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第1章
第73話《総一郎はひなの元へ来るのか?》
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「さて、続きましてはエントリーナンバー7番!愛野ひな様のプロポーズです…!!どうぞ、ステージにおあがりください!」
司会の声かけに、にこやかな表情のひながステージに颯爽と登壇する。
「さぁ、ドキドキの審査が始まりますが、ひな様は一体誰をご指名になられるのでしょうか?!また、相手役がエキストラか否かについてもここで宣言していただければと存じます…!」
「はい♪実は僕がこれから告白したいと考えているのはエキストラじゃなくて、経済学部3年の鷹崎総一郎さんです…!彼とは、ずっとテニスサークルで一緒に汗を流しながら頑張ってきて、大事なサークル仲間であり、友であり、そして…お互いに何よりも大事な人です。これからプロポーズを通して、次の関係に進みたいと思ってます♪」
他の出場者より丁寧に話を聞く司会者と、それに対して胸の所で祈るように指を組み、美しい笑みをこぼしながら毅然とした口調でふざけたことをのたまうひなに、俺は思わずため息をつく。
(はぁ…今までは一応幼馴染の彼氏という建前上、俺には総一郎との関係を隠して匂わせマウントのみで済ませていたはずなのに、まさかここにきて堂々と寝取り発言とはな。)
これじゃ、どっちみち俺が総一郎の浮気に気付くのも時間の問題だったわけだ。
しかも、ひなの中では総一郎と番になるのは決定事項らしく、宣戦布告ですらない。
こうなると、二人の中では一体どういうやり取りが行われているのか気になってくるな…。
ひながここで二人の関係を公言するという事は、必然的に俺に浮気がバレるという事だが総一郎も了承の上なのだろうか。
(まぁ、その答えもこれからのプロポーズで分かる事だけど。)
色々と腹が立ったり、疑問に思う事は多々あれど、とりあえずはコンテストの進行を見届けよう。
というかひなの話を聞いて、隣の席のつばめが腕を組んで貧乏ゆすりしはじめたのが怖くてそれどころではない。
漫画で表現するとしたら、背景にゴゴゴゴゴ…という文字が描かれていそうなオーラを放っている。
(うう、これは相当キテるぞ…。一体後でなんて言い訳したらいいんだよ…。)
頭を抱える俺をよそに司会がわざとらしくハンカチを取り出し、目元に当てながら話を進める。
「お、おお…!昨今ではαとΩによる交際0日の番婚などが流行っている最中、こんな美しくも清らかなカップルがいたとは…。思わず涙がでてきてしまいますね…。ぐずずっ、失礼………それでは!鷹崎総一郎様、ステージにおあがりください…!!」
満を持してはっきりとした声で総一郎を呼び出した司会に会場が静かになり、俺も思わず息をのむ。
………。
……………。
…………………。
(ん?返事がないな…。)
司会の呼びかけから、かれこれ1分程経過したが、一向に返事が聞こえてこない。
そのまま体育館に流れる沈黙の時間に、観客も司会も困惑した表情を浮かべており、ひなの顔が遠目でもひきつっているのが分かる。
「あ、あれぇ……、おかしいですね、お呼びしたはずなんですが。あ、いえ、わたくしめの滑舌が悪かったのやも…ゴホン、ンン゙ッ、鷹 崎 総 一 郎 さ ん …!!愛しの方がステージ上にて待っておりますよ…!!!」
司会が溢れ出る冷や汗を、涙を拭くのに使っていたハンカチで拭いながら、キョロキョロと辺りを見渡し、また総一郎の名前を大きな声で呼び直すも一向に返事も無いし、現れる気配もない。
とうとうひなが痺れを切らしたらしく、ひきつった顔でスマホを高速でフリックしはじめた。
おそらく急遽、総一郎に連絡を取ろうとしているのだろう。
(総一郎が来ていないという事は…もしかして、お兄ちゃんと相田君が上手い事GPSを移動させて、あいつを攪乱してくれているのか…?)
いや、だとしたら総一郎も相当な間抜けだぞ。
あいつも一応経済学部の主席で大企業の跡取りのはずだが…。大丈夫か…?
ひなの相手が一向に表れないことに沈黙して見守っていた観客達が、途端にざわざわしはじめる。
『もしかして、出場者初のプロポーズ失敗か…?w』
『いやいや、いいんだよそれで。人生失敗してこそだよな!』
『俺もラブレターで好きな子呼び出した時に来なかった事あるし!』
『こちら側へようこそ!!』
『てか、人の彼氏呼び出そうとしてるんだから来なくて当然でしょ。』
『え、鷹崎先輩って愛野さんと付き合ってるんじゃないの!?』
『んなわけ。ミスターコンで一番美人の花嫁いたでしょ?あの子と付き合ってるんだってー。メイドの子が言ってたわ。』
『やば。ひくわー…。』
『何が清らかなカップルだよwww』
『濁り切った爛れた関係の間違いだろ…』
『他人の彼氏のコンテストで花嫁役にかって出て、自分のコンテストで公衆の面前でプロポーズするとか、性格悪いよね…。』
中には同情したり共感したりする人もいてちょっと焦ったが、ひなの悪い噂の方はこの待機時間に結構な勢いで加速しているようで、ほっと胸を撫でおろす。
これは…とうとう一矢報いてやれたんじゃないか?
司会の声かけに、にこやかな表情のひながステージに颯爽と登壇する。
「さぁ、ドキドキの審査が始まりますが、ひな様は一体誰をご指名になられるのでしょうか?!また、相手役がエキストラか否かについてもここで宣言していただければと存じます…!」
「はい♪実は僕がこれから告白したいと考えているのはエキストラじゃなくて、経済学部3年の鷹崎総一郎さんです…!彼とは、ずっとテニスサークルで一緒に汗を流しながら頑張ってきて、大事なサークル仲間であり、友であり、そして…お互いに何よりも大事な人です。これからプロポーズを通して、次の関係に進みたいと思ってます♪」
他の出場者より丁寧に話を聞く司会者と、それに対して胸の所で祈るように指を組み、美しい笑みをこぼしながら毅然とした口調でふざけたことをのたまうひなに、俺は思わずため息をつく。
(はぁ…今までは一応幼馴染の彼氏という建前上、俺には総一郎との関係を隠して匂わせマウントのみで済ませていたはずなのに、まさかここにきて堂々と寝取り発言とはな。)
これじゃ、どっちみち俺が総一郎の浮気に気付くのも時間の問題だったわけだ。
しかも、ひなの中では総一郎と番になるのは決定事項らしく、宣戦布告ですらない。
こうなると、二人の中では一体どういうやり取りが行われているのか気になってくるな…。
ひながここで二人の関係を公言するという事は、必然的に俺に浮気がバレるという事だが総一郎も了承の上なのだろうか。
(まぁ、その答えもこれからのプロポーズで分かる事だけど。)
色々と腹が立ったり、疑問に思う事は多々あれど、とりあえずはコンテストの進行を見届けよう。
というかひなの話を聞いて、隣の席のつばめが腕を組んで貧乏ゆすりしはじめたのが怖くてそれどころではない。
漫画で表現するとしたら、背景にゴゴゴゴゴ…という文字が描かれていそうなオーラを放っている。
(うう、これは相当キテるぞ…。一体後でなんて言い訳したらいいんだよ…。)
頭を抱える俺をよそに司会がわざとらしくハンカチを取り出し、目元に当てながら話を進める。
「お、おお…!昨今ではαとΩによる交際0日の番婚などが流行っている最中、こんな美しくも清らかなカップルがいたとは…。思わず涙がでてきてしまいますね…。ぐずずっ、失礼………それでは!鷹崎総一郎様、ステージにおあがりください…!!」
満を持してはっきりとした声で総一郎を呼び出した司会に会場が静かになり、俺も思わず息をのむ。
………。
……………。
…………………。
(ん?返事がないな…。)
司会の呼びかけから、かれこれ1分程経過したが、一向に返事が聞こえてこない。
そのまま体育館に流れる沈黙の時間に、観客も司会も困惑した表情を浮かべており、ひなの顔が遠目でもひきつっているのが分かる。
「あ、あれぇ……、おかしいですね、お呼びしたはずなんですが。あ、いえ、わたくしめの滑舌が悪かったのやも…ゴホン、ンン゙ッ、鷹 崎 総 一 郎 さ ん …!!愛しの方がステージ上にて待っておりますよ…!!!」
司会が溢れ出る冷や汗を、涙を拭くのに使っていたハンカチで拭いながら、キョロキョロと辺りを見渡し、また総一郎の名前を大きな声で呼び直すも一向に返事も無いし、現れる気配もない。
とうとうひなが痺れを切らしたらしく、ひきつった顔でスマホを高速でフリックしはじめた。
おそらく急遽、総一郎に連絡を取ろうとしているのだろう。
(総一郎が来ていないという事は…もしかして、お兄ちゃんと相田君が上手い事GPSを移動させて、あいつを攪乱してくれているのか…?)
いや、だとしたら総一郎も相当な間抜けだぞ。
あいつも一応経済学部の主席で大企業の跡取りのはずだが…。大丈夫か…?
ひなの相手が一向に表れないことに沈黙して見守っていた観客達が、途端にざわざわしはじめる。
『もしかして、出場者初のプロポーズ失敗か…?w』
『いやいや、いいんだよそれで。人生失敗してこそだよな!』
『俺もラブレターで好きな子呼び出した時に来なかった事あるし!』
『こちら側へようこそ!!』
『てか、人の彼氏呼び出そうとしてるんだから来なくて当然でしょ。』
『え、鷹崎先輩って愛野さんと付き合ってるんじゃないの!?』
『んなわけ。ミスターコンで一番美人の花嫁いたでしょ?あの子と付き合ってるんだってー。メイドの子が言ってたわ。』
『やば。ひくわー…。』
『何が清らかなカップルだよwww』
『濁り切った爛れた関係の間違いだろ…』
『他人の彼氏のコンテストで花嫁役にかって出て、自分のコンテストで公衆の面前でプロポーズするとか、性格悪いよね…。』
中には同情したり共感したりする人もいてちょっと焦ったが、ひなの悪い噂の方はこの待機時間に結構な勢いで加速しているようで、ほっと胸を撫でおろす。
これは…とうとう一矢報いてやれたんじゃないか?
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