私がガチなのは内緒である

ありきた

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3章 一線を越えても止まらない

6話 新しい味わい方

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 お風呂上り。ちょっと早めに布団を敷き、萌恵ちゃんが寝転びながらスマホをいじっている。
 萌恵ちゃんの視線を一身に受け、指先で優しく触ってもらえるスマホ。嫉妬せずにはいられない。
 意味不明な対抗心を燃やしつつ、恋人は他ならぬ自分なのだと優越感に浸ってみたりして。
 そんなことはさておき。
 萌恵ちゃんの体って、破壊力抜群だよね。
 いますぐ唇を奪いたくなる可憐な顔。本能のままに揉みたい爆乳。キュッと引き締まったお腹。スラリと長い脚。
 外見はもちろん、声とか匂いとか、どこを取っても素晴らしい。
 具体的に説明すると時間が足りないけど、私にはもったいない自慢の彼女だ。
 悲しいときは慰めてくれるし、嬉しいときは一緒に喜んでくれる。
 でも、優しい萌恵ちゃんから汚物のような扱いを受けてみたい。そんな変態が私。

「えっちだ……」

 萌恵ちゃんの肢体を眺め、恍惚の溜息と共に率直な感想が漏れる。
 扇情的なポーズを取っているわけでもないのに、私の心は劣情で埋め尽くされてしまう。

「ん、なにか言った?」

「ううん、大したことじゃないよ。萌恵ちゃんって、存在そのものがえっちだなって思っただけ」

「え……ごめん、けっこう大したことを言われてる気がするんだけど?」

 確かに。自分の発言を振り返り、大変失礼なことを口走ったと反省する。
 素直に「ごめん」と謝り、頭を下げる。

「でも、嬉しいな~。真菜にとって、魅力的に映ってるってことだもんね。好きな人にそう思ってもらえるんだから、あたしは幸せ者だよ」

 萌恵ちゃんは私を責めるどころか、笑顔を向けてくれた。
 あぁ、抱きたい。抱擁じゃなく、えっちな意味で。

「萌恵ちゃん、えっちしたい」

「あたしもしたいけど、明日は一限目から体育だからね~」

 うっ、そう言えばそうだった。
 私たちは一度始めると時間を忘れて盛り上がってしまうから、どうしても翌日に響く。
 他の授業ならともかく、体育となればさすがにキツい。主に運動音痴な私が。

「じゃあ、密着して寝てもいい?」

「もちろん!」

 就寝にはまだ早いけど、私も寝転んで萌恵ちゃんに体を寄せる。

「大好き」

 目を見てポツリとつぶやき、ギュッと抱き着く。
 すると萌恵ちゃんはスマホを枕元に置いて、私の背中に手を回してくれた。
 これだけでも充分に幸せなのに、耳元で「愛してる」と囁かれて昇天しそうになる。

「あっ! 冷蔵庫のヨーグルト、賞味期限が今日だった! ごめん真菜、ちょっと取ってくる!」

「う、うん」

 萌恵ちゃんの行動は迅速そのもので、瞬く間に布団を離れて台所に移動した。
 布団を壁際に寄せてテーブルを出し、戻ってきた萌恵ちゃんと共にヨーグルトを食べる。
 ほどよい酸味で口をサッパリさせながら、年中発情期のド変態である私は天啓を受けたかのように名案を閃く。

「ねぇ、萌恵ちゃん。もしよかったら、口移しで食べさせてもらえないかな?」

「いいよ~。その代わり、真菜にも同じことしてもらうからね!」

「わ、分かった」

 私がやるのは想定外だったけど、要求を受け入れてもらえてよかった。
 善は急げということで、さっそく萌恵ちゃんに一口分のヨーグルトを口に含んでもらう。
 口を少し開き、ドキドキしながら待機する。

「んっ、ちゅっ」

「ぁむ……んぅっ」

 唇が重なり、萌恵ちゃんの舌と一緒にドロッとした物が入ってくる。
 外気に触れることなく直接運ばれたそれは、先ほど自分で食べていたときの冷たさが失せ、同じ食品とは思えないほど甘く感じられた。
 よく味わってから、慈しむように飲み込む。

「おい、しぃ……っ」

 ヨーグルトをここまでおいしいと思ったのは、未だかつてない。

「そっ、それじゃあ、次は真菜が食べさせてね!」

 想像以上に恥ずかしかったらしく、萌恵ちゃんの顔は真っ赤だ。
 実際、口移しというのは考えていたよりも淫靡な行為だと思う。
 正直に言って躊躇してしまうけど、約束は約束。私もスプーンですくって口に含み、萌恵ちゃんに顔を近付けた。
 口からこぼれないように、空気が入る隙間もないほど唇を密着させる。
 私の舌を受け入れるために開かれた空間に、遠慮なく捻じ込む。
 二人の舌がもぞもぞと動き、目的を果たした後はゆっくりと唇を離す。
 萌恵ちゃんも私と同じく、じっくりと味わっている。

「おいしい! けど、なんというか……この食べ方、すごくえっちだよぅ」

 瞳を輝かせたかと思えば、耳まで真っ赤にして顔を伏せる萌恵ちゃん。
 至極もっともな意見だ。反論はなく、ただひたすらに共感する。

「でも、たまにはいいよね」

「うんっ、またしたい!」

 未だに顔は赤いままだけど、迷いなく元気いっぱいに返事をしてくれた。
 せっかくだから、今度は別の物でも試してみたいな。
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