31 / 121
2章 私と萌恵ちゃんは恋仲である
3話 一目瞭然
しおりを挟む
私は決して人付き合いの得意な人間ではない。
にもかかわらず学校生活が楽しいと感じられるのは、萌恵ちゃんと一緒にいられること以外にも理由がある。
私が在籍する一年一組はクラス全体の仲がよく、かなり雰囲気のいい環境だ。
料理上手な子や運動が得意な子がチヤホヤされたりはするけど、逆に苦手だからと虐げられるようなことは絶対にない。
教室に入って席に着き、近くにいたクラスメイトに「おはよう」とあいさつする。
「桜野さん、もしかして此木さんに告白した?」
「ぅえっ!?」
え、なに? 学生兼名探偵だったりするの?
完全に予想外な相手に真実を見抜かれ、驚愕を隠せない。
「だってすごく嬉しそうだし。桜野さんっていつも爽やかに微笑んでる感じだけど、今日は満面の笑顔だから」
「す、すごいね、これから名探偵って呼んでいい?」
「ってことはやっぱり! おめでとう! やっと告ったんだね!」
「へ? やっとって……え?」
分からないことだらけで困惑していると、周りからわらわらと人が集まってきた。
「思ったより早かったじゃん。おめでと」
「桜野さん、おめでとう! 幸せになってね!」
「此木ちゃんもおめでとー!」
あちこちから祝福の声が上がる。
萌恵ちゃんはただ純粋に「ありがと!」と返しているけど、私は未だに混乱が収まらない。
もちろん祝ってもらえるのは嬉しい。
だけど、みんな私が萌恵ちゃんに片想いしているのを知っていたような様子だ。
「もしかして、バレてた?」
私がそう訊ねると、みんなまったくの同時に首を縦に振った。
詳しく話を聞いてみたところ、どうやら萌恵ちゃん以外は私の熱烈な視線や態度から入学初日にしてすでに勘付いていたらしい。
放課後もやけにみんな帰るのが早いと思っていたら、私と萌恵ちゃんが気兼ねなく話せるよう舞台を整えていたとのこと。
同じクラスでガチっぽい雰囲気なのが私と萌恵ちゃんだけだったので、恋バナに事欠く学校生活における格好の的だったようだ。
見せ物扱いされているわけじゃないのは分かっているけど、片想いが周知の事実だったと考えると恥ずかしくて悶絶しそうになる。
***
付き合い始めたと知るや否や、私と萌恵ちゃんは怒涛の質問責めに遭った。
休み時間のたびに話の中心となるのは、いままでにない体験だ。
のろけ話も興味津々な態度で聞いてくれるので、いつになく饒舌になってしまった。
そして、あっという間に放課後。
美咲ちゃんと芽衣ちゃんが仲睦まじく肩を並べて一組に姿を現す。
クラスメイトいわく、この二人も密かに注目されているらしい。
柔和で温厚な美咲ちゃんと、強気そうな印象の芽衣ちゃん。一見すると正反対なイメージなので、周りが興味を持つのも分かる。
「真菜、告白成功したのね。おめでとう!」
芽衣ちゃんが開口一番にそう言った。
「……私って、相当顔に出やすい?」
「ええ、かなりね。まさに『顔に書いてある』って感じよ」
「お二人とも、本当におめでとうございますっ」
芽衣ちゃんはともかく、美咲ちゃんですら気付いていた様子だ。
恋愛に疎い人にすら悟られるぐらい表情に出てたってこと?
「ありがと! んふふっ、今日はいっぱいお祝いされて嬉しいな~! ね、真菜?」
「う、うん、そうだね」
みんなから祝われて感謝の気持ちで胸がいっぱいだけど、やっぱりものすごく恥ずかしい。
だって、言うなれば『私は萌恵ちゃんが大好き!』って宣言しながら生活してたってことだよね?
ラブレターを顔に貼り付けていたようなものだと考えたら……うわぁああああああっ、恥ずかしいっ!
***
今日はいつもより早めに切り上げて、ショッピングモールに向かう。
美咲ちゃんと芽衣ちゃんの厚意で、私と萌恵ちゃんの交際祝いとしてタピオカドリンクを奢ってもらうことになった。
私が終始羞恥に身悶えていたのは、言うまでもない。
にもかかわらず学校生活が楽しいと感じられるのは、萌恵ちゃんと一緒にいられること以外にも理由がある。
私が在籍する一年一組はクラス全体の仲がよく、かなり雰囲気のいい環境だ。
料理上手な子や運動が得意な子がチヤホヤされたりはするけど、逆に苦手だからと虐げられるようなことは絶対にない。
教室に入って席に着き、近くにいたクラスメイトに「おはよう」とあいさつする。
「桜野さん、もしかして此木さんに告白した?」
「ぅえっ!?」
え、なに? 学生兼名探偵だったりするの?
完全に予想外な相手に真実を見抜かれ、驚愕を隠せない。
「だってすごく嬉しそうだし。桜野さんっていつも爽やかに微笑んでる感じだけど、今日は満面の笑顔だから」
「す、すごいね、これから名探偵って呼んでいい?」
「ってことはやっぱり! おめでとう! やっと告ったんだね!」
「へ? やっとって……え?」
分からないことだらけで困惑していると、周りからわらわらと人が集まってきた。
「思ったより早かったじゃん。おめでと」
「桜野さん、おめでとう! 幸せになってね!」
「此木ちゃんもおめでとー!」
あちこちから祝福の声が上がる。
萌恵ちゃんはただ純粋に「ありがと!」と返しているけど、私は未だに混乱が収まらない。
もちろん祝ってもらえるのは嬉しい。
だけど、みんな私が萌恵ちゃんに片想いしているのを知っていたような様子だ。
「もしかして、バレてた?」
私がそう訊ねると、みんなまったくの同時に首を縦に振った。
詳しく話を聞いてみたところ、どうやら萌恵ちゃん以外は私の熱烈な視線や態度から入学初日にしてすでに勘付いていたらしい。
放課後もやけにみんな帰るのが早いと思っていたら、私と萌恵ちゃんが気兼ねなく話せるよう舞台を整えていたとのこと。
同じクラスでガチっぽい雰囲気なのが私と萌恵ちゃんだけだったので、恋バナに事欠く学校生活における格好の的だったようだ。
見せ物扱いされているわけじゃないのは分かっているけど、片想いが周知の事実だったと考えると恥ずかしくて悶絶しそうになる。
***
付き合い始めたと知るや否や、私と萌恵ちゃんは怒涛の質問責めに遭った。
休み時間のたびに話の中心となるのは、いままでにない体験だ。
のろけ話も興味津々な態度で聞いてくれるので、いつになく饒舌になってしまった。
そして、あっという間に放課後。
美咲ちゃんと芽衣ちゃんが仲睦まじく肩を並べて一組に姿を現す。
クラスメイトいわく、この二人も密かに注目されているらしい。
柔和で温厚な美咲ちゃんと、強気そうな印象の芽衣ちゃん。一見すると正反対なイメージなので、周りが興味を持つのも分かる。
「真菜、告白成功したのね。おめでとう!」
芽衣ちゃんが開口一番にそう言った。
「……私って、相当顔に出やすい?」
「ええ、かなりね。まさに『顔に書いてある』って感じよ」
「お二人とも、本当におめでとうございますっ」
芽衣ちゃんはともかく、美咲ちゃんですら気付いていた様子だ。
恋愛に疎い人にすら悟られるぐらい表情に出てたってこと?
「ありがと! んふふっ、今日はいっぱいお祝いされて嬉しいな~! ね、真菜?」
「う、うん、そうだね」
みんなから祝われて感謝の気持ちで胸がいっぱいだけど、やっぱりものすごく恥ずかしい。
だって、言うなれば『私は萌恵ちゃんが大好き!』って宣言しながら生活してたってことだよね?
ラブレターを顔に貼り付けていたようなものだと考えたら……うわぁああああああっ、恥ずかしいっ!
***
今日はいつもより早めに切り上げて、ショッピングモールに向かう。
美咲ちゃんと芽衣ちゃんの厚意で、私と萌恵ちゃんの交際祝いとしてタピオカドリンクを奢ってもらうことになった。
私が終始羞恥に身悶えていたのは、言うまでもない。
0
あなたにおすすめの小説
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる