷を負わせるが悪気はない。無いが痛い。
「おう、後から迎えに行こうかと思ったんだが早かったんだな?」
「今日は早く終わる日だったんですの。あら、お菓子ですか?」
アモルがいち早くお菓子に気付き俺の周りをウロウロする。やはり女の子だなあ。
「ああ、母さんに頼まれてオープンしたばかりの店で買ってきたんだ。今日のおやつはこれだな」
「やったぁ! あそこ、いつも並んでて買えないって友達が言ってましたの! 明日自慢できますわね!」
「ベリーのケーキが美味しそう、早く帰って食べよう!」
「おいおい、引っ張るなよ」
そのまま、ウェイクとアモルに引っ張られて俺は町を後にした。
ケーキは本当に美味しく、フルーツは生のモノを使っているので日持ちはしないが風味と味は絶品だった。
「また買ってくるかな」
俺が呟くと、家族みんなが大喜びだった。
夕飯では双子の学校での話に耳を傾け、お風呂に入り、歯を磨いた俺は早々にベッドへ潜る。
「今日はオルコスのヤツが出てこなかったな……いつもこうなら自殺なんてしなくて済むんだけど……」
ん? 自殺?
俺はガバッと布団を跳ね除け、あることを思いだした。
「そうだ! 毒薬!」
しかし、とっくに店は閉まっている時間だった。
---------------------------------------------------
町に出かけたクリスは流されるまま家へと帰ってしまった。
予定されていたイベントは次回でちゃんと消化されるのだろうか?
そして、お菓子屋の店員に一体何があったというのか?
次回『サンクサンドルの町 ②』
ご期待ください。
※次回予告の内容とサブタイトルは変更になる可能性があります。予めご了承ください。
0
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる