浮気αと絶許Ω~裏切りに激怒したオメガの復讐~

飴雨あめ

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第1章

第107話《ふわふわ毛布に籠城するすずめに悶えるタクト》

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衝撃のカミングアウトの後、ついさっきあの鷲田タクトさんに夢の中だからといって我儘を言いまくった事を思い出して、悶えに悶えまくった。


(~~!もうやだ。穴があったら入りたい……!…って、いや待て。今の状況は現実にしてもさっきの鷲田さんとやり取りは夢だった可能性があるよな…!?)

俺は万が一の可能性に賭けようと、往生際悪く、サッとポケットからスマホを取り出し写真フォルダを開く。

(さっきの出来事が現実ならここに、鷲田さんと二人で撮った写真があるはずだ。)


ツイツイと未だ慣れない新しいスマホを操作してファルダを見てみると、そこには見事に鷲田さんに俺が抱き着いて甘えている写真が見つかり、余計に数倍のダメージが入った。


「うわああぁぁぁ!やっぱり夢じゃなかったんだ…!」


(最っ悪だ…!あの国民的俳優にかわいいって言うように要求したり抱っこを強制したり…めちゃくちゃに調子に乗っちゃったぞ…?!ああ、俺もう、巧斗さんの顔見れない…!)

パニックになって、あまりの恥ずかしさに耐えられなくなった俺は、リビングに駆け込んで咄嗟に寝ている間俺に被せてあったラビットファーのふわふわの毛布にくるまって籠城してしまう。

その後、俺を追ってリビングに戻ってきた巧斗さんが、そんな俺の様子を見て何故か顔を両手で抑え俺と同じようも身悶え始めた。



「すずめ?どうしましt……!!!あああ、かわいい…!なんですかこのうさぎさんは…。まさか、巣作り…ではないですよね……。とりあえず写真を撮ってもいいですか??」
「な?!だ、駄目―!!」


とんでもない事を言い出す巧斗さんに、俺は更にぎゅっと毛布を掴んで潜りこんで体をプルプルさせる。

「ああ…、もう…君がかわいすぎて、脳が溶けそうですよ…。」


それからというもの、巧斗さんは、毛布に包まってミノムシのように縮こまった俺の背中を、『大丈夫ですよ。』と、毛布ごと優しく撫でながらなだめてくれて、そのおかげで10分程経ってようやっと落ち着くことができた。



「…巧斗さん…。さっきは我儘ばかり言って馴れ馴れしくしちゃって本当にごめんなさい…。鷲田タクトさんが何故かこのリビングに居て、俺に膝枕してたから…てっきり夢かと思って…どうかしてた…。」
「そんな、とんでもない!あれはむしろ俺の方が美味しい思いをさせてもらって、感謝したいくらいなのに。」


冷静さを取り戻し、やっとまともに話せるようになった俺の様子を見て、
巧斗さんは微笑みながらそっと手を差し伸べてくる。


「すずめ。そろそろ毛布を取っても大丈夫ですか?」


耳元で優しく囁いてきた巧斗さんに、俺は思わずドキドキしながらこくんと何も言わずに頷く。

すると巧斗さんは、ラビットファーのふわふわ素材なので激しく剥いでも怪我をさせる心配は無いというのに、そっと壊れ物を扱うかのように毛布を剥ぎ取ってくれた。


「流石に朝まで毛布一枚だと風邪ひきますから、寝室へ案内させてくださいね?あ、お腹は空いてませんか?」
「!それは…空いてる、かも…。」


流石に昼食と夕食抜きはきついものがあるので、素直に空腹を打ち明けると、丁度いいタイミングで俺のお腹の音もぐるるる…と鳴った。


「ふふ、じゃあ今日はもう夜も遅いし、デリバリーでも頼みましょうか。すずめはどういうものが食べたい?」
「あ…えっと、じゃあ軽食がいいかな。」


本当はお腹も空いてるし、がっつりとしたお肉でも食べたいところだけど、それをこの人に言ってしまったら最後、お高そうな和牛肉を頼んでしまいそうなので差し控える。


「軽食でいいんですか?分かりました。それなら、少しでもスタミナをつけるためにもハンバーガーなんていかがです?」
「!ハンバーガー!食べたい!」

巧斗さんの丁度いい食べ物の提案に俺はぱぁっと目を輝かせる。
値段が比較的安価になりやすいジャンクフードの提案は本当にありがたい。

俺の反応に巧斗さんは『決まりですね。』と、笑顔で頷き、早速デリバリーに電話をかける。



「もしもし、1190号室の鷲ノ宮です。ハンバーガーとポテトを二つずつお願いできますか?」


注文をする電話の奥で、『かしこまりました…!すぐにでもお持ちいたします!!!』と、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

(…ん?今の声って…このマンションのオーナーさん?)

こういうのって普通、オーナーじゃなくて、コンシェルジュとかデリバリーを請け負っている所のスタッフさんが対応するものでは…?


少しだけ嫌な予感がしながらもデリバリーを待っていると、やはりこのマンションのオーナーさんがワゴンに高級料理でしか見ない銀色のドーム形の蓋(クローシュというらしい)が被せられた料理を乗せて運んできた。



「お待たせいたしました!こちらA5ランク黒毛和牛100%のハンバーグをふんだんに挟んだハンバーガーに、最高級の皮つき男爵芋を極上オリーブオイルでカラッと揚げたフライドポテトになります…!」



(????軽食とは…?)



こうなると思って軽食が食べたいと進言したのに、まさかお肉が食べたいと言わなくても、和牛を頼んでしまうとは…流石巧斗さんだ…。
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