僕らは不完全な世界で猫を撫でる。

”人は不完全だからこそ美しい。”
子どもの頃にそんな言葉を聞いたが、意味はよく分からなかった。

 10歳で生きる意味を失い”不完全”な人間になった僕は、高校で一人の女の子に出会う。同級生は男女問わず彼女に魅了されていた。彼女は"完全"だ。

 僕はベンチに座って、ただ時が過ぎるのを待っていた。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,107 位 / 184,107件 現代文学 7,827 位 / 7,827件