お隣どうしの桜と海

八月灯香

文字の大きさ
31 / 76

恥ずかしい

しおりを挟む

桜と婚約した俺だけど、
ここにきてなんか知らんが恥ずかしいという感情が爆発している。

そう、秀一がいまだに三上君と付き合ってるって意識すると茹蛸になるアレ。

“父さんと母さん達には内緒”

秀一達と会ったあの後、桜と交わした約束。
俺から言い出した癖に俺の恥ずかしいを盛大に盛り上げてくる。


例えば夕飯後にリビングで皆んなでテレビ見るとするだろ?

桜が普通に隣に座るだろ?

意識するだろ?

もう途端に距離をとってしまう。

なんとなく俺達の異変に気が付いた母さんにこそっと「なに、シグ君と喧嘩でもした?」って聞かれる。

「喧嘩なんかしてないよ!むしろ仲良くなり過ぎた感じかなっ!」

…なんて言えない…。

「思春期…」

って返してしまった…

違うんだ、何が違うかわかんないけど、意識してないと普通にいつもよりべっっったりしてしまうんだよ!!!


リビングのソファで隣に居るとくっ付きたくなって桜の肩に頭つけたりしちゃう。
後ろから見たら公園のベンチで彼氏の肩に頭乗せてるカップル状態になる。


桜が椅子に座ってると背もたれと桜の間に挟まりたくなるし、桜が近くに居ると匂いかいだりしてるのに匂い嗅いでから気が付くんだよぉ!!!


つまりは親の前でも完全に頭が沸いてる状態になってしまう。
しかも、怖い事に無意識に勝手に身体がそうなってしまうんだって!


何なら桜はバレていいと思ってるから親がいる場面でも親の目を盗んでチューしてこようとする。

俺はまだオープンにはなれないしこれからも無理な気がする。

だからもう物理的に距離取っちゃうんだけど、桜がそれをあんまりにも甘い目で見てくるから距離とっても目が合うと耳まで真っ赤になるんだよ…こ………このやろぉおおお………

「海君具合悪い?」とか菜奈ちゃんにも心配されるし…
「身体は元気だけど頭の具合がわるい」って返事してしまった…

それ聞いて桜が声出して笑ってるし…

だからもうご飯会終わると俺は疲労困憊状態にここ一週間はなってる…。

桜の部屋に行くのもなんか変に緊張しちゃって行かなくなっちゃったもんだから、桜が俺の部屋に入ってくる。
鍵閉めててもお構いなしだし…

遂にはクマのぬいぐるみ置いたのも「却下」つって入ってくる。

そうするともう恥ずかしいにやられて俺はとりあえず布団にくるまって蓑虫状態になる。
桜はその蓑虫を抱きしめて機嫌良くしてるし…。

あんだけセックスしておいて何だそれってなるけど、桜が本当に俺の事好きなんだなって思うと叫びたくなる状態になってる。
こんな事になるなんて自分が一番驚いてるわ!


そして二人きりの時は桜がそんな状態の俺の事を察して抱きしめてくれたりする。


「ぅぅ………ごめんな桜…」


今は俺の部屋で映画つけながら桜の背中に貼り付いて恥ずかしさと二人きりだからくっついていたすぎて桜に抱きついてる。
あれよ、バックドロップ寸前みたいなしがみつき方で。
バックドロップなんて出来ないけど。

おっきい背中にほっぺたくっつけて桜を堪能している。

はぁ…いい背中…


「海?ちょっといい?」

と母さんが部屋のドアをノックしたから、俺は飛び上がって勉強机の椅子に飛び乗って
盛大にガタガタと椅子が音を立て、更に

「ぅあい!!!」

って上擦った返事を返してしまい、桜が俺のその状態にめちゃくちゃ笑ってる。

「何アンタ…明日歯医者行くんだけど海の歯科検診予約してきていい?」

「大丈夫ですよろしくお願いします…」

もう本当恥ずかしくて死にたい…
これいつになったら収まんの………


桜は「海が俺をちゃんとそういうふうに意識してるんだなって思えて嬉しい」って言ってた。


ベッドで一緒に布団にくるまってると安心する。
桜の隣でくっついて寝てると気持ちいい。

桜が柔和な眼差しで見つめてくると頭がふわふわしてくる。

大きな手で俺を大事なものだって言ってるみたいに抱きしめてくるし。
言葉でも大事だよって言ってくれる。

桜が俺にそういう事を改めて伝えてくれるたびにちょっと泣きそうになる。

俺は桜への気持ちをなんとかやり過ごそうとしたのに、桜は言葉にしてくれた。

「俺、桜の事好き」


俺もできるだけ桜に伝えようと思う。






「矢作さぁ…ちょっと話聞いてくんねぇ。」

昼休みに矢作を人気の無い所に呼び出す。

「海君遂に僕に愛の告白でもすんの?」

「しねえよお前彼女いるだろ。」

「いなかったらすんのかい。
えなちゃんに海君の写真見せたらこれは浮気しても仕方ないって言ってたよ。」

矢作の彼女は腐女子だ。
なんか俺と矢作が一緒に撮った写真見て妄想凄いしてるとか聞かされた。

「案外、奨真君がウケで海君が可愛い系なのにバチバチの攻めとかがいいわー」
とか言ってるらしい。
俺は矢作の尻は掘りたくない、矢作に掘られるのも嫌だけど。


屋上に続く踊り場は案外、人が来なくて穴場だったりする。

矢作に購買で買ったパックジュースを渡した。

「オッ、フルーツミックス。
海君わかってるぅ!あんがと。
で、どうしたの。
遂に女の子諦めてソールバルグさんと付き合いでもした?」

ふざけた声で矢作が笑いながら言ったもんだから俺は驚いて矢作の顔を見た。
そして矢作は驚いた俺の顔を見て驚いた。

「ま…じ…のやつ…?
え、海君が卒業式お姫様抱っこされて校門出て行くやつじゃん。」

思わず矢作の腕を叩く。

「アッ!いたい!暴力反対!」

耳が熱い、もうダメだ。
俺は顔面を両手で覆った。

「あれ、ちょっと海君、もしかして僕のエロセンサー間違ってなかったって事!?」

「あん時は付き合ってねーわ!」

間違ってない。
付き合ってないけどヤッてた。
お前のエロセンサーに狂いは無い。

「おほ、でも彼女じゃ無いけど在学中にコイビト出来たじゃん。」

「コ…」

コイビト………

「海君ニワトリになった?顔がさっきよりトサカみたいに真っ赤になってるけど大丈夫?」


もう矢作に何も言い返せない…クッソ………


「揶揄ってるわけじゃ無いって。
でも海君、初恋が変な事なって散ったって言ってたけど、初恋やり直した感じあってそれはそれでグッとくるね。」

矢作がニコニコしながら肩を組んでくる。

「…ありがと。」

そうだなー、改めて俺もそう思う。
俺の初恋は桜。

そして大人になった桜を改めて好きになってる。
 
同じ人に初恋やりなおし、なんかいいな。

矢作が嫌にすんなり受け入れるから、偏見無いのか聞いたら

「今はえなちゃん以外考えらんないけど、僕だって股間が反応しちゃう同性と出会うかもなんてわかんないだろ?
それに海君の場合、ソールバルグさんみたいな綺麗な人と海君だからなんかそこがくっついたって言われてもへーとしか思ってないな。
ソールバルグさん海君が呼んで断ったの聞いた事ないし、すぐ来るし。」

矢作がずごご、とストローから激しい音を立てる。

「はーうめーご馳走様。
まぁ、他の人になんか言われるかもしれないけど、ソールバルグさんがそういうの成敗してくれそうだしな。」

「俺、矢作が友達でマジよかった。」

惚れ直すだろ?ダメだよ海君、ソールバルグさんに俺が殺されるから。

と矢作がふざけていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)

星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。 団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。 副団長「彼女のご飯は軍事物資です」 私「えっ重い」 胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!? ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。 (月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖
BL
溺愛ドS×天然系男子 俺様副社長から愛される。古い家柄の養子に入った主人公の愛情あふれる日常を綴っています。心臓に疾患を抱えながら、ロックバンドのボーカルとしてステージに立つ夏樹。彼を溺愛するのは、年上で俺様な副社長・黒崎圭一。夏樹は養子として名家に迎えられ、音楽と経営、二つの人生の狭間で揺れていた。それでも黒崎は、束縛と独占欲を隠すことなく、夏樹のすべてを受け止めようとする。ステージを降りる日が近づくかもしれない中、家族の問題、過去の傷、そして未来への不安が静かに忍び寄る。繋いだ手を、決して離さないと誓った二人の、溺愛と再生の物語。※本作からでもお読みいただけます。 黒崎家には黒崎の兄弟達が住んでいる。黒崎の4番目の兄の一貴に親子鑑定を受けて、正式に親子にならないかと、父の隆から申し出があり、一貴の心が揺れる。そして、親子鑑定に恐れを持ち、精神的に落ち込み、愛情を一身に求める子供の人格が現われる。自身も母親から愛されなかった記憶を持つ黒崎は心を痛める。黒崎家に起こることと、黒崎に寄り添う夏樹。 作品時系列:「恋人はメリーゴーランド少年だった。」→「恋人はメリーゴーランド少年だった~永遠の誓い編」→「アイアンエンジェル~あの日の旋律」→「夏椿の天使~あの日に出会った旋律」→「白い雫の天使~親愛なる人への旋律」→「上弦の月の天使~結ばれた約束の夜」→本作「青い月の天使~あの日の約束の旋律」

運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー

白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿) 金持ち‪社長・溺愛&執着 α‬ × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω 幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。 ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。 発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう 離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。 すれ違っていく2人は結ばれることができるのか…… 思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいα‬の溺愛、身分差ストーリー ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

処理中です...