俺とエルフとお猫様 ~現代と異世界を行き来できる俺は、現代道具で異世界をもふもふネコと無双する!~

八神 凪

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その76 亜人種大集合!

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 <見えたわ、あれが大樹よ>
 「ふえー、大きいですねえ」
 「だな、結構長いこと生きている樹だぞ、これは……」

 シュネの背から見上げると、ひときわ幹が太く、少し頭が出ている樹を確認し、真弓と俺は感嘆の声を上げた。樹齢で行くとミネッタさんと同じくらいかもなどと、木のことをよく知りもしないで考えてしまうくらい立派だった。

 「もう揃っているみたいね」
 「でかい蝸牛に兎……あれが他の精霊か?」
 <そうだ。ノームとホビットの精霊か……久しぶりに会うな>
 <私なんて消えてたからねえ>

 シュネが嬉しそうな声を出し、一気に加速して木の根元へと到着する。
 そこにはミネッタさんとウィーキンソンさんに加えて知らないメンツがこちらを見て声をかけてきた。

 「ふむ、本当に人間じゃ……あんたがスミタカかのう? ワシはノームの長老でペタじゃ、よろしく頼むわい」
 「へえ、いい男じゃん? アタシはホビットの長でイチヤだ、よろしく頼むぜスミタカ!」
 「あ、ああ、よろしく頼む」

 髭の凄い温和な顔をした爺さんと真弓より少し身長の低い女の子がそれぞれ自己紹介をし、握手を求めてきたのでそれに応じると、でかい蝸牛と兎も寄ってきた。

 <やあ、僕はノームの精霊だよ。大変なことになったけど、まあなんとなるよ>
 「のんびりしてるなあ……」
 <蝸牛精霊はいつもこんな調子よ。わたしはホビットの精霊よ、よろしくね>
 「こちらこそ」
 「うさぎさんも大きくてフカフカですねえ……わたしは真弓と言います!」

 こちらは澄んだ穏やかな声をしていて、前足を差し出してきたので応じていると真弓が背中に抱きついて顔を埋めていた。怖いもの知らずだな相変わらず……そう思っていると、ネーラとフローレ

 「真っ白で素敵ね、エルフのノーラです」
 「フローレですよ! やっぱり人間の首をその前歯でやっちゃうんですか?」
 <あら、ありがと♪ うーん、殺し合いは苦手よ?>
 <僕は僕は!?>
 「「「蝸牛はちょっと……」」」
 <うわーん!!>
 「うわ!? 俺にすり寄ってくるな!?」

 大人気の兎精霊を見て、嬉々として女性陣に声をかけるがやはり女の子が蝸牛に可愛さを見出すのことはそれほど多くないため、にべもなく返されていた。俺はべとべとだ。

 「まあまあ、とりあえずこれで全員かの? それでミネッタさん、もう少し詳しい状況をお伺いしたいのじゃが」
 「うむ、お猫様とお犬様が人間の大陸に近い北の岬に行ったところ、人間達が結界を中和して侵入してきたところを目撃したのじゃ」
 <ええ? 僕はなにも感じなかったよ?>
 <わたしだわ。……特殊な人材でも居るのかしら?>
 「流石に三千年もあればそれくらいの技術はできると思うぞ、問題は向こうの文化レベルだ。もし戦いになった場合、向こうの武器が圧倒的に強力なら勝ち目がない」
 「確かに、飯を食って強くはなったが弓矢で攻め切られたらオーガはきついぜ」

 自慢の斧を撫でながら身震いするリュッカは俺が持つ道具を見ているため有り得ると考えているようだ。そこでノームのペタさんが問う。

 「では罠を張るか? 穴掘りなら得意じゃぞ」
 「エルフは弓矢を量産しよう」
 「ああ、各自できることは全力でやるつもりだ。上陸してきたところを奇襲すればびっくりして逃げるだろう、そこで数人捕虜にすればうかつに手出しはしてこない……はずだ」

 使い捨ての人員ならその可能性もあるため、油断はできない。だが、全ての可能性を考慮していたら身動きがとれないので選択肢として覚えておくくらいでいいだろう。

 「それとこっちには精霊もいるからそこを主軸に戦略を組み立てるしかない」
 「ワシらが敗れたらどうする?」
 「……あまり考えたくはないけど、まず女性と子供はエルフ村で待機させる。もし、劣勢ならその時点でエルフ村に連絡できる人を寄越し、真弓が俺の家へ先導。そのまま開いている家屋へ移動させようと思っている」

 戦いができる人はなるべく出てもらう、と付け加えたら真弓が俺の腕を掴んでいう。

 「そ、それは聞いていないですよ!? 先輩は戦いに行くんでしょ! だったらボクも――」
 「俺は親父達の無念を晴らしたいから、行くんだ。お前しか向こうの世界を知らないんだ、分かってくれ」
 「そ、そんなあ……」
 「大丈夫、私が守るから!」
 「ですね!」

 肩を落とす真弓にネーラとフローレが肩に手を置いてそんなことを言う。俺としては二人にも残って欲しいのだが、ネーラは弓、フローレは魔法が上手く扱えるのでギリギリまでは戦ってもらいたい。

 <じゃあ僕はみんなの盾になるね。この殻は物凄く硬いんだ>
 <攪乱ならわたしね。猫と犬ほど爪も牙も鋭くないし>
 「前歯……」
 
 フローレがぽつりと呟くがスルーされ、他にも色々と決めていく中、ベゼルさんが到着した……のだが――

 『話は聞かせてもらったわ! 人間を滅亡させればいいのね!』

 ――何故か湖の精霊、ディーネが来ていた。

 「いやあ、スミタカ達が来ないのがご不満のようでね。先を急いでいると言ったらついてくると聞かなくて」
 『そりゃそうでしょ、この杖を修復してくれた恩人に報いないと精霊の名が廃るわ』
 「それはありがたいが……滅亡はさせなくていい。島に手を出すメリットが無いと思わせるくらいやり合えば追っ払えるだろ」
 『むう、数人首を狩って、浜辺に置いとけばいいんじゃない?』
 「怖いよ!? ……いや、というかお前動けるんだな?」
 『ええ、空気中の水分を介して移動できるわ、この杖があれば持続できるのよ』

 ふむ、そういえば結界も張れるんだっけ? ひとつ閃いたことがあるので、それをやってもらうか……?
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