248 / 259
248話 清楚って難しい①
「みんな、こんユニ~! あ~、新しい属性が欲しいな~」
『?』
『急にどうした』
『酔ってる?』
『属性?』
配信開始早々の突飛な発言を受け、ワクワクしている様子だったコメント欄が一気に困惑の色に染まった。
「というわけで、今日は新しい属性を求めて試行錯誤していくよ!」
『こんユニ』
『こんユニですー』
『成功する未来が見えない』
『新しい属性かー』
『面白そうではある』
デビュー時から追ってくれている人はもちろん、最近なにかのきっかけで見始めてくれたという人も、きっと分かっているはずだ。
あたしはちょっとした思い付きを、特に下準備することもなく配信で実行することが往々にしてあると。
「前にヤンデレとして配信したの覚えてる? 最後にゲームの中でミミちゃんが仕掛けた落とし穴に引っかかって、地下室に閉じ込められちゃったやつ」
あの配信はラストでミミちゃんがすべてを持って行ったと言っても過言ではなく、あたしのヤンデレムーブが霞むほどのヤンデレっぽさが出ていた。
『覚えてるよ』
『あったね』
『ちょうど昨日アーカイブ見直してた』
『オチがよかったよね』
「属性って数え切れないぐらいあるけど、あたしに似合うのはやっぱり『清楚』だよね!」
さっきは試行錯誤すると言ったものの、その方向性はすでに定まっている。
要するにこの配信は、どんな属性を手に入れるのかを決めるのではなく、どうやって清楚属性を会得するのかを考える場だ。
『せい、そ……?』
『かわいいけど清楚ではない』
『いまさら清楚枠は無理じゃない?』
『清楚ってどういう意味だっけ?』
『ライオンが草食動物を自称するのに等しい』
確かにあたしも自分が清楚枠じゃないことは薄々自覚しているけど、それにしても誰一人として肯定的な意見がない。
「みんなひどいよ! 事務所内でミミちゃんに次ぐ清楚として業界内で有名――かもしれないのに!」
『ごめんて』
『どこの業界の話なんだ』
『それ二期生限定の話ですか?』
「まぁまぁ、とりあえずみんな落ち着いてよ」
『落ち着いてるよー』
『落ち着いてますけども』
『ユニコちゃんが落ち着こう』
『一度深呼吸しようか』
「確かにいまの時点ではあたしを見て『これは清楚』って感じる人は多くないかもしれないけど、この配信でその割合を増やすの! 上手くいけば、この配信が終わる頃にはみんながあたしのことを清楚の権化だと認識してるはず!」
あたしは拳をギュッと握り、熱い意気込みを口にした。
その熱意を受けたリスナーさんたちの反応は――
『なるほどー』
『上手くいくといいね』
『応援してるよ』
『頑張って!』
『ユニコちゃんならできますよ』
「文面だけ見ると嬉しいのに、気持ちがこもってないのが痛いほど伝わってくる!」
『そんなことないよ』
『ユニコちゃんなら清楚になれる』
「仕方ないな~。こうなったら、ミミちゃんを呼んで清楚の秘訣を盗むことにしよっか」
今日はミミちゃんに配信の予定がないから、お願いしたら来てくれるかもしれない。
強力な助っ人の登場(予定)に、リスナーさんたちも成功の可能性を感じ始めている様子だ。
この配信が終わった時、あたしは清楚属性を手に入れているはず!
『?』
『急にどうした』
『酔ってる?』
『属性?』
配信開始早々の突飛な発言を受け、ワクワクしている様子だったコメント欄が一気に困惑の色に染まった。
「というわけで、今日は新しい属性を求めて試行錯誤していくよ!」
『こんユニ』
『こんユニですー』
『成功する未来が見えない』
『新しい属性かー』
『面白そうではある』
デビュー時から追ってくれている人はもちろん、最近なにかのきっかけで見始めてくれたという人も、きっと分かっているはずだ。
あたしはちょっとした思い付きを、特に下準備することもなく配信で実行することが往々にしてあると。
「前にヤンデレとして配信したの覚えてる? 最後にゲームの中でミミちゃんが仕掛けた落とし穴に引っかかって、地下室に閉じ込められちゃったやつ」
あの配信はラストでミミちゃんがすべてを持って行ったと言っても過言ではなく、あたしのヤンデレムーブが霞むほどのヤンデレっぽさが出ていた。
『覚えてるよ』
『あったね』
『ちょうど昨日アーカイブ見直してた』
『オチがよかったよね』
「属性って数え切れないぐらいあるけど、あたしに似合うのはやっぱり『清楚』だよね!」
さっきは試行錯誤すると言ったものの、その方向性はすでに定まっている。
要するにこの配信は、どんな属性を手に入れるのかを決めるのではなく、どうやって清楚属性を会得するのかを考える場だ。
『せい、そ……?』
『かわいいけど清楚ではない』
『いまさら清楚枠は無理じゃない?』
『清楚ってどういう意味だっけ?』
『ライオンが草食動物を自称するのに等しい』
確かにあたしも自分が清楚枠じゃないことは薄々自覚しているけど、それにしても誰一人として肯定的な意見がない。
「みんなひどいよ! 事務所内でミミちゃんに次ぐ清楚として業界内で有名――かもしれないのに!」
『ごめんて』
『どこの業界の話なんだ』
『それ二期生限定の話ですか?』
「まぁまぁ、とりあえずみんな落ち着いてよ」
『落ち着いてるよー』
『落ち着いてますけども』
『ユニコちゃんが落ち着こう』
『一度深呼吸しようか』
「確かにいまの時点ではあたしを見て『これは清楚』って感じる人は多くないかもしれないけど、この配信でその割合を増やすの! 上手くいけば、この配信が終わる頃にはみんながあたしのことを清楚の権化だと認識してるはず!」
あたしは拳をギュッと握り、熱い意気込みを口にした。
その熱意を受けたリスナーさんたちの反応は――
『なるほどー』
『上手くいくといいね』
『応援してるよ』
『頑張って!』
『ユニコちゃんならできますよ』
「文面だけ見ると嬉しいのに、気持ちがこもってないのが痛いほど伝わってくる!」
『そんなことないよ』
『ユニコちゃんなら清楚になれる』
「仕方ないな~。こうなったら、ミミちゃんを呼んで清楚の秘訣を盗むことにしよっか」
今日はミミちゃんに配信の予定がないから、お願いしたら来てくれるかもしれない。
強力な助っ人の登場(予定)に、リスナーさんたちも成功の可能性を感じ始めている様子だ。
この配信が終わった時、あたしは清楚属性を手に入れているはず!
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
【完結】【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて
千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、夫・拓馬と娘の結と共に平穏な暮らしを送っていた。
そんな彼女の前に現れた、カフェ店員の千春。
夫婦仲は良好。別れる理由なんてどこにもない。
それでも――千春との時間は、日常の中でそっと息を潜め、やがて大きな存在へと変わっていく。
ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。
ハッピーエンドになるのでご安心ください。
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。