蛇と刺青 〜対価の交わりに堕ちていく〜

寺原しんまる

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猫のおもちゃ

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「なあ、鈴子。こういうの穿いてみたらどうだ?」


 ジェイが手に持つ卑猥な下着を見て硬直する鈴子は、「馬鹿!」と言いながらジェイの背中を叩く。


 鈴子用のシャンプーを買いにド○キ来た二人は、「大人な玩具」が置いてある所で遊んでいた。二人で店内を歩いていたらジェイが、「こっちこっち」と鈴子を無理矢理連れて行き、コレだコッチだと卑猥な物を鈴子に見せてくるのであった。


「もう、何なのよ! ジェイの変態!」

「何言ってるんだ。これも仕事のうちだ。こういうのを研究しておかないと、尾乃田さんの依頼を受けれないだろ?」

 
 妙に真面目な顔のジェイは真剣な面持ちで「大人な玩具」を物色している。そんな二人の様子を、買い物に訪れていた女子高生がキャーキャーと近くで見ているのだった。


「ねえ、あの外人さん? モデルかなあ。格好ええなあ!」

「日本語ペラペラやで。ハーフちゃうか?」

「キャー! バイブ持ってる。エッチやなあ!」


 鈴子は恥ずかしくなり、ジェイの服の裾を引っ張って「ねえ、帰ろうよ」と告げた。しかしジェイは女子高生など気にならないという風に、物色する手を全く止めないでいた。


「鈴子、赤とピンクどっちがいい?」


 鈴子は早くその場を立ち去りたかったので、ジェイの方を見ずに「ピンク!」と答えて下を向く。それを聞いたジェイが「ピンクが良いのか! そうか、そうか」と嬉しそうにレジに持って行くのだった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ジェイは手先が器用なのね。だから料理も上手いのかしら?」


 ジェイの作った茄子とトマトのパスタとチキンサラダを食べながら、鈴子はジェイの方を向いて口をモグモグさせている。パスタのソースが鈴子の口の周りに付いていたが、本人は全く気が付いていない。ジェイが手を伸ばしてそれを拭き取り、その手をペロッと舐めた。


 その様子を見て少し顔を赤くする鈴子は「舐めなくてもいいじゃん」と呟くのだ。しかしジェイはしれっとしていて、何事もなかったように黙々とパスタを食べていた。まるで当たり前のようなその態度に、鈴子は不思議な気持ちを抱く。


(彼氏じゃないのに甲斐甲斐しく私の世話をする。変よね? 普通じゃないでしょ? セックスしている時点で普通じゃないか……)


「鈴子。ご飯食べたら観たい映画があるんだ。一緒に観るぞ」

「え? 映画……。興味ないよ」

「一緒に観るんだよ」


 ジェイの「絶対だ」と言いたげな圧力を感じた鈴子は「はい……」と小声で返事をしたのだった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやーーーー! もういやーーーー!」


 ブランケットを被ってジェイに抱きつく鈴子を、「ハイハイ」と優しく抱きしめるジェイは、笑顔で画面に映る映画を観ている。勿論、笑顔で観るような内容ではなく、背筋も凍るホラー映画だったのだ。
 

「どうしてこんなの観ないといけないのよ! もういやーーーー! ジェイの馬鹿!」


 文句を言いながらもジェイを必死に掴んでいる鈴子は、「バンッ」「ドンッ」と画面から聞こえる大きな効果音に「ぎゃー」と叫んで震え出す。


「鈴子は怖がりだよなあ……。こんなの全部作り物だろ?」

「じゃあ、どうしてこんなの観てるの! もうやぁーーーー」


 ジェイは別に鈴子を怖がらすつもりもなく、純平に借りていたBlu-rayを休みの内に観てしまいたかったのだ。しかしそのおかげで鈴子が無条件で抱きついてくるので、これは悪くないとジェイは内心喜んでいた。


「わかったよ、映画を止めるからその代わりに鈴子が何かやってくれよ」


 ブランケットから恐る恐る顔を出した鈴子は、ジェイを涙目で見つめながら口を開く。


「何かってなに?」


 ジェイは先ほどド○キで買ったビニール袋の中にある紙袋を取り出す。それを鈴子に渡してニヤリと微笑んだ。


「それを使って上手に5回イケたら映画を止めてやる」


 訝しげな顔の鈴子は、ジェイから渡された紙袋を開けて「キャー」と叫ぶのだった。


「やぁ! こんなの使ったことないもん……。無理よ!」


 鈴子が嫌そうに手に持っているのはローターでピンク色の可愛い猫型だ。箱にはちゃんと性的な玩具だと分かるように説明が書かれている為に、猫の形をしていようが鈴子にはそれが何かは理解出来たのだった。


「鈴子が自分で選んだのだろ? ピンクがいいって。頑張って責任取れよ」


 ジェイが鈴子からローターを奪い箱から出す。説明書を見ながら「スマホを使って遠隔操作可能だって」と上機嫌だった。


「やぁ……、絶対にだめ」

 
 鈴子はプルプル首を左右に振っているが、既に何かを期待してドクドクと心臓を高鳴らせていた。


「大丈夫だ、鈴子。これも治療の一環、一環!」

「絶対に違うの~! あぁぁぁーーーー! うぁんんん、くぅ……。あぅ……」


 あっという間に鈴子を裸にしたジェイは、ローターを鈴子の秘部に当てていた。ジジジと機械音が響く中、既に濡れそぼっている鈴子の下腹部から、クチュリと湿った音も聞こえ出している。


「なんだよ……。もう濡れてるじゃないか。これなら中に入れても大丈夫か」

「だめ……、そんなの入れないで……あぁ……!」


 グチュグチュと音を立てながら猫のローターが鈴子の卑裂に飲み込まれていく。鈴子は身体を海老反りにするようにビクビクと身体を震えさせている。その様子から、鈴子に小さな高まりが訪れたのをジェイは理解し、それではと更に攻めを与えていくのだ。


「あぅぅぅ! いくぅーー! イッちゃうからやめてーー! こんなの知らない! ダメなの……」


 猫のローターを肉壺に咥え込み嬌声を上げながらビクビクと震える鈴子。一際大きく仰け反った時に、鈴子の両足の膝から下がピーンと伸びた。


「イッたか? 先ずは一回目。まだあと四回も残ってるぞ。ほら頑張れよ!」


 鈴子の少し浮いた尻を叩き、ジェイが鈴子を四つん這いにした。猫のローターはまだ蜜肉に挟まれており、達した鈴子の熟れきった卑肉を攻め続けている。


「やぁ……、もうイッたのぅ……。コレ抜いてよ! あ、ああああ! んぁ……」


 鈴子の敏感な肉壺にジェイの太い舌が入り込んでいったのだ。ジュルジュルと音を立てながら鈴子の愛蜜を堪能するジェイ。猫のローターとジェイの舌技でガクガクと震える鈴子は、四つん這いを保てずに尻を突き出すように頭と胸をベッドに埋めていった。


「あ、いやあ! ひぅぅぅ! あぅぅぅ!」


 二回目の絶頂は直ぐに訪れて、鈴子の頭は真っ白になってしまう。


「鈴子、上手にイケたなあ。今のは良かったぞ。イク時に入り口がギュッと締まって俺の舌がちぎれるかと思った」

「ハアハア……。ジェイ、お願い……。抜いて、猫を抜いて……」

「ダメだ、あと三回あるだろ。この調子じゃあ直ぐだな」


 鈴子の奥で止まらない猫のローターの刺激は、段々と鈴子の理性を奪っていった。そしてコプリコプリと湧き出るように製造される鈴子の愛液は、全て余すことなくジェイの体内へと消えて行く。


 ジェイと猫のローターから与えられる快楽に脳を浸食された鈴子は、5回目の絶頂が訪れた時には涎を垂らしながら妖艶に腰を揺らしていた。恥じらうことを忘れて「イクーー! あぁは! イッちゃうのーーーー!」と叫びながら派手に到達した鈴子は、グッタリとベッドに倒れ込み、そのままスウスウと眠りに落ちてしまったのだ。


 寝ている鈴子の体内から猫のローターを取りだしたジェイは妖しく笑っている。鈴子の卑猥な蜜でグッショリと濡れている猫のローターを持って、バスルームへと向かうジェイの目は深い湖の底の青だった。


「鈴子はもう直ぐ堕ちる……、俺の手の中に」


 臍まで反り返った愚息に、猫のローターに付着している鈴子の愛液を塗りたくるジェイは、笑顔でバスルームのシャワーエリアへと入って行くのだった。
     
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