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12話 お泊り②~長い夜~
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お風呂に入るため、脱衣所で服を脱ぐ。なにも不思議なことはない、日常的に繰り返している行為だ。
普段なら半ば無意識で行うような動作なのに、いまは正しくできているか分からない。
「美夢ちゃんと一緒にお風呂~♪」
すぐ隣では、つぐみさんが鼻歌混じりで脱衣を進めている。
「――あっ」
わたしは恋人の下着姿に見惚れてしまっていたことに気付き、慌てて自分の服に手をかけた。
とと、とりあえず、ブラウスのボタンを――あ、あれ? ボタンってどうやって外すんだっけ?
「もしかして、ボタン外すの苦手?」
「は、はい、実はそうなんですっ」
「じゃあ、わたしが外してあげるよ」
「あ、ありがとうございます」
実際はつぐみさんの体を意識するあまり動揺しているだけなんだけど、さすがに言えない。
厚意に甘え、ブラウスのボタンを外してもらう。
好きな人に脱衣を手伝ってもらうという状況にドキドキしつつも、ボタンを外し終えるまでにどうにか呼吸を整えることができた。
つぐみさんが脱いだ下着を洗濯機に入れてから、少し遅れてわたしも産まれたままの姿を晒す。
「みっ、美夢ちゃんのおっぱい、改めて見ると本当におっきいね」
裸で向き合った瞬間につぐみさんの動きがピタリと止まり、数秒後にハッとなって早口で言い放った。
心なしか、さっきより顔が赤くなっているような……。
もしかして、と心の中に不安が生まれる。
「わたしの胸……気持ち悪い、ですか?」
周りと比べて明らかに大きな胸。自分の体において最も好きな部位であると同時に、最大のコンプレックスでもある。
あんまり思い出したくはないけど、中学生の頃は同級生になにかと嫌なことを言われたりもした。
背が高いわけでもなく、他の場所に肉が付いているわけでもない。それゆえに否応なく目立ち、奇異の視線を向けられる。
つぐみさんなら受け入れてくれると確信していても、不安がまったくないと言えば嘘になる。
服越しではなく直接目にしたことで、意見が変わるかもしれない。
「気持ち悪い? なんで? 大きくて形もよくて、色もすっごくきれいで、いいところばっかりだよ?」
「えっ、あっ、その、ありがとうございますっ」
まさか誉め言葉まで貰えるとは思っていなくて、一瞬言葉に詰まる。
さっきまでの不安は、呆気ないほどにあっさりと消え去った。
さて、いくら屋内とはいえ、冬場に裸のまま脱衣所に長居すれば風邪を引いてしまう。
不思議そうに小首を傾げるつぐみさんにタオルを渡して、浴室に移動する。
どさくさに紛れてボディタッチをすると、つぐみさんも同じようにわたしの体を触ってくれた。
交互にシャワーを使って全身をきれいにしてから、向かい合って湯船に浸かる。
最愛の人の裸を直視しながらの入浴というのは、想像していたより遥かに刺激的だ。
つぐみさんもわたしの裸を見て興奮してくれていたらいいのに……なんて思いつつも、それを確かめるほどの余裕はない。
会話に必要な分以外の全神経を使って、マグマのように熱くドロッとした情欲を体の奥底に押し留める。
のぼせない程度に長風呂を楽しんだ後は、リビングに寄ってジュースとお菓子、それと二人分のコップをトレーに乗せて部屋に運ぶ。
ベッドの脇に用意したサイドテーブルにトレーを置き、二人並んでベッドに腰掛ける。
「お風呂、気持ちよかったですね。これならすぐにでも眠れそうです」
本音ではあるものの、当然ながらこのまま寝るなんて選択肢はない。
コンビニで買ったジュースを手に取り、コップに注ぐ。
「うんっ、確かに。でも、夜はまだまだこれからだよ!」
つぐみさんの言う通り、夜はまだ長い。
お泊りはここからが本番だとでも言うかのように、わたしたちはジュースで乾杯した。
お菓子を互いに「あーん」して食べさせ合ったり、トランプで白熱した勝負を繰り広げたり。
ピッタリと密着してパジャマ姿でのツーショットを何枚も撮ったり。
二人きりの時間を、心置きなく満喫する。
普段なら半ば無意識で行うような動作なのに、いまは正しくできているか分からない。
「美夢ちゃんと一緒にお風呂~♪」
すぐ隣では、つぐみさんが鼻歌混じりで脱衣を進めている。
「――あっ」
わたしは恋人の下着姿に見惚れてしまっていたことに気付き、慌てて自分の服に手をかけた。
とと、とりあえず、ブラウスのボタンを――あ、あれ? ボタンってどうやって外すんだっけ?
「もしかして、ボタン外すの苦手?」
「は、はい、実はそうなんですっ」
「じゃあ、わたしが外してあげるよ」
「あ、ありがとうございます」
実際はつぐみさんの体を意識するあまり動揺しているだけなんだけど、さすがに言えない。
厚意に甘え、ブラウスのボタンを外してもらう。
好きな人に脱衣を手伝ってもらうという状況にドキドキしつつも、ボタンを外し終えるまでにどうにか呼吸を整えることができた。
つぐみさんが脱いだ下着を洗濯機に入れてから、少し遅れてわたしも産まれたままの姿を晒す。
「みっ、美夢ちゃんのおっぱい、改めて見ると本当におっきいね」
裸で向き合った瞬間につぐみさんの動きがピタリと止まり、数秒後にハッとなって早口で言い放った。
心なしか、さっきより顔が赤くなっているような……。
もしかして、と心の中に不安が生まれる。
「わたしの胸……気持ち悪い、ですか?」
周りと比べて明らかに大きな胸。自分の体において最も好きな部位であると同時に、最大のコンプレックスでもある。
あんまり思い出したくはないけど、中学生の頃は同級生になにかと嫌なことを言われたりもした。
背が高いわけでもなく、他の場所に肉が付いているわけでもない。それゆえに否応なく目立ち、奇異の視線を向けられる。
つぐみさんなら受け入れてくれると確信していても、不安がまったくないと言えば嘘になる。
服越しではなく直接目にしたことで、意見が変わるかもしれない。
「気持ち悪い? なんで? 大きくて形もよくて、色もすっごくきれいで、いいところばっかりだよ?」
「えっ、あっ、その、ありがとうございますっ」
まさか誉め言葉まで貰えるとは思っていなくて、一瞬言葉に詰まる。
さっきまでの不安は、呆気ないほどにあっさりと消え去った。
さて、いくら屋内とはいえ、冬場に裸のまま脱衣所に長居すれば風邪を引いてしまう。
不思議そうに小首を傾げるつぐみさんにタオルを渡して、浴室に移動する。
どさくさに紛れてボディタッチをすると、つぐみさんも同じようにわたしの体を触ってくれた。
交互にシャワーを使って全身をきれいにしてから、向かい合って湯船に浸かる。
最愛の人の裸を直視しながらの入浴というのは、想像していたより遥かに刺激的だ。
つぐみさんもわたしの裸を見て興奮してくれていたらいいのに……なんて思いつつも、それを確かめるほどの余裕はない。
会話に必要な分以外の全神経を使って、マグマのように熱くドロッとした情欲を体の奥底に押し留める。
のぼせない程度に長風呂を楽しんだ後は、リビングに寄ってジュースとお菓子、それと二人分のコップをトレーに乗せて部屋に運ぶ。
ベッドの脇に用意したサイドテーブルにトレーを置き、二人並んでベッドに腰掛ける。
「お風呂、気持ちよかったですね。これならすぐにでも眠れそうです」
本音ではあるものの、当然ながらこのまま寝るなんて選択肢はない。
コンビニで買ったジュースを手に取り、コップに注ぐ。
「うんっ、確かに。でも、夜はまだまだこれからだよ!」
つぐみさんの言う通り、夜はまだ長い。
お泊りはここからが本番だとでも言うかのように、わたしたちはジュースで乾杯した。
お菓子を互いに「あーん」して食べさせ合ったり、トランプで白熱した勝負を繰り広げたり。
ピッタリと密着してパジャマ姿でのツーショットを何枚も撮ったり。
二人きりの時間を、心置きなく満喫する。
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