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第1章
第91話《兄達と別れて一人で鷲ノ宮を待つすずめに忍び寄る影》
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ピンポンパンポーン♪
《午後6時となりましたので、これにて〇×大学文化祭一日目を終了させていただきます。御来場下さった皆様、本当にありがとうございました! また明日の文化祭でお会いしましょう!》
と、ここで校内放送が、一日目終了のアナウンスを放送する。
(そういや、もう18時になるのか…。そろそろ俺達も解散しないと、鷲ノ宮さんとの待ち合わせの時間になってしまう。)
俺が今日のところはこれで離脱しようと皆に声をかけようとしたその時、つばめが一足先に構内アナウンスを聞きつけ、慌てて皆に解散を宣言した。
「ちょっとやだ!もうこんな時間?!今日21時からタクト様主演のドラマ始まるから早めに帰らないと!それじゃぁ各自、明日のだちょ君のダンス相手を探しておくって事で、とりあえず今日は解散ね!お疲れ~!」
「お疲れ様っした!!義兄さん方、ダンス相手の件、お世話になるっす!無理のない範囲で大丈夫っすので!」
「おう、任せろって。俺何気に人脈あるからさ!」
推しのドラマが見たいという、つばめの声に促されて、各々が労いの言葉をかけあう。
つばめと相田君はアパートを借りて同棲しているため、兄が車で二人を一緒に送るという形になり、3人はさっと荷物をまとめて一足先に駐車場へと向かって行った。
帰り際、兄達も、一旦単独行動になる俺に、一緒に帰らないかと気づかわし気な視線を送ったが、『このあとは泊まらせてくれる友人との約束があるから』と言ってなんとか断った。
兄には今夜泊まらせてもらう家が、今朝の不審者っぽい服装の人の所だとバレたら反対されるどころか、強制的に実家に連れ戻されそうなので、約束の相手の素性は出来るだけ伏せておく。
最初は駐車場まで3人と一緒に向かい、鷲ノ宮さんが来るまでそこで一人で待つことも考えたが、駐車場は人通りが少なく、ちょっと怖い感じがする。
俺としては、やはり先程の視線が心に引っかかっているため、待ち合わせギリギリまで人通りの多いこの辺りをうろついて時間を潰したい。
◇◇◇
それから、待ち合わせの時間まで、通りすがりの人々に聞き込みをしながら暇を潰す事20分。
(やはりそう簡単に相田君の相手は見つからないか…。それに、なんだか思ったより急な勢いで、学内に残っている人が少なくなって来た気がする…。)
普通、いくらイベントの終了時間が来たからと言って、もう少し余韻を楽しむというか、だらだらしながら帰る学生もいるものだと高を括っていたが、案外皆家まで直行の人が多くて焦燥感に駆られる。
どうした事かと疑問に思ったその時、丁度通りすがりの人が、
「やばーい、急いで帰って風呂に入ってタクト様のドラマに備えなきゃ~!!」
と、つばめが言っていたことと同じようなことを口にしているのが聞こえたので、ドラマ目的で帰る人が多いのかもしれない。
(困った…。このまま人が減り続けたらこの辺もちょっと怖いし、かといって駐車場はもっと人がいないから嫌だし…。一刻も早く人通りの多いエリアを探してそこに紛れ込もう。)
実は、妹たちと別れた後、何度もどこからか視線を感じることがあって、一人になりたくない気持ちが強くなっていた。
(うーん…どこに行こうか。)
とりあえず、校門の辺りだったら人通りも多いはずなので、早歩きでそこに向かおうとすると、その途中の人通りの少ないエリアで、突然背後に現れた何者かに肩にポンと手を置かれた。
(っ!!?)
これまでも同じようなことが何度もあって、そのたびにびびってはシマちゃんや兄でした~という、取り越し苦労なオチがついていたが、今回は明らかに違う。
「やっと見つけたよ、すずめ。さ、夜も遅いから一緒におうちに帰ろうね。」
(この慣れ慣れしさで兄以外で俺を呼び捨てにする奴は一人しかいない。)
総一郎がとうとう来てしまったかと、そろそろと顔だけ後ろを振り向くと__
やたら恰幅のいいビール腹をたゆんたゆんさせたαっぽい中年のおじさんが舌なめずりをしながら俺の事を舐め回すように見ていた。
「いや誰ーーーー!?!?」
思わず、大声でツッコミを入れてしまった俺は悪くないよな…?
《午後6時となりましたので、これにて〇×大学文化祭一日目を終了させていただきます。御来場下さった皆様、本当にありがとうございました! また明日の文化祭でお会いしましょう!》
と、ここで校内放送が、一日目終了のアナウンスを放送する。
(そういや、もう18時になるのか…。そろそろ俺達も解散しないと、鷲ノ宮さんとの待ち合わせの時間になってしまう。)
俺が今日のところはこれで離脱しようと皆に声をかけようとしたその時、つばめが一足先に構内アナウンスを聞きつけ、慌てて皆に解散を宣言した。
「ちょっとやだ!もうこんな時間?!今日21時からタクト様主演のドラマ始まるから早めに帰らないと!それじゃぁ各自、明日のだちょ君のダンス相手を探しておくって事で、とりあえず今日は解散ね!お疲れ~!」
「お疲れ様っした!!義兄さん方、ダンス相手の件、お世話になるっす!無理のない範囲で大丈夫っすので!」
「おう、任せろって。俺何気に人脈あるからさ!」
推しのドラマが見たいという、つばめの声に促されて、各々が労いの言葉をかけあう。
つばめと相田君はアパートを借りて同棲しているため、兄が車で二人を一緒に送るという形になり、3人はさっと荷物をまとめて一足先に駐車場へと向かって行った。
帰り際、兄達も、一旦単独行動になる俺に、一緒に帰らないかと気づかわし気な視線を送ったが、『このあとは泊まらせてくれる友人との約束があるから』と言ってなんとか断った。
兄には今夜泊まらせてもらう家が、今朝の不審者っぽい服装の人の所だとバレたら反対されるどころか、強制的に実家に連れ戻されそうなので、約束の相手の素性は出来るだけ伏せておく。
最初は駐車場まで3人と一緒に向かい、鷲ノ宮さんが来るまでそこで一人で待つことも考えたが、駐車場は人通りが少なく、ちょっと怖い感じがする。
俺としては、やはり先程の視線が心に引っかかっているため、待ち合わせギリギリまで人通りの多いこの辺りをうろついて時間を潰したい。
◇◇◇
それから、待ち合わせの時間まで、通りすがりの人々に聞き込みをしながら暇を潰す事20分。
(やはりそう簡単に相田君の相手は見つからないか…。それに、なんだか思ったより急な勢いで、学内に残っている人が少なくなって来た気がする…。)
普通、いくらイベントの終了時間が来たからと言って、もう少し余韻を楽しむというか、だらだらしながら帰る学生もいるものだと高を括っていたが、案外皆家まで直行の人が多くて焦燥感に駆られる。
どうした事かと疑問に思ったその時、丁度通りすがりの人が、
「やばーい、急いで帰って風呂に入ってタクト様のドラマに備えなきゃ~!!」
と、つばめが言っていたことと同じようなことを口にしているのが聞こえたので、ドラマ目的で帰る人が多いのかもしれない。
(困った…。このまま人が減り続けたらこの辺もちょっと怖いし、かといって駐車場はもっと人がいないから嫌だし…。一刻も早く人通りの多いエリアを探してそこに紛れ込もう。)
実は、妹たちと別れた後、何度もどこからか視線を感じることがあって、一人になりたくない気持ちが強くなっていた。
(うーん…どこに行こうか。)
とりあえず、校門の辺りだったら人通りも多いはずなので、早歩きでそこに向かおうとすると、その途中の人通りの少ないエリアで、突然背後に現れた何者かに肩にポンと手を置かれた。
(っ!!?)
これまでも同じようなことが何度もあって、そのたびにびびってはシマちゃんや兄でした~という、取り越し苦労なオチがついていたが、今回は明らかに違う。
「やっと見つけたよ、すずめ。さ、夜も遅いから一緒におうちに帰ろうね。」
(この慣れ慣れしさで兄以外で俺を呼び捨てにする奴は一人しかいない。)
総一郎がとうとう来てしまったかと、そろそろと顔だけ後ろを振り向くと__
やたら恰幅のいいビール腹をたゆんたゆんさせたαっぽい中年のおじさんが舌なめずりをしながら俺の事を舐め回すように見ていた。
「いや誰ーーーー!?!?」
思わず、大声でツッコミを入れてしまった俺は悪くないよな…?
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いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
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一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
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