私がガチなのは内緒である

ありきた

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4章 高校最初の夏休み

19話 一石二鳥の試み

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 お昼ごはんを食べ終え、後片付けを済ませて一息ついているときのこと。
 萌恵ちゃんは肩が凝ったらしく、腕を回したり肩を揉んだりしている。
 原因はやっぱり、あの豊満なおっぱいに違いない。

「萌恵ちゃん、今日は私がおっぱいを支えるよ」

「え? ど、どういうこと?」

 唐突な申し出に、萌恵ちゃんが小首を傾げた。
 直球過ぎたと反省し、詳細な情報を加える。

「私には分からないことだけど、胸が大きいとすごく肩が凝るんだよね? でも、私が胸を持ち上げていれば、少しは負担が軽くなるんじゃないかなって。私は萌恵ちゃんの胸を触れて嬉しいし、一石二鳥だよ」

 萌恵ちゃんは優しいから、普通に申し出れば遠慮されてしまう可能性が高い。
 それを避けるため、私にもちゃんとメリットがあることを告げておく。

「あたしは助かるけど、ほんとにいいの?」

「うん、任せてっ」

「う~ん、でも……」

「お願いっ、萌恵ちゃんのおっぱいを持ち上げたいの! この両手におっぱいの重みを感じさせて!」

 決めあぐねている萌恵ちゃんへの最後の一押しとして、詰め寄りつつ熱意をぶつける。

「分かった。そこまで言ってくれるなら、甘えさせてもらうよ~。つらくなったら我慢せず、すぐに言ってね」

 こうして、どうにか承諾してもらい、私は萌恵ちゃんの胸を支えるため背後に回る。
 腋の下から腕を通し、左右の乳房をそっと持ち上げた。
 服越しにも伝わる抜群の柔らかさと弾力、そして下から支えているからこそ分かる圧倒的な重量感。
 こんなに重い塊を、常日頃から…………改めて、萌恵ちゃんのすごさを思い知った。
 加えて、これほどの質量を誇る爆乳が重力に逆らって美しい形を維持しているという事実に、感動すら覚える。

「真菜、ありがとっ。おかげですごく楽になったよ~。それに、ちょっとくすぐったいけど、温かくて気持ちいいっ」

 萌恵ちゃんが楽になって、私は萌恵ちゃんの胸を堪能できる。さっき自分で言った通り、まさに一石二鳥だ。
 ちょっとだけ、揉んでみたりして――

「ひゃんっ。ま、真菜、急に揉んじゃダメだよっ。真菜に触られてるときは、すごく敏感になってるんだからっ」

「ごめんね、つい出来心で」

 謝りつつ、心の中で己の情欲と戦う。
 萌恵ちゃん、いまのセリフはダメだよ。
 年中発情期の私じゃなくても、恋人にそんなことを言われたら興奮しちゃうよ。

「真菜~、お茶を淹れに行ってもいい?」

「うん、もちろん。トイレにだって付き添うよ」

「んふふっ、ありがと~」

 冗談めいたやり取りを交わしながら、二人同時に立ち上がってキッチンへ向かう。
 ちなみに、私は冗談を言ったつもりは微塵もない。

***

 数時間が経過し、すっかり日も暮れた。
 お茶を飲んだりする間は手を離したけど、用がないときはずっと胸を支え続けている。
 問題点があるとすれば、お互いになにかと動きを制限されてしまうことと、萌恵ちゃんがふとした拍子に感じてしまうこと、私が常時ムラムラしてしまうこと。そしてなにより、気軽にキスできないということだ。
 とはいえ、萌恵ちゃんの負担を軽減できているのも確か。
 毎日だと萌恵ちゃんに気を遣わせてしまうから、適度に期間を置いて、今後もたまに提案してみよう。
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