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色々と話してから店を出る。

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「怒らずに聞いてね?」
「怒らないよ。」
彼女は心配性らしい。
「あなたは悲しい目をしていたわ。世界に色がないような、生きる意味を失っているような。私は勝手にそう思った。」
彼女は下を向いた。
「ごめんなさい。失礼なこと言って。」
「いいんだ。実際その通りだよ。」
 彼女は再び話を続けた。
「あそこの公園には野良猫がいるでしょう?」
「うん。近所のおじいさんが勝手にエサをあげてるんだ。」
「いつもは色のない目をしているあなたが、猫と触れ合う時だけは優しい目になっていた。そしてあなたは猫に何か語りかけていたわ。内容はわからないけど、謝っているように見えた。その時に思ったのよ、あなたは"優しい心を持っている人だ"って。前に内緒と言ったのはこの話。」
「でもどうして内緒だったの?」
「だってストーカーみたいじゃない。陰から一方的に見てるなんて。」
彼女は恥ずかしそうに下を向いた。
 沈黙の後、僕は彼女に聞いてみた。
「動物は好き?」
「好きよ。」
彼女は儚げな表情で答えた。
「そろそろ行きましょうか。」
「そうだね。」
 僕は奢ろうとしたが、彼女はそれを許してはくれなかった。2人で半額ずつ払い会計を済ませると店を後にした。そして僕らは適当な方角に歩き始めた。
「これからどうする?」
「このまま歩いてみましょう。」
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