私がガチなのは内緒である

ありきた

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1章 私がガチなのは内緒である

7話 真夜中の独白

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 この辺りには商業施設や飲食店こそあるけれど、他県から人が来るような名所があるわけでもなければ、人口が多いわけでもない。
 日没を迎えると、静謐せいひつな雰囲気が町を包み込む。
 最愛の人と同じ布団で朝を迎え、昼間は楽しい学校生活を送り、夜は遅くまでおしゃべり。
 新生活はまだ始まったばかりだけど、すでに一生の思い出として語れるほど充実した時間を過ごしている。
 時刻は深夜二時過ぎ。布団の中でスヤスヤと眠る幼なじみは、どんな夢を見ているのだろう。
 いつか、彼女に本当の気持ちを打ち明けられるのだろうか。
 二人の関係を崩したくなくて、嫌われるのが怖くて、内緒にする以外の選択肢に手を伸ばすことはできない。
 萌恵ちゃんが悲しむ姿だけは、死んでも見たくない。
 私が告白してフラれれば、彼女はその決断を下した自分自身を責めてしまう。そんな優しい性格だということはすでに痛いほど知っている。
 だから、どれほど想いが強くても、いまはまだ、打ち明けられない。

***

 ところで、これは一つの懺悔というか、自己嫌悪というか、人のさがというか……私は人よりも性欲が強い。それはもう、呆れるほどに。
 理性が危険信号を発した日は、萌恵ちゃんが寝静まってから布団を抜け出すのが私の習慣だ。
 こういうとき、トイレというのは素晴らしい空間だと絶賛せざるを得ない。
 本来の用途としては間違ってるけど、私の目的を果たすにはちょうどいい。
 誰にも見られず、広すぎず、静かで、まるで外界から切り離されたかのようだ。
 毎日きれいに掃除してるから不潔さは一切感じられないし、一人で気を落ち着けるには最適だと思う。

「さて、と」

 何事もなかったように寝床へ戻り、萌恵ちゃんに密着して目を閉じる。
 性欲というのは、本当にどうしようもなく厄介だ。
 三大欲求に数えられるだけあって、いくら我慢してもいずれは限界を迎えるわけで。
 常日頃から分かっている通り、私は食欲や睡眠欲と比べて格段に性欲が強いわけで。
 萌恵ちゃんにぶつけるなんて論外だから、自分の手で発散しないといけないわけで。
 まぁ、その……自分を慰めることも、たまには必要だよね。
 ごめんね、萌恵ちゃん。いつも頭の中で恥ずかしい思いをさせてるけど、妄想だから許してほしいな。
 おやすみ。
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