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寝耳に水の話に、そんなわけないじゃないですか!と孝太郎は声を張り上げる。
「じゃあ……どうしてライン、何通しても返してくれないんですか。電話も出ないし……1回返事遅くて怒らせましたか。なんで……昨日狐塚さんと遊びに行ったんですか。どうしてぼくのこと忘れるって言うんですか」
涙声の春にそう聞かれて孝太郎は戸惑いながら答える。
「ライン、来てません。電話も……」
「しました!!」
孝太郎はあわてて春のトーク画面を開いて、春に見せる。すると本当に春からラインは来ていなかった。春は孝太郎の枕の下に入れていたスマートフォンを取り出し、自分のトーク画面を見せる。そこには春が送ったたくさんのメッセージが溢れていた。孝太郎は戸惑いながらもう1度自分のラインを確認する。するとブロック中、となっているのを見つけた。孝太郎はさぁっと青ざめて慌てて春に謝った。
「すみません!! 操作ミスでブロックになってたみたいです!! すみません! 本当にごめんなさい!!! ごめんなさい!!」
「電話は?」
「かかってませんが、まさか」
孝太郎が確認すると、春の電話番号が拒否設定になっていた。慌てふためく孝太郎に春は尋ねた。
「孝太郎くんがしたんですか?」
「するわけないです!! おれ1日春さんから連絡なくて悲しくて、今日ずっとへこんでたんですから!でも忙しいなら邪魔しちゃいけないって我慢してて、でももしかしたらお腹すいてるかもってご飯の用意買ってきて……寂しかったです。めちゃくちゃ寂しくて、死にそうでした」
そう言って抱きついてきた孝太郎を春が抱きしめ返す。
「ぼくのこと好きですか」
「好きなんて言葉だけで言い表せないくらい夢中です。知ってるでしょ」
でも……と言い淀んだ春が意を決したように孝太郎に尋ねた。
「大阪にいたとき狐塚さんとセックスしてたんですよね?」
春の言葉に孝太郎の顔色が変わる。その素直な反応に春はそれが事実であったことを確信させられた。
「ぼくにはただの先輩って言ったのに……」
そう春が責めると孝太郎は、違うんです、と繰り返した。
「してないんですか」
「それは……しました。でも1回だけなんです。それっきりで……。付き合ってたわけじゃありません! ただの先輩って言ったのは嘘じゃないです、本当に……本当です」
春が黙っていたら孝太郎は、ごめんなさい、と言った。
「春さん、嫌や。そんな目で見ないでください。ごめんなさい。引かないでください……」
孝太郎は叱られた子供みたいに、ごめんなさい、と、繰り返し縮こまる。
「どうして言ってくれなかったんですか」
「知られたくなかったんです。そんなことしたって……それに終わった話やから……」
そう語尾を濁した孝太郎に春が怒った。
「終わってません!! 毎日一緒に通勤して、昨日なんて一緒に遊びに行ってたのにどこが終わってるんですか!!! もう、もう……」
春は、ふー、と深いため息をついて、帰ります、と言った。そして起き上がり、ベッドに下に手を伸ばしたがそれより早く孝太郎は春の服を奪った。
「嫌や、帰らないで下さい! まだ話終わってないやないですか!」
「……服、返してください」
「嫌です! だって返したら帰っちゃうじゃないですか! お願いします。許してください……おれが店、辞めて明さんと会わんようにしたら許してくれますか」
孝太郎の言葉に春はぎょっとしたように目を丸くする。
「そんなこと望んでません。孝太郎くんを贔屓にしてるお客さんもいるのに……」
「お客さんは次の店についてきてもらいます。近くなら、大抵は来てくれます。ホストってそういうものですから」
「辞めなくていいです。ちょっと1回帰って、落ち着いて考えます。冷静になりたいです」
春がそう言って孝太郎から服を奪い返そうとしたが孝太郎は春の服を離さなかった。
「じゃあ……どうしてライン、何通しても返してくれないんですか。電話も出ないし……1回返事遅くて怒らせましたか。なんで……昨日狐塚さんと遊びに行ったんですか。どうしてぼくのこと忘れるって言うんですか」
涙声の春にそう聞かれて孝太郎は戸惑いながら答える。
「ライン、来てません。電話も……」
「しました!!」
孝太郎はあわてて春のトーク画面を開いて、春に見せる。すると本当に春からラインは来ていなかった。春は孝太郎の枕の下に入れていたスマートフォンを取り出し、自分のトーク画面を見せる。そこには春が送ったたくさんのメッセージが溢れていた。孝太郎は戸惑いながらもう1度自分のラインを確認する。するとブロック中、となっているのを見つけた。孝太郎はさぁっと青ざめて慌てて春に謝った。
「すみません!! 操作ミスでブロックになってたみたいです!! すみません! 本当にごめんなさい!!! ごめんなさい!!」
「電話は?」
「かかってませんが、まさか」
孝太郎が確認すると、春の電話番号が拒否設定になっていた。慌てふためく孝太郎に春は尋ねた。
「孝太郎くんがしたんですか?」
「するわけないです!! おれ1日春さんから連絡なくて悲しくて、今日ずっとへこんでたんですから!でも忙しいなら邪魔しちゃいけないって我慢してて、でももしかしたらお腹すいてるかもってご飯の用意買ってきて……寂しかったです。めちゃくちゃ寂しくて、死にそうでした」
そう言って抱きついてきた孝太郎を春が抱きしめ返す。
「ぼくのこと好きですか」
「好きなんて言葉だけで言い表せないくらい夢中です。知ってるでしょ」
でも……と言い淀んだ春が意を決したように孝太郎に尋ねた。
「大阪にいたとき狐塚さんとセックスしてたんですよね?」
春の言葉に孝太郎の顔色が変わる。その素直な反応に春はそれが事実であったことを確信させられた。
「ぼくにはただの先輩って言ったのに……」
そう春が責めると孝太郎は、違うんです、と繰り返した。
「してないんですか」
「それは……しました。でも1回だけなんです。それっきりで……。付き合ってたわけじゃありません! ただの先輩って言ったのは嘘じゃないです、本当に……本当です」
春が黙っていたら孝太郎は、ごめんなさい、と言った。
「春さん、嫌や。そんな目で見ないでください。ごめんなさい。引かないでください……」
孝太郎は叱られた子供みたいに、ごめんなさい、と、繰り返し縮こまる。
「どうして言ってくれなかったんですか」
「知られたくなかったんです。そんなことしたって……それに終わった話やから……」
そう語尾を濁した孝太郎に春が怒った。
「終わってません!! 毎日一緒に通勤して、昨日なんて一緒に遊びに行ってたのにどこが終わってるんですか!!! もう、もう……」
春は、ふー、と深いため息をついて、帰ります、と言った。そして起き上がり、ベッドに下に手を伸ばしたがそれより早く孝太郎は春の服を奪った。
「嫌や、帰らないで下さい! まだ話終わってないやないですか!」
「……服、返してください」
「嫌です! だって返したら帰っちゃうじゃないですか! お願いします。許してください……おれが店、辞めて明さんと会わんようにしたら許してくれますか」
孝太郎の言葉に春はぎょっとしたように目を丸くする。
「そんなこと望んでません。孝太郎くんを贔屓にしてるお客さんもいるのに……」
「お客さんは次の店についてきてもらいます。近くなら、大抵は来てくれます。ホストってそういうものですから」
「辞めなくていいです。ちょっと1回帰って、落ち着いて考えます。冷静になりたいです」
春がそう言って孝太郎から服を奪い返そうとしたが孝太郎は春の服を離さなかった。
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