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6話 出陣用意―破
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「『3人で帰ってこよう』ってひどくない?私もいるから!」
何やらプリプリしながら2階から降りてきたのは桃だ。何やら重そうなものをたくさん抱えている。
「桃。留守は頼んだ」
「ちょっ!だから置いてくなって!」
紅一は真顔で桃に言う。桃は怒った顔で言い返す。
「お前が来て何ができる、とは言わねぇが危ねぇ。今回は大人しく待って兄ちゃんを安心させててくれ」
「ぐっ……!」
桃は珍しく優しい兄に照れて面くらっている。
「そうだね。気持ちはすごくうれしいけど桃ちゃんにはここで待っててほしい」
「だから、違くて……あっこれ見て!」
2人が見ると、桃は何かを持って前に突き出した。
それはテカテカした白い箱に、4本の足が生えたようなものだった。足の先には4つのプロペラが付いている。これはまさか──
「ドローン!前作ったの。かっこいいっしょ?」
桃は人懐っこい笑顔でこちらを見ている。
「ドローンだ……てか桃ちゃん、作ったって言った!?」
「うん。そーだよ~」
桃はニマニマしている。紅一の前腕ほどの長さのこれを少女が作ったのか。昔から機械いじりが好きなのは知っていたが……。
「それがどう関係あるんだ。」
紅一は依然腕を組んで仁王立ちだ。妹を連れて行く気はないらしい。
「見ててよー、えい」
桃はドローンを床に置き、swi◯chというかp◯2のようなコントローラーを取り出した。操作盤の真ん中に液晶が付いている。
桃が操作をすると、ドローンが床から飛び立った。紅一はドローンを、腕を組んだまま睨む。
蒼は紅一の周りをギュンギュン飛び回るドローンを見て、あっけにとられている。
「そんでー」
桃がコントローラーに顔を近づけて、口を開く。
「あーー!!」
コントローラーに向かって叫んだと思えば、紅一の頭の横でホバリングしていたドローンから、桃の「あーー!!」という声が出た。
耳元ででかい声を食らった紅一はドローンと反対方向に大きくのけぞる。
「やりー。どうよ!これでアイツラ誘導するってわけ」
倒れた紅一の背中にドローンを着陸させると、桃はピースをしながら言った。
「なるほどな……確かにこいつでゾンビを誘導できれば、雪ちゃんを助けるのも楽になりそうだ」
紅一は立ち上がりながら言う。
「そっ!たぶん校内も飛べるし任せてよ。近所で飛ばしてゾンビが反応するのは実験済みだし」
「実験済み?」
「あー……この2日間窓からドローン飛ばして色々調べてて……」
「そういえば桃ちゃんはなんで家にいたの?」
「えっと……」
「ズル休みだろ。たぶん」
「……はい」
紅一が言うには桃は、機械いじりに没頭しすぎて学校をサボる(熱中して行き忘れる)ことがよくあるらしい。
2日前の、ゾンビパニックが起きた日から作業に熱中して学校に行っておらず、気がついた時には世界が変わっていたと。
「まぁ何はともあれ桃ちゃんがいたから俺ら今生きてるわけだし、良かったよ」
「はい……」
桃ちゃんは少しバツが悪そうにしていた。
「ドローンがあるにしろやっぱり移動中が心配だな。俺らは自転車で移動したけど、アイツら遅いとはいえ早歩きぐらいのスピードはあるし。」
蒼が桃の方を伺いながら言うと、
「あぁ、足ならあるぜ。ぴったりなのがよぉ」
紅一がニヤリとしながら答えた。答えながら掲げた人差し指には、チャリンと何かがかかっていた。
何やらプリプリしながら2階から降りてきたのは桃だ。何やら重そうなものをたくさん抱えている。
「桃。留守は頼んだ」
「ちょっ!だから置いてくなって!」
紅一は真顔で桃に言う。桃は怒った顔で言い返す。
「お前が来て何ができる、とは言わねぇが危ねぇ。今回は大人しく待って兄ちゃんを安心させててくれ」
「ぐっ……!」
桃は珍しく優しい兄に照れて面くらっている。
「そうだね。気持ちはすごくうれしいけど桃ちゃんにはここで待っててほしい」
「だから、違くて……あっこれ見て!」
2人が見ると、桃は何かを持って前に突き出した。
それはテカテカした白い箱に、4本の足が生えたようなものだった。足の先には4つのプロペラが付いている。これはまさか──
「ドローン!前作ったの。かっこいいっしょ?」
桃は人懐っこい笑顔でこちらを見ている。
「ドローンだ……てか桃ちゃん、作ったって言った!?」
「うん。そーだよ~」
桃はニマニマしている。紅一の前腕ほどの長さのこれを少女が作ったのか。昔から機械いじりが好きなのは知っていたが……。
「それがどう関係あるんだ。」
紅一は依然腕を組んで仁王立ちだ。妹を連れて行く気はないらしい。
「見ててよー、えい」
桃はドローンを床に置き、swi◯chというかp◯2のようなコントローラーを取り出した。操作盤の真ん中に液晶が付いている。
桃が操作をすると、ドローンが床から飛び立った。紅一はドローンを、腕を組んだまま睨む。
蒼は紅一の周りをギュンギュン飛び回るドローンを見て、あっけにとられている。
「そんでー」
桃がコントローラーに顔を近づけて、口を開く。
「あーー!!」
コントローラーに向かって叫んだと思えば、紅一の頭の横でホバリングしていたドローンから、桃の「あーー!!」という声が出た。
耳元ででかい声を食らった紅一はドローンと反対方向に大きくのけぞる。
「やりー。どうよ!これでアイツラ誘導するってわけ」
倒れた紅一の背中にドローンを着陸させると、桃はピースをしながら言った。
「なるほどな……確かにこいつでゾンビを誘導できれば、雪ちゃんを助けるのも楽になりそうだ」
紅一は立ち上がりながら言う。
「そっ!たぶん校内も飛べるし任せてよ。近所で飛ばしてゾンビが反応するのは実験済みだし」
「実験済み?」
「あー……この2日間窓からドローン飛ばして色々調べてて……」
「そういえば桃ちゃんはなんで家にいたの?」
「えっと……」
「ズル休みだろ。たぶん」
「……はい」
紅一が言うには桃は、機械いじりに没頭しすぎて学校をサボる(熱中して行き忘れる)ことがよくあるらしい。
2日前の、ゾンビパニックが起きた日から作業に熱中して学校に行っておらず、気がついた時には世界が変わっていたと。
「まぁ何はともあれ桃ちゃんがいたから俺ら今生きてるわけだし、良かったよ」
「はい……」
桃ちゃんは少しバツが悪そうにしていた。
「ドローンがあるにしろやっぱり移動中が心配だな。俺らは自転車で移動したけど、アイツら遅いとはいえ早歩きぐらいのスピードはあるし。」
蒼が桃の方を伺いながら言うと、
「あぁ、足ならあるぜ。ぴったりなのがよぉ」
紅一がニヤリとしながら答えた。答えながら掲げた人差し指には、チャリンと何かがかかっていた。
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